ICSD憲章
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2021年9月24日 改正案
ICSD憲章
(全日本ろうあ連盟スポーツ委員会仮訳)
2021年11月
目次
前文
第1回デフリンピック大会(Deaflympics)は、国際サイレント大会(International Silent Games)と称され、1924年にパリで開催された。本大会は、いかなる類の障害者団体にとっても初であり、自身もろう者でありフランスろう者スポーツ連盟の理事長であったユジェーヌ・ルーベンス・アルケ(Eugène Rubens-Alcais)が発案したものであった。あらゆる社会において、ろう者が知的に劣り、言語能力に乏しいと見られ、賎民として扱われることも多かった時代に、ルーベンス・アルケは国際スポーツ大会を自分たちのエンパワーメントのための最良の手段として構想したのである。ベルギーの若きろう者であるアントワーヌ・ドレス(Antoine Dresse)が、その夢とビジョンを達成する功績を果たした。
最初のデフリンピック開会後、ろう者スポーツの指導者たちがパリのカフェに参集し、国際サイレントスポーツ委員会(Comité International des Sports Silencieux: CISS)を設立した。同団体は後に国際ろう者スポーツ委員会(Comité International des Sports des Sourds)、さらに英語が団体の公式語になったさいにInternational Committee of Sports for the Deaf(ICSD)と改称した。
1955年、ICSDは「オリンピックと同格の国際組織」として国際オリンピック委員会(IOC)の公認を受け、入会した。1966年、IOCはICSDに対して、オリンピックの理想の堅持と国際スポーツへの奉仕を称え、クーベルタン杯を授与した。さらにIOCは、2001年、ICSDが4年に1度開会する夏季・冬季大会について「デフリンピック大会」の呼称を使用する権利を付与した。デフリンピック大会は、自分たちが属するコミュニティの構成員が主導する点でほかのいかなるIOC認可大会とも一線を画している。
ICSDは、世界中のろう者スポーツおよび言語的マイノリティの一員であるろうの選手たちの精神を称えるために、デフリンピック運動の前進に深く関与し、PER LUDOS AEQUALITAS(スポーツを通して平等を)のモットーを固守する。
ICSD定款、ICSD憲章、関連するICSD付則が、ICSDおよびデフリンピック運動を統括する。
本ICSD憲章に定められる権利および自由の行使は、人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治やその他の信条、国籍や社会的出自、財産、出生やその他の地位など、あらゆる類の差別なしに保障されるものとする。
定義、解釈、略称
定義
ICSD憲章では、以下の定義を使用する。
準会員 | 評議員会によってICSD入会を認められたIDSF。1種目につき1団体のIDSFのみが準会員として入会するものとする。 |
ろう者選手 | 良耳が55dB以上の聴覚障害を有するスポーツ競技参加者 |
評議員会 | 本憲章の条項で定める全正会員・準会員を対象とする会議 |
ろう者 | 聴覚に障害を有する者 |
ろうスポーツ | ろう者が参加するスポーツ競技 |
デフリンピック大会 | 複数種目からなるろう者の国際競技大会であって、夏季大会と冬季大会に分けられる。夏季大会と冬季大会はいずれも4年に1度、それぞれ2年をおいて開会される |
デフリンピック大会任期 | デフリンピック大会が閉会後1ヵ月後に始まり、次のデフリンピック大会閉会後1ヵ月後に終了する4年間。連続する2度の夏季大会の間、または連続する2度の冬季大会の間とする。 |
青年ろう者競技大会 | 14歳から18歳までの青年ろう者選手を対象とする、複数種目からなる国際競技大会 |
青年ろう者競技大会任期 | 青年ろう者競技大会が閉会後1ヵ月後に始まり、次の青年ろう者競技大会閉会後1ヵ月後に終了する4年間 |
世界ろう選手権大会 | 特定の1種目からなるスポーツ競技大会 |
執行理事会 | ICSDの組織および運営を監督する理事会 |
創立会員 | 創立大会に出席した全国ろうスポーツ連盟 |
正会員 | 評議員会によってICSD入会を認められたNDSF。1ヵ国につき1団体のNDSFのみが準会員として入会するものとする。 |
グッドスタンディング | グッドスタンディングにある人または会員は、定められたその義務を遵守しているとみなされ、いかなる形の制裁、資格停止、処分の対象とならない。 |
終身名誉会員 | ろう者スポーツへのその卓越した功績が認められ、評議員会によってICSD入会を認められた個人 |
