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障害者の権利条約の国連作業部会草案に関する
世界ろう連盟(WFD)の見解

作業部会条約草案と世界ろう連盟修正案の比較



2004年3月28日現在
作業部会案の翻訳は長瀬修氏・川島聡氏。世界ろう連盟修正案の翻訳は全日本ろうあ連盟。

草案第3条 定義
  作業部会案 世界ろう連盟修正案
言語 「言語」は、口及び耳による言語並びに手話を含む 準備中

草案第13条 表現及び意見の自由、情報を利用する機会
  作業部会案 世界ろう連盟の修正案
a 多様な種別の障害を考慮して、障害のある人に対し、その要請に応じ、適時に、追加の費用を伴わず、かつ、その選択した利用可能な形態及び技術を用いて、公共の情報を提供すること。 原文のまま
b 障害のある人が代替的なコミュニケーション様式を公の対話において使用することを是認すること。 公の対話において、障害のある人が代替的なコミュニケーション様式を使用し、ろう者が手話を使用することを是認すること。
c 代替的及び拡大的なコミュニケーション様式を使用することができるように障害のある人を教育すること。 代替的及び拡大的なコミュニケーション様式を使用することができるように障害のある人を教育すること。ろう者には、国の手話による教育が提供されるべきである。
d 障害のある人に適した新たな技術(情報通信技術及び支援技術を含む。)の研究、開発及び生産に着手し及びそれを促進すること。 原文のまま
e 障害のある人が情報を利用する機会を確保するための他の適当な形態の援助及び支援を促進すること。 障害のある人が情報を利用する機会を確保するための他の適当な形態の援助及び支援を促進すること。これにはライブ支援者、仲介者、手話通訳者に適切な訓練を提供することがふくまれる。
f 公衆にサービスを提供する民間主体が、その情報及びサービスを障害のある人にとって利用可能及び使用可能な形態で提供することを奨励すること。 原文のまま
g マスメディアが、そのサービスを障害のある人にとって利用可能なものにすることを奨励すること。 原文のまま

草案第17条 教育
  作業部会案 世界ろう連盟の修正案
4 締約国は、感覚的な障害のある子どもが、適当な場合には手話又は点字の教育を受けること及び手話又は点字で履修することを選択することができることを確保する。締約国は、手話又は点字に通じた教員の雇用を確保することにより、感覚的な障害のある学生に対する良い教育を確保するための適当な措置をとる (盲人関連の項とは独立させる)  ろうの子どもは自分達のグループの中で教育を受け、手話と国の音声言語、書記言語のバイリンガルな使用者となるべきである。又、その他に外国の手話や音声・書記言語を学習する権利も有する。各締約国は、ろうの教員及び手話に精通している健聴の教員の雇用を確保することにより、手話による質の高い教育を提供できるよう、法的、行政的、政治的、その他必要な措置をとる。
脚注 作業部会の構成員の中には、たとえばろう児が手話で教育を受けることを認めるために、感覚的な障害のある子どもに特有なこのパラグラフを維持することが望ましいとした者もいる。他の構成員の中には、このパラグラフが、代替的なコミュニケーション様式を必要とするかもしれないあらゆる子どもを含むものにまで広げられるべきか疑問を呈した者もいる。いずれの場合においても、手話、点字その他の代替的なコミュニケーション制度は、教育で用いられる場合には必ず、その国の書記言語又は音声言語を教えることの代わりではなく、それに加えられるべきものであることに合意があった。特別委員会は、この論点が、表現及び意見の自由に関する条文草案第13条で取り扱われ得るか否かについても検討するかもしれない。 削除

草案第19条 アクセシビリティー
  作業部会案 世界ろう連盟の修正案
2(b) 公共の建物及び設備の利用可能性を推進するための他の形態のライブ支援及び仲介者(案内者、朗読者及び手話通訳者を含む。)を提供すること。 (b)1:公共の建物及び設備の利用可能性を推進するための他の形態のライブ支援及び仲介者(案内者、朗読者及び要約筆記者・字幕製作者を含む。)を提供すること。
(b)2:公共サービス、教育、参加を可能にするために、情報を音声言語から手話へ、又手話から音声言語へ通訳する手話通訳者を仲介者として提供すること。



作成日 2004年3月30日
財団法人 全日本聾唖連盟

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