ろう者の仲間たち ~きずな~
栄 智美さん(第19回夏季デフリンピック・女子バレーボール・金メダル)

中央が栄さん
バレーボールの面白さは、試合中も声を掛け合って攻撃や守備のコンビネーションを変えられることにあるが、ろう者はそれが難しい。細かいルールの確認を重ねて練習していくことで、アイコンタクトによるコンビネーションを目指すのが私たちろう者のバレーボール。
2001年のデフリンピックで米国、ウクライナといった強豪国との大接戦をものにして悲願の世界一を果たせたのは、ろう者の仲間たちで練習を積み重ねたからだ。手話で心を通わせる仲間はかけがえのない宝物である。
今は母校であるろう学校で仕事をする傍ら、バレーボールクラブの指導で、同じ耳の聞こえない生徒たちに次のように話しかけている。
「夢を実現するためには環境作りを自分から起こしていく努力が必要。周りからのサポートを得るためにも、日頃から前向きな気持ちを持って、周りに認めてもらえるようがんばることが大切。」
ろう児の夢がどこまでも広がっていくよう、そしてみんなが世界の舞台で活躍する日を夢見て、今日も手話を使ってバレーボールの指導に打ち込む。