ICSD認可競技 | ICSDが認めた競技であって、その組織がICSDの管轄外にあるもの |
国際ろう者スポーツ連盟 | 1種目の競技を管轄する国際ろう者団体 |
国際スポーツ連盟 | 1種目の競技を管轄する国際団体 |
運営委員会 | 団体または会員の組織および運営を管轄する団体(例:執行理事会) |
全国ろう者スポーツ連盟 | 当該国のろう者スポーツを管轄する団体として認められる国内ろう者スポーツ連盟 |
暫定会員 | 評議員会によって正会員または準会員資格が認められるまでの間、執行理事会によって暫定的な入会を認められたNDSFまたはIDSF |
地域ろう者スポーツ連合 | 当該地域においてICSDのビジョン、使命、目的を共有および促進するICSD会員国からなる地域連合 |
地域選手権大会 | 地域連合の範囲内に居住する全選手に開かれた競技大会 |
略称
ICSD憲章では、以下の略称を使用する。
APDSC | アジア太平洋ろう者スポーツ連合(Asia Pacific Deaf Sports Confederation) |
CADS | アフリカろう者スポーツ連合(Confederation of African Deaf Sports) |
CEO | 最高経営責任者(Chief Executive Officer) |
CISS | 国際ろう者スポーツ委員会(Comité International des Sports des Sourds) |
dB | デシベル(Decibels) |
EDSO | 欧州ろう者スポーツ連盟(European Deaf Sports Organisation) |
GAISF | 国際スポーツ団体連合(General Association of International Sports Federations) |
ICSD | 国際ろう者スポーツ委員会(International Committee of Sports for the Deaf) |
IDSF | 国際ろう者スポーツ連盟(International Deaf Sports Federation) |
IOC | 国際オリンピック委員会(International Olympic Committee) |
NDSF | 全国ろう者スポーツ連盟(National Deaf Sports Federation) |
PANAMDES | 汎アメリカろう者スポーツ連合(Pan American Organisation of Sports of the Deaf) |
RDSC | 地域ろう者スポーツ連合(Regional Deaf Sports Confederation) |
UN | 国際連合(United Nations) |
WADA | 世界アンチ・ドーピング機構(World Anti-Doping Agency) |
WFD | 世界ろう連盟(World Federation of the Deaf) |
第1条 名称および本拠地
1.1 国際ろう者スポーツ委員会(International Committee of Sports for the Deaf: ICSD/Comité International des Sports des Sourds: CISS)は、スイス民法典第60条により、登録番号CHE-376.811.133番でヴォー州商業登記簿に登記された団体である。
1.2 ICSDの本拠地はスイス・ローザンヌに置く。
第2条 ICSDのビジョン、使命、目的
2.1 ICSDのモットーは。PER LUDOS AEQUALITAS(スポーツを通して平等を)である。
2.2 ICSDのビジョンは。ろう者選手を鼓舞し、スポーツにおける卓越さと喜びを達成できるようにすることである。
2.3 ICSDの使命は。すべてのろう者スポーツを管轄する世界の最上位組織として認められた団体として、スポーツを通じてろう者のインクルージョンを促進することである。
2.4 ICSDの使命は、国連障害者の権利条約の条項に従って遂行するものとする。特に、
・ 第5条 (平等及び無差別) 障害者の事実上の平等を促進し、又は達成するために必要な特別の措置は、この条約に規定する差別と解してはならない。
・第30条 (文化的な生活、レクリエーション、余暇及びスポーツへの参加) 障害者は、他の者との平等を基礎として、その独自の文化的及び言語的な同一性(手話及び聾〔ろう〕文化を含む。)の承認及び支持を受ける権利を有する。/締約国は、障害者が他の者との平等を基礎としてレクリエーション、余暇及びスポーツの活動に参加することを可能とすることを目的として、次のことのための適当な措置をとる。(a) 障害者があらゆる水準の一般のスポーツ活動に可能な限り参加することを奨励し、及び促進すること。(b) 障害者が障害に応じたスポーツ及びレクリエーションの活動を組織し、及び発展させ、並びにこれらに参加する機会を有することを確保すること。このため、適当な指導、研修及び資源が他の者との平等を基礎として提供されるよう奨励すること。
