国連「障害者の権利条約」関連資料



今まで掲載した国連「障害者の権利条約」関連情報をご紹介いたします。
タイトル掲載日
国連障害者権利条約第14回締約国会議(COSP)にて、ろう弁護士の田門浩氏が登壇2021/06/18
第14回締約国会議(COSP)にて、ろうの弁護士である田門浩氏が登壇されます2021/06/16
COSPサイドイベントのお知らせ②(各国の法的枠組みや政策において手話言語権を保障することの重要性)(6/22追記)2021/06/16
COSPサイドイベントのお知らせ①(障害者権利委員会へろう者を!)(6/22追記)2021/06/16
障害者の権利条約批准に寄せて2013/12/05
パラレルレポート特集

supported by 日本財団 日本は、国連で定められた「障害者権利条約」を2014年に批准し、障害のある人がよりよく生きるため、法・制度の見直しや整備を進めてきました。しかし未だに、私たちが障害のない人と同等の権利を保障された暮らしを営むにあたっては、社会的障壁が多く残っています。
 2022年夏、日本政府は、障害者権利条約の理念に則った政策が推進されているかどうかの審査を受ける予定です。
 全日本ろうあ連盟は、JDFをはじめとした国内外の当事者団体・関係団体と連携し、日本政府の報告と並行して、障害者権利委員会に対する「パラレルレポート」の提出、現地でのロビー活動を通して、国内の取り組みの更なる推進が必要であることを表明してきました。
 このページでは、条約の批准と国内法の整備、審査に係る一連の動きと連盟の活動をご紹介しています。

英語・国際手話版はこちら – To English / International Sign version

締約国(日本)報告とパラレルレポート、障害者権利委員会の審査
締約国政府
障害者権利委員会
障害者団体
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日本手話言語
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(23分)
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障害者人権条約
2001年12月
バンコク草案
2003年10月
障害者権利条約の策定
2006年12月
障害者権利条約の署名
2007年9月
障害者権利条約の批准
2014年2月
締約国の報告
に関する相談
最初の報告
2016年6月
定期報告
障害者団体のパラレルレポート
2019年6月
事前質問事項に対する
ロビー活動 2019年9月
委員会による事前質問事項
2019年10月
政府と並行して事前質問
事項へ回答 2021年3月
事前質問事項に対する、書面に
よる政府の回答 2021年6月
ジュネーブにおける非公開の場での障害者
団体による概要説明 2022年8月(予定)
建設的対話
2022年8月(予定)
総括所見(勧告)
2022年9月(予定)
短期的な勧告を含む勧告の実施を支持
締約国による勧告の実施
(年月 未定)
障害者権利条約の流れ
No.年月締約国政府(日本政府)障害者権利委員会(国連)障害者団体(JDF)
12006年12月障害者権利条約採択
22007年9月障害者権利条約署名
32014年2月障害者権利条約批准
42016年6月現状報告
52019年6月パラレルレポート第一弾
62019年9月サイドイベント(ロビー活動)
72019年10月事前質問事項
82021年3月パラレルレポート第二弾
92021年6月回答案
102022年3月パラレルレポート第三弾
112022年8月(見込)サイドイベント(ロビー活動)
122022年8月(見込)双方向的対話
132022年9月(見込)総括所見(勧告)
14未定勧告の実施
⓪ 障害者人権条約~バンコク草案作成~障害者権利条約策定 NEW!
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日本手話言語 動画
(34分)
 障害者権利条約で『言語(手話を含む)』と規定されるまで、連盟は国際会議等をはじめさまざまな場面で、情報収集や国内外の障害者団体との協議を重ねてきました。その際の取り組みについて、連盟参与であり、全日本ろうあ連盟理事、世界ろう連盟理事として活動を続けてこられた高田英一氏にお話を伺いました。
① 障害者権利条約批准(国内の動き)
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日本手話言語 解説動画
(0分46秒より再生)
 2006年に国連総会にて障害者権利条約が採択され、日本政府も2007年に署名し、国内において批准を前提にした国内法の見直しや整備をはじめました。
 日本政府は、国連で条約が採択されてすぐ批准をする動きがありましたが、障害者団体は国内法が整っていない段階での早期批准には反対していました。
 2011年には改正障害者基本法の成立(「言語に手話を含む」)、2013年には障害者差別解消法が成立。国内の法律が条約の求める水準に達したとして、2014年に日本政府が障害者権利条約を批准しました。