[訳注:上記条文は日本政府公定訳による。]
2.5 ICSDの目的は以下の通りである。
2.5.1 すべてのろう者スポーツを管轄する世界の最上位組織として活動すること。
2.5.2 ICSD倫理規程、IOCおよびGAISFの「良好なガバナンスの普遍的基本原則」、WADAのアンチ・ドーピング規則に従って、ろう者スポーツの倫理および良好なガバナンスを促進し、フェアプレーの精神が行き届くようにすること。
2.5.3 すべての競技大会において、ろう者選手の参加を促進および支援すること。
2.5.4 すべての国において全国ろう者スポーツ連盟の発展を通じてデフリンピック運動が育成および強化されるようにすること。
2.5.5 デフリンピック大会、世界青年ろう者競技大会、世界ろう者選手権大会、その他のろう者スポーツ競技大会の成功のために組織を監督および確保すること。
2.5.6 国際および地域ろう者スポーツ競技を裁定および促進すること。
2.5.7 スポーツをろう文化およびろう教育と融合する施策を奨励および支援すること。
2.5.8 すべてのレベルでろうの女性の地位向上を奨励および支援すること。
2.5.9 アイデアと知識を共有することによりろう者スポーツにおける関係を調和させること。
2.5.10 ろう者選手のためのスポーツを、政治、宗教、経済、人種、性別、障害、性的指向を理由とよる差別が生じることがないような形で促進すること。
2.5.11 ドーピングに対する闘いを支援することにより、クリーンな選手およびろうスポーツの高潔性を守ること。
2.5.12 ろう者スポーツの規則および規定を監視すること。
2.5.13 国際および地域ろう者スポーツ競技の日程を調整すること。
2.5.14 IOC、GAISF、WADAと連携および協働すること。
2.5.15 認められたISFと提携して国際ろう者スポーツ競技の組織に連携および協働すること。
2.5.16 ろう者選手および会員を代弁して、関係する団体または政府に対するロビー活動およびそれらとの協働を行うこと。
2.5.17 資金を調達し、ICSDの目的を実行するのに必要な資産を獲得すること。また、その目的に必要なすべての許諾を取得すること。
2.5.18 ICSDのビジョン、使命、目的の遂行に必要なまたはそれに付随するその他すべてのことを行うこと。
第3条 正会員、準会員、暫定会員
3.1 ICSDの会員は3種別とする。
3.1.1 正会員
3.1.2 準会員
3.1.3 暫定会員
3.2 正会員
3.2.1 正会員は、創立大会に創立会員として出席した、または評議員会に正会員資格を認められた全国ろう者スポーツ連盟(NDSF)で構成する。
3.2.2 NDSFは、以下を満たす場合に正会員資格を申請することができる。
3.2.2.1 当該国で登録または認可された自主運営のろう者スポーツ団体であること。
3.2.2.2 理事長および理事職にある者の過半数がろう者であること。
3.2.2.3 当該国のスポーツ協議会または同種のスポーツ最高機関により、その国のデフリンピック運動を代表する唯一の団体として認められていること。
3.2.2.4 ICSD憲章の意図および精神と整合するしかるべき狙い、方針、目的を組み込んでいる、またはそれらを明記した憲章を有すること。その憲章は、変更が加えられる際には、その都度、検証が行われるものとする。
3.2.3 正会員資格の申請手順は付則で定める。
3.3 準会員
3.3.1 準会員は、1競技種目の技術的側面を管轄する国際ろう者スポーツ連盟(IDSF)から構成する。オリンピズムの目的および該当する原則に従って活動し、ICSD憲章と整合する狙い、目的、意図を有する国際スポーツ団体と認められるものとする。
3.3.2 IDSFは、以下を満たす場合に準会員資格を申請することができる。
3.3.2.1 登録または認可されたろう者スポーツ連盟であること。
3.3.2.2 理事長および理事職にある者の過半数がろう者であること。
3.3.2.3 ICSD憲章の意図および精神と整合するしかるべき狙い、方針、目的を組み込んでいる、またはそれらを明記した憲章を有すること。その憲章は、変更が加えられる際には、その都度、検証が行われるものとする。
3.3.3 正会員資格の申請手順は付則で定める。
3.4 暫定会員
3.4.1 その進化および発展に寄与するため、一定の基準、特に以下を満たす場合に、暫定会員資格を全国または国際ろう者スポーツ連盟に付与することができる。
3.4.1.1 ICSDが認める付則により非営利の地位を追求していること。
3.4.1.2 理事長および理事職にある者の過半数がろう者であること。
3.4.1.3 ICSDの中で継続的に積極的な参加および連携を行っていること。
3.4.2 暫定会員は、5年間、完全な権利を認められる。
3.5 会員の権利
3.5.1 正会員は、以下の権利を有するものとする。
3.5.1.1 ICSDのすべての競技大会、行事、活動に参加する権利。
3.5.1.2 ICSDが認可する競技大会および行事に参加する権利。
3.5.1.3 ICSDが認める競技大会にろう者選手を参加させる権利。
3.5.2 準会員は、以下の権利を有するものとする。
3.5.2.1 ICSDが認める競技大会を独自に実施する権利。ただしICSDのスポーツ日程に沿い、後者を優先する。
3.5.3 暫定会員は、以下の権利を有するものとする。
3.5.3.1 ICSDが認める競技大会にろう者選手を参加させる権利。
3.5.3.2 ICSDのすべての競技大会、行事、活動に参加する権利。
3.5.4 正会員、準会員、暫定会員は、ICSD憲章またはその他のICSD規定から生じるその他のすべての権利を行使する資格を有するものとする。
3.5.5 正会員、準会員、暫定会員が、ICSD憲章(および/またはその他のICSD規定)が定める権利の行使が許されるのは、グッドスタンディングにあり、ICSDおよび地域連合が課す費用、賦課金、負債を完済した場合のみとする。
3.5.6 事務局は、すべての会員について、各会員の費用、賦課金、負債を掲載した一覧表を作成し、毎月末に用意する。
3.6 正会員、準会員、暫定会員の役割および責務(総則)
3.6.1 正会員、準会員、暫定会員は、以下のことを行うものとする。
3.6.1.1 ICSDのビジョン、使命、目的を共有および促進する。
3.6.1.2 ICSD憲章、付則、コード、規則、規定、およびICSDのすべての決定に従う。
3.6.1.3 各会員が、明確な定款、役割および責務、ならびに選出手順を備えた、各自の適切な運営委員会を設立する。
3.6.1.4 その運営委員会において各性が適切に代表を立てるようにする。
3.6.1.5 運営委員会の委員長および委員の過半数はろう者とする。
3.6.1.6 ICSDとのコミュニケーションを定期的かつ継続的に行い、特にICSDからの公式の要請には即時に対応する。
3.6.1.7 当該国および/または当該の参加競技のすべてのろう者選手に公開する。
3.6.1.8 ICSDの知的財産権を尊重する。
3.6.2 正会員、暫定正会員、同会員が当該国で認めるろう者スポーツ団体は、ICSDが認めない国際競技大会、行事、活動に参加しないものとする。
3.6.3 正会員および準会員は、その会員資格の義務を満たす能力および適性を有するものとする。暫定会員は、完全な権利を認められるために、暫定会員資格を付与されてから5年間、その会員資格の義務を満たす能力および適性を有するものとする。
3.6.4 ICSD理事長または理事長が指名する代表者は、すべての会員の会議に出席する権利を有するものとする。
3.6.5 会員がICSD憲章および規定に則った何らかの義務を満たさなかった場合、当該会員はICSD執行理事会が決定する制裁の対象となるものとする。ICSD執行理事会は、その権限を委任することができる。
3.7 正会員のさらなる役割および責務
3.7.1 正会員は、執行理事会の定めにより、地理的に属する地域ろう者スポーツ連合の会員とする。
3.8 準会員のさらなる役割および責務
3.8.1 準会員および暫定準会員は、すべての正会員および当該国で正会員が認めるろう者スポーツ団体が会員団体として参加できるものとする。
3.8.2 準会員は、地域ろう者スポーツ連合2団体以上からグッドスタンディングの10団体以上の正会員を有するものとする。
3.8.3 ICSDと各準会員との関係は、評議員会が承認する覚書(MOU)により支配され、2度のデフリンピック大会期間(8年間)をカバーするものとする。
3.9 会員権の停止および除名
3.9.1 会員は、執行理事会の要請のみにより、特に以下の場合に、評議員会によって会員権の停止または除名を受けることがある。
3.9.1.1 ICSD憲章および/またはデフリンピック規則に違反した場合
3.9.1.2 年会費またはその他の賦課金の支払いを(督促にも関わらず)行わなかった場合
3.9.1.3 名誉を傷つける行為を行った、またはろう者スポーツの評価を貶めた場合
3.9.2 第3.9.1項に関わらず、執行理事会は、その義務に重大な違反があった会員に対して、評議員会の投票なしに即時に一時的な会員権の停止をすることができる。執行理事会が承認する会員権停止は、執行理事会が次回の評議員会よりも前に当該の会員権停止を取り消さない限り、次回の評議員会まで有効とする。
3.9.3 評議員会による会員の会員権停止または除名は、出席し投票権を有する会員の4分の3以上の賛成票を必要とする。さらに、会員の(会員権停止ではなく)除名が有効となるには、投票権を有する会員の過半数の(50%を超す)出席を必要とする。