 全日本ろうあ連盟では2010年より手話言語法制定を求める運動をスタートし。2013年には鳥取県で全国初の手話言語条例が制定、2022年では440を超える自治体で手話言語条例が成立しています。

<参考資料> 障害者権利条約(2014年2月)和文英文
② 日本政府の報告と障害者団体のパラレルレポート第1弾
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日本手話言語 解説動画
(3分21秒より再生)
 締約国は,批准後2年以内、それ以後は4年毎に、条約に基づく措置の実施状況を障害者権利委員会へ報告することになっています。(政府報告)
 障害者団体などは政府報告とは別に情報提供(パラレルレポート)を障害者権利委員会に提出することができます。パラレルレポートは、市民社会や障害者当事者の立場から、具体的な課題を指摘することができるものです。
 日本政府は2016年6月に政府報告、連盟も参加しているJDF(日本障害フォーラム)もパラレルレポートを提出しました。このとき、障害者権利条約をもとに手話言語法の制定が必要であることをパラレルレポートに盛り込みました。

<参考資料>・第1回日本政府報告(日本政府→権利委員会)        (2016年6月)和文
      ・JDFパラレルレポート第1弾(JDF→権利委員会)        (2019年6月)和文英文
③ 障害者権利委員会による事前質問事項・権利委員会会期中のロビー活動

日本手話言語 解説動画
(5分13秒より再生)
 政府からの報告とパラレルレポートをもとに、障害者権利委員会から日本政府に対して事前質問事項が出されました。障害者権利委員会から勧告を出す前に、日本政府に対して重要な課題についてまとめたものです。日本政府は3か月以内に回答をする必要があります。この事前質問事項に日本の問題点を反映させてもらうために、事前に障害者権利委員会に対してロビー活動を行うことが認められています。
 2019年9月に、スイス・ジュネーブにある国連欧州本部にて行われた障害者権利委員会の前に、JDFはロビー活動を行いました。
 その結果、日本政府宛の質問事項の中に、「手話を国レベルで公式な言語として法律上認めるプロセス」についての質問を入れ込むことができました。

<連盟の意見>
下記の2点を事前質問事項に入れ込むように障害者権利委員へ依頼
  1. 手話言語法の制定を求める障害者団体と全地方自治体の要望に対して、政府はどのような検討をしてきたか。
  2. 全ての障害者の情報アクセシビリティや意思疎通の権利を保障する「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション保障法」という法制度を創設する計画はあるのか。
④ 障害者権利委員会による事前質問事項
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日本手話言語 解説動画
(8分24秒より再生)
障害者権利委員会から日本政府に対して、政策を問う事前質問事項が出されました。
(手話言語に関する部分を抜粋)
  • 司法手続の利用の機会(第13条)
  • 12 以下のために講じた措置についての情報を提供願いたい。
  • (a) 民事,刑事及び行政手続において障害者のために個人ごとに必要な事項を判断し個人ごとの支援と手続上の配慮を提供すること。これには,裁判所の建物,司法及び行政の施設への物理的なアクセスのし易さや,点字,デジタル版,読み易い版,手話言語,利用可能な有資格の通訳者の数を示すことを含め,補助的で利用し易いフォーマットで手続についての公式情報を入手可能な状態にすることを含む。
  • 表現及び意見の自由並びに情報の利用の機会(第21条)
  • 21 以下についての情報を提供願いたい。
  • (a) 日本手話を国レベルで公式な言語として法律上認めるプロセス。
  • (b) 点字,読み易い版及びその他補助的及び代替的な意思疎通の方法と様式を含め,利用可能なフォーマットで公式情報を発信するために全てのレベルの当局によって講じられた手段,及び意思疎通支援のために割り当てられたリソース。
  • (c) 音声解説,手話通訳及び字幕の使用を通じ障害者が理解しやすいテレビ番組を制作するためにとられた措置。

<参考資料> 事前質問事項(権利委員会→政府)(2019年10月)
       和文英文
⑤ 事前質問事項に対する政府の回答

日本手話言語 解説動画
(12分56秒より再生)
障害者権利委員会からの事前質問事項に対する政府回答は、21条で
  • 障害者基本法で「全て障害者は、可能な限り、言語(手話を含む。)その他の意思疎通のための手段についての選択と機会が確保されるとともに~~」としていること
  • 地方公共団体の中には、手話言語条例を制定し、積極的に手話の普及を図っているところもある。
  • とだけで、国としての手話言語法制定に対する回答はありませんでした。
⑥ パラレルレポート第2弾、第3弾
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日本手話言語 解説動画
(15分16秒より再生)
 コロナ禍のため、2020年に予定されていた、障害者権利委員会と日本政府の建設対話が延期となっています。
 JDFとして事前質問事項に対して、より良い勧告を引き出すためにパラレルレポート(第2弾)を作成し、障害者権利委員会に提出しました(2021年3月)。
 その中で、手話言語については下記のように総括所見に反映されるよう、意見を述べています。