3.9.4 執行理事会による会員の会員権停止は、出席し投票権を有する会員の4分の3以上の賛成票をもって確定するものとする。確定がされない場合は、その会員権停止は自動的に解除されるものとする。
3.9.5 年会費の未払いにより4年間連続して会員権が停止された場合、会員は自動的に評議員会による除名の対象となる。
3.9.6 除名された会員および会員権が停止された会員は、即時に会員としてのすべての権利と特典を失う。
3.9.7 最高経営責任者は、評議員会の投票の後、執行理事会の確認を経て、会員権停止または除名された会員を会員名簿から削除するものとする。会員権が停止された会員は、その停止が解除されたら速やかに再度登録されるものとする。
3.9.8 会員権が停止された会員は、会員権停止の理由について満足のいく解決がなされた場合、最高経営責任者に再入会を申請することで、執行理事会の決定により再入会できることがある。
3.9.9 会員は、会員権停止または除名に先立ち、対面または書面により、聴聞の機会が与えられるものとする。
3.10 会員の退会
3.10.1 会員は、最高経営責任者宛てに、遅くとも3か月前まで、または事務総長宛てが指定するそれよりも後の期日までに書面を提出することにより、退会ができる。
3.10.2 その退会は、退会を希望する会員がICSDに対する金銭的な義務を満たさない限り、有効ではない。
3.10.3 本条項により退会が有効になった場合、最高経営責任者は、執行理事会の助言を受け、退会する会員を会員名簿から削除するものとする。
第4条 名誉会員
4.1 ICSD、デフリンピック大会、または国際ろう者スポーツに多大な貢献が認められた個人は、執行理事会の推薦により、名誉会員となることがある。
4.2 名誉会員権は、評議員会に出席し投票権を有する会員の3分の2以上の賛成票により、評議員会によって付与される。
4.3 名誉会員は、ICSD評議員会に出席する権利を有するものとする。投票権を有さず、ICSDの役職の対象とはならない。
4.4 名誉会員は、ICSD倫理規程を遵守し尊重するものとする。
4.5 名誉会員は、第3.9項(会員権停止および除名)を準じて適用し、会員権停止または除名を受けることがある。名誉会員は、第3.10項に準じて、退会することができる。
第5条 ICSDの地域ろう者スポーツ連合
5.1 同じ地域に属する会員は地域ろう者スポーツ連合を結成し、うち4団体がICSDに公認されている。
5.1.1 アフリカろう者スポーツ連合(CADS)
5.1.2 アジア太平洋ろう者スポーツ連合(APDSC)
5.1.3 欧州ろう者スポーツ連盟(EDSO)
5.1.4 汎アメリカろう者スポーツ連合(PANAMDES)
5.2 各地域ろう者スポーツ連合の理事長は、第8条の定めにより、執行理事会における職権上の理事となる。
5.3 地域ろう者スポーツ連合の権利
5.3.1 地域ろう者スポーツ連合は、評議員会で討議に参加する権利を有するが、評議員会での提案、候補者推薦、投票の権利を有しない。
5.3.2 地域ろう者スポーツ連合は、ICSDの競技日程に従いそれを優先する形で、ICSDが認める地域ろう者スポーツ競技大会を開催する権利を有する。
5.4 地域ろう者スポーツ連合の役割および責務
5.4.1 地域ろう者スポーツ連合は、ICSDのビジョン、使命、目的を共有および促進するものとする。
5.4.2 地域ろう者スポーツ連合は、ICSD憲章およびICSD規則を遵守するものとする。ICSD憲章、付則、規程、規則、規定、およびICSDのすべての決定に従うものとする。
5.4.3 地域ろう者スポーツ連合は、ICSD憲章の意図および精神と一貫した憲章を擁する、独立した構成の組織として運営するものとする。その規約および規定は、良好なガバナンスの原則に従うものとする。
5.4.4 各地域ろう者スポーツ連合は、明確な任期、役割および責務、投票手順を定めた適切な運営委員会を設立するものとする。運営委員会は、少なくとも年に2回参集するものとする。
5.4.5 地域ろう者スポーツ連合の運営委員会の委員長および委員の過半数はろう者とする。
5.4.6 地域ろう者スポーツ連合は、当該地域のすべての正会員、準会員、暫定会員に公開、各会員と協力し、定期的なコミュニケーションを保つものとする。
5.4.7 地域ろう者スポーツ連合は、正会員に投票権および聴聞を受ける権利を付与するものとする。
5.4.8 地域ろう者スポーツ連合は、当該地域のすべてのろう者選手に公開して参加できるようにするものとする。
5.4.9 地域ろう者スポーツ連合は、世界ろう者選手権大会およびデフリンピック大会の予選を担うものとする。
5.4.10 ICSD理事長または理事長が指名する代表者は、すべての地域ろう者スポーツ連合の会議に出席する権利を有するものとする。
5.5 地域ろう者スポーツ連合は、各地域評議員会および地域執行理事会の議事録、ガバナンス、独立団体による認証を受けた財政報告を含めた財政情報を、会議開催から4週間以内に、英語で執行理事会に提供するものとする。
5.6 執行理事会は、地域ろう者スポーツ連合を資格停止にすることがある。条件および手順は付則で定める。
第6条 ICSDの構成
5.1 ICSDの構成組織は以下の通りである。
5.1.1 評議員会
5.1.2 執行理事会
5.1.3 執行班
5.1.4 事務局
5.1.5 常任および非常任委員会
第7条 ICSD評議員会
7.1 評議員会(「会員の会議」)はICSDの最上位の統治機関である。評議員会は、通常評議員会または臨時評議員会がある。評議員会は、対面またはテレビ会議方式で実施できる。
7.2 ICSD通常評議員会
7.2.1 通常評議員会は、2年に一度実施するものとする。
7.2.2 執行理事会が開催地および開催日を確定する。会員は、通常評議員会の開催地および開催日を、遅くとも4ヵ月前までに事務局から書面で告知されるものとする。
7.2.3 正会員および準会員は、次回の評議員会の議題に加えるべき項目の提案を提出することができる。その提案は、評議員会が参集する月の3ヵ月前までに(その期日が執行理事会の絶対的な裁量により免除されない限り)、簡単な説明を添えて事務局に書面で提出する必要がある。
7.2.4 正式な招集は、評議員会開催日の遅くとも1ヵ月前までに事務局からなされるものとする。招集は議題、執行理事会の報告、確定した会計情報を含めた会計報告。および認証を受けた独立監査人の報告を含むものとする。
7.3 ICSD臨時評議員会
7.3.1 臨時評議員会は、執行理事会により、または投票権を有する会員の3分の1が書面で要請した場合、いつでも招集することができる。
7.3.2 臨時評議員会の要請は、その要請の理由、提案する臨時評議員会の議題を明記するものとし、必要に応じて、ICSD理事長または臨時評議員会を要請する会員全員が署名しなければならない。
7.3.3 上記の要件を満たした場合、提案された臨時評議員会は、要請を受領してから3ヵ月以内に開会するものとする。
7.3.4 会員は、臨時評議員会の2ヵ月前までに開催地、開催日および議題を事務局から書面で告知されるものとする。
7.4 定足数および議決
7.4.1 評議員会を開会する定足数は、第5.1項に定める2地域以上からグッドスタンディングにあり投票権を有する会員の過半数(50%+1)が出席したときに満たされる。
7.4.2 評議員会の議決は、ICSD憲章で別に明記がない限り、出席し投票した正会員および準会員の過半数により成立するものとする。
7.5 議論に参加する権利および投票権
7.5.1 正会員、準会員、暫定会員、また名誉会員および地域ろう者スポーツ連合は、出席する評議員会において議論に参加する権利を有する。
7.5.2 正会員のみが、投票、提案、執行理事会および委員会の候補者を推薦する資格がある。正会員はそれぞれ投票権1票を与えられるものとする。正会員はグッドスタンディングにあり評議員会に出席した場合のみ投票する資格がある。
7.5.3 準会員は、投票や執行理事会および委員会の候補者を推薦することができないが、提案する資格がある。
7.5.4 暫定会員および名誉会員は、投票、提案、候補者の推薦ができない。
7.6 代表団
7.6.1 評議員会に出席する正会員、準会員、暫定会員は、代表団が出席することができ、全員が討議に参加できる。
7.6.2 評議員会に出席する正会員は最大3名の代表団が出席できる。 評議員会に出席する準会員は最大2名の代表団が評議員会に出席できる。評議員会に出席する暫定会員は最大1名の代表団が出席できる。
7.6.3 評議員会に出席する会員が複数人の代表団を出席させる場合、そのうち1名は女性とする。
7.6.4 代表団は18歳以上で、法令上の居住地にある会員団体に属し、その団体の適切な機関から任命されなければならない。
7.6.5 代表団は国際手話でコミュニケーションを取れるものとする。
7.6.6 執行理事会の理事および委員会の委員は、その任期中は代表団として任命されることができない。
7.7 評議員会の責務および権限は、以下が挙げられる。
7.7.1 ICSDの最上位の統治機関として機能すること。
7.7.2 国際ろう者スポーツの発展の方向性を決定すること。
7.7.3 選手委員会の委員長を除く、ICSD執行理事会理事を選出すること。
7.7.4 会員、委員会、執行理事会からの提案を検討および承認すること。
7.7.5 会員および個人の入会、会員権停止、脱会を決定すること。
7.7.6 前回の評議員会議事録を検証および批准すること。
7.7.7 認証を受けた独立監査人の会計報告を検討および承認すること。
7.7.8 役員の選出について選出の手順の規則を検討および承認すること。
7.7.9 年会費を検討および承認すること。