手話言語の認定
○委員会は、ろう者の基本的人権に関わる問題として、ろう者の「手話言語を獲得する」「手話言語で学ぶ」「手話言語を学ぶ」「手話言語を使う」「手話言語を守る」という権利(言語権)を法律で保護し、司法(裁判、選挙)、立法、行政、労働、医療、教育 を含む、あらゆる分野で、手話言語が使える環境を整えられていないことと、コミュニケーションと情報が十分に保障されないことを懸念する。特に手話言語通訳者を養成し、あらゆる分野の機関で設置できる制度(法律)が不十分である。
●委員会は締約国に対し、司法、立法、行政、労働、医療、教育を含む、あらゆる分野での手話言語の利用の権利を保障する手話言語法を制定することを勧告する。また手話言語法を制定することによって手話言語の理解と普及の推進と、手話言語通訳者の養成と設置および派遣を可能にするよう勧告する。

<参考資料>(事前質問事項に対する)JDFパラレルレポート第2弾
      (JDF→権利委員会)(2021年3月)和文英文
⑦ 障害者権利委員会と日本政府との建設的対話(解説動画 18分8秒より)
動画再生
日本手話言語 解説動画
(18分8秒より再生)
 コロナ禍により延期されていた建設的対話は2022年8月にジュネーブで開催される予定です。ここでは、日本政府と権利委員会委員が直接、日本の法整備状況や制度の課題などについて議論、より良い方向に進めていくための対話をしていきます。今回、建設的対話に向けて日本政府から回答された現行法の中での取り組みでは、当事者の求める完全な社会参加は保障されません。連盟をはじめとする当事者団体は、この建設的対話の際に現地でロビー活動を行い、「手話言語法」「情報・コミュニケーション法」が必要であることを権利委員に訴え、日本政府への勧告につなげられるように働きかけていきます。
⑧ 委員会による総括所見(勧告)
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日本手話言語 解説動画
(20分3秒より再生)
 これまでの報告と建設的対話を経て、障害者権利委員会は、日本政府に対して国内整備状況の評価、次の審査までに達成すべき目標を示す「総括所見(勧告)」を提示します。日本政府はこの勧告を受け、再度国内法・制度の整備をしていく必要があります。また、勧告後も、課題は社会情勢が変わるのに応じて変化するため、次のサイクルで新たな課題を見つけ、解決するための取り組みを行っていきます。

過去に掲載した邦訳資料(新しいものから順に並べています)

「障害者権利条約に関する国連委員会第1回会議」
(2009年5月)
WFDニュースレター2009年5月号 P.10 「国際・国連ニュース」より
By ステファン・トロメル、IDA事務局
「経済社会局(DESA)・人権高等弁務官事務所(OHCHR)における協働プログラム」
(2007年11月9日)
「機能する条約を目指して—障害者の権利条約の実施への市民社会の参加」
(2007年11月27日)
2007年11月27日から29日の間、スペインのマドリードで国連経済社会局(DESA)が開催した「機能する条約を目指して—障害者の権利条約の実施への市民社会の参加」と題された専門家グループ会議の成果文書:
国連総会で「障害者権利条約」を採択   〜「手話=言語」〜
「手話は言語である」と定義した「障害者権利条約」が12月13日の国連総会において全会一致で採択されました。
手話が言語として国際的に認知されたのです。次は日本で!!