7.7.10 ICSD事務局の所在国に変更がある場合に承認すること。
7.7.11 ICSDの解散を決定すること。
7.7.12 執行理事会の報告を検討および承認すること。
7.7.13 憲章を改正すること。
7.7.14 選手委員会の委員長を除く、ICSD執行理事会理事を除名すること。
7.7.15 倫理委員会の委員およびICSD倫理責任者を任命すること。
7.7.16 ICSD憲章に沿った責務の遂行に必要なその他の付随的な権限を行使すること。
第8条 ICSD執行理事会
8.1 ICSD執行理事会は以下の役員から構成するものとする。
8.1.1 ICSD理事長
8.1.2 副理事長-スポーツ
8.1.3 ICSD副理事長-青年スポーツ
8.1.4 一般理事4名
8.1.5 4地城ろう者スポーツ連合の理事長
8.1.6 選手委員会の委員長
8.2 執行理事会はろう者で構成し、国際手話に堪能である者とする。執行理事会に選出される理事は、法令上の在住国の正会員団体に入会した会員とする。同じ正会員から複数の会員が同時に執行理事会に務めることはできない。
8.3 執行理事会の理事は、ICSDを代表して職務を遂行する報酬の対象とはならない。しかし、経費の清算の対象となる(別に定める場合を除く)。
8.4 執行理事会の全理事には、以下のような主要な技能と資格が求められる。
8.4.1 スポーツにおける良好なガバナンスの基本的な一般原則に関する卓越した理解
8.4.2 国際ろう者スポーツに対する共感
8.4.3 卓越した組織能力およびコミュニケーション能力
8.4.4 集団を効果的に主導および管理し、ICSDビジョン、使命、目的、目標を醸成する能力
8.4.5 少なくとも1期(4年間)執行理事会に務める意志
8.4.6 選手委員会の委員長
8.5 ICSD執行理事会に選出される理事の2名以上は女性とする。
8.6 執行理事会の候補者は、選出時点で70歳を越えない者とする。
8.7 4地城ろう者スポーツ連合の理事長および選手委員会の委員長を対象として、執行理事会の理事は通常、夏季デフリンピック大会に先立って開催される評議員会によって4年間の任期で選出されるものとする。別の時期に選出された場合、執行理事会理事の任期は、夏季デフリンピック大会に先立って開催される次回の評議員会までの4年間の残りの期間とする。
8.8 選出された執行理事会理事は2期を限度として再選の資格を有する。
8.9 第8.8項の例外として、選出する評議員会に先立つ年に開かれる評議員会は、投票数の4分の3を超す賛成があれば、2期を務めた理事長または執行理事会理事に対して、最後に3度目の任期に対する立候補権を与えることができる。
8.10 役職に選出されるにあたり、すべての執行理事会理事は、忠実に、誠意と独立性をもってICSDの最大の利益およびろう者のためのスポーツの発展促進のために行動することを引き受け、受容する。執行理事会理事は、利益の相反になるうる立場に自らを置くことを控え、ICSD倫理規程を遵守しこれを尊重しなければならない。
8.11 執行理事会は少なくとも年に1回は実際に参集して会議を開催するものとする。
8.12 執行理事会は以下の責務および権限を有するものとする。
8.12.1 評議員会の合意に従って政策を実行すること。
8.12.2 会員および委員会が提出する動議、提案、改正について検討および勧告を行うこと。
8.12.3 ICSD憲章に従って手続き規則および付則を制定および承認すること。
8.12.4 定められた時点までに、各回の評議員会についての詳細(日程、会場、すべての資料を付した議題など)をすべての会員、名誉会員、地域ろう者スポーツ連合に伝達すること。
8.12.5 ICSD競技日程を承認すること。
8.12.6 ほかの国際スポーツ団体、またICSDの目的達成のために必要なその他の機関と連携するにあたり、ICSD理事長に通告すること。
8.12.7 スポーツディレクターを任命すること。
8.12.8 ICSDの義務および/または目的を遂行するために必要とみなされる特別委員会を設立すること。
8.12.9 評議員会に提出して承認を受けられるよう、予算および年次会計報告および認証を受けた独立監査人による年次報告を事前承認すること。
8.12.10 理由を問わず執行理事会に欠員が生じた場合、次回の選出までそれを補充するために執行理事会の暫定理事を任命すること。その任命は次回の評議員会において批准を受けるが、その評議員会が選出の年に当たる場合を除き、その場合は選出手続きが適用される。
8.12.11 執行理事会がICSD憲章に従って責務を遂行するのに必要なその他の付随的な権限を行使すること。
8.13 ICSD理事長がその職位の義務を満たすことができない場合、副理事長-スポーツまたは、副理事長―スポーツが不在または不能の場合は別の執行理事理事がその代行をする。その期間は、ICSD理事長がその能力を回復するまでとし、または永続的に不可能である状況においては、その事態発生から90日以内に新たな理事長選出のために招集される次回の臨時評議員会において新たなICSD理事長が選出されるまとする。
8.14 ICSD執行班
8.14.1 ICSD執行班は以下の役員で構成するものとする。
8.14.1.1 ICSD理事長
8.14.1.2 副理事長-スポーツ
8.14.1.3 副理事長-青年
8.14.2 執行班は少なくとも年2回、実際に参集して会議を開催するものとする。
8.14.3 執行班は以下の責務および権限を有するものとする。
8.14.3.1 事務局の雇用人数および雇用条件を承認すること。
8.14.3.2 執行理事会に関わる人に対して、その裁量をもって業務を遂行するために支払いを行うこと。
8.14.3.3 執行班がICSD憲章に従って責務を遂行するのに必要なその他の付随的な権限を行使すること。
8.14.3.4 事務局の日々の活動を主導および管理するために、夏季デフリンピック大会の後に最高経営責任者を任命すること。
8.14.3.5 その最高経営責任者および職員、ボランティア、コンサルタントの雇用条件を、該当する法令に従って定めること。
8.15 ICSD理事長の役割および責務
8.15.1 ICSD理事長は以下を行うものとする。
8.15.1.1 利害関係者および協力者に対してICSDを代表する。
8.15.1.2 すべての役員および委員会を主導、調整、支援する。
8.15.1.3 評議員会ならびに執行理事会および執行班の会議において議長を務める。また、別途定める場合を除き、ICSDの機能に関わるその他の法的拘束力のない委員会に非公式に参加する。
8.15.1.4 最高経営責任者の活動について指示を与える。
8.15.1.5 ICSD会員、執行理事会、最高経営責任者との主要な連携役として行動する。
8.16 ICSD執行理事会理事の追加の役割および責務
8.16.1 執行理事会理事は以下を行うものとする。
8.16.1.1 ICSD理事長に対して支援および報告を行う。また理事長の不在時またはその指定により、会議を統括しICSDを代表する。
8.16.1.2 執行理事会および執行班に対して公平な助言を与える。
8.16.1.3 執行理事会の合意に基づき、その他の委員会の議長を務める。
8.16.2 副理事長-スポーツは以下を行うものとする。
8.16.2.1 スポーツディレクターの活動を監督および調整する。
8.16.2.2 ICSD競技プログラムの状態および結果を評議員会および執行理事会に報告する。
8.16.3 副理事長-青年はICSD青年プログラムの状態および結果を評議員会および執行理事会に報告するものとする。
8.16.4 一般の理事はICSD戦略計画の大枠の目標を定め、その実施成果を監視するものとする。
第9条 ICSDスポーツディレクター
9.1 執行理事会は、夏季および冬季デフリンピック大会それぞれに4年間のデフリンピック期間のICSDスポーツディレクターを任命するものとする。
9.2 スポーツディレクターはろう者であり、基本的な職務水準およびICSD倫理規程の要件を満たす者とする。
9.3 スポーツディレクターの役割および責務、またその任命手続きは、付則で定める。
第10条 ICSD委員会
10.1 執行理事会は以下の委員会を設立および維持するものとする。委員会は、評議員会に対して報告を行うものとする。
10.1.1 アンチドーピング・聴覚委員会
10.1.2 選手委員会
10.1.3 倫理委員会
10.1.4 法務委員会
10.1.5 スポーツ委員会
10.1.6 スポーツにおける女性委員会
10.1.7 規律委員会
10.2 執行理事会は、執行理事会が必要とみなす特別委員会を追加で設立することができる。
10.3 執行理事会は、選手委員会および倫理委員会を除き、すべての委員会の委員を任命するものとする。
10.4 選手委員会委員および選手委員会委員長は、夏季および冬季デフリンピック大会においてろう者選手により4年間の任期で選出されるものとする。
10.5 倫理委員会委員は、夏季デフリンピック大会に先立つ評議員会により4年間の任期で選出されるものとする。
10.6 選手委員会および倫理委員会で理由を問わず欠員が生じた場合、執行理事会が任命する暫定委員によって次の選出まで補充することができる。
10.7 執行理事会は、各委員会の委員の過半数がろう者であり、性別のバランスが適切であるようにする。
10.8 委員会の委員は、法務委員会、規律委員会、倫理委員会を除き、執行理事会の理事を同時に務めることができる。
10.9 すべての委員会の委員は、利益の相反になるうる立場に自らを置くことを控え、ICSD倫理規程を遵守しこれを尊重しなければならない。
10.10 委員会は、執行理事会が制定および承認するICSD定款に従って行動するものとする