(2006年12月13日)
ろう、盲、盲ろう者のためのインクルーシブ教育に関する声明
世界ろう連盟、世界盲人連合、世界盲ろう者連盟が2005年8月の第6回アドホック委員会
において国際障害コーカスと協議の上提出

(2005年10月17日)
国連速報: 権利条約アドホックの新議長決定
(2005年4月14日)
第13条(思想、表現及び意見の自由)に関する国際障害コーカス(IDC)の意見書
(2005年4月5日)
「ろう者の願い 手話を法定言語に認めて」 高田英一
(2004年8月25日)
第4回特別委員会(2004年8月23日〜9月3日)へのWFD意見書
(2004年8〜9月)
第3回・第4回障害者権利条約特別委員会フォローアップのためのESCAP/APDFワークショップ
(2004年10月11〜12日 タイ・バンコク  主催:国連ESCAP/共催:APDF)
会議資料の邦訳:
障害者の権利条約の国連作業部会草案に関する世界ろう連盟(WFD)の見解
(2004年3月)
「障害者権利条約」アドホック特別委員会のワーキング・グループ(作業委員会)
(2004年1月5〜16日、ニューヨーク国連本部)
第58回国連総会第3委員会(ニューヨーク国連本部)
ESCAP/中国障害者連盟「障害者の国際権利条約に関する地域会議」
(2003年11月4〜7日、北京)
ESCAP「障害者の権利条約」に向けての地域ワークショップ 会議資料
(2003年10月14〜17日、バンコク)

事前配布資料:

  1. ワークショップ・プログラム(最新版に更新) 
  2. ワークショップの目的
  3. 条約の起草への障害を持つ女性の完全参加を促進するワークショップからの「提案書」
  4. バンコク提案を踏まえて書かれた討議のための条約草案(注:ワークショップ開催前の第1案)
  5. 条約の起草に関するバンコク提案(2003年6月のESCAP専門家会議・セミナーより)
  6. 国連の人権制度(プレゼンテーション「人権制度の再検証」のスライド) 
権利条約に関する第2回特別(アドホック)委員会の報告
(2003年7月3日)
ジュネーブに本部を置く国連機関主催の「障害の権利条約」に関する第三回会議 議事録
(2003年9月3日、ジュネーブ)
障害者の人権条約に関する世界ろう連盟(WFD)の方針(ポジション・ペーパー)
(2003年6月24日)
ESCAP「障害者の権利条約」に関する専門家会議(EGM)及びセミナー 会議資料
(2003年6月2〜4日、バンコク)
  1. 国連アジア太平洋経済社会委員会による障害者権利条約に関する提案
  2. 「障害者の権利及び尊厳の保護及び促進に関する総合的かつ包括的な国際条約」の構成要素
  3. 国際権利条約へのESCAP地域からの提案作成の大要
  4. カントリー・ペーパー:高田英一 原文(日) ・ 英訳
  5. 国連人権高等弁務官事務所の提出資料
  6. 「障害者の権利及び尊厳の促進及び保護に関する包括的かつ総合的な国際条約」の起草に関するバンコク提案
  7. 会議情報ウェブサイトへのリンク(英文)
権利条約に関する第2回特別(アドホック)委員会 会議資料
(2003年6月16〜27日)
  1. 暫定議題 試訳(川島聡訳)・原文
  2. 決議
国連人権委員会決議2003/49「障害者の人権」
(2003年4月23日)
国連障害者の権利条約に関する「IDA声明文」 (2003年3月2日)
障害者の権利に関する人権高等弁務官の声明
 
(2002年12月3日)
障害者権利条約特別検討会 会議日誌
Volume 1 #10
 (2002年8月9日)
特別報告者からの条約関係資料
国連障害者の権利条約メキシコ政府第2案
人権委員会第58会期決議「特定集団と個人:その他の弱
い立場の集団と個人」
障害を持つ人々の基本的人権に関する条約:ホルガー・カレハウゲによる文案
社会開発委員会第40会期決議案「障害者の権利及び尊厳の促進及び保護に関する包括的かつ総合的な国際条約」
(2002年2月21日採択)
社会開発委員会第40会期決議案「障害者による障害者のための障害者と共同した機会均等化の更なる促進と、障害者の人権の更なる保護」
2002年2月27日採択
国連総会決議56/115「障害者に関する世界行動計画」
(2001年12月19日採択)
国連総会決議 56/168「障害者の権利条約」
(2001年12月19日採択)

関連リンク:

  1. 「障害者の権利条約」関連情報(arsvi.com)
  2. 国連社会開発委員会のウェブサイト
  3. 国連人権委員会のウェブサイト
  4. 国連障害者権利条約に関する特別(アドホック)委員会ウェブサイト
  5. 長瀬修様のページ
  6. ESCAP 障害者の権利条約に関する専門家会議 (バンコク、2003年6月)
  7. ESCAP 障害者の権利条約地域ワークショップ (バンコク、2003年10月)
  8. 第3回・第4回障害者権利条約特別委員会フォローアップのためのESCAP/APDFワークショップ(2004年10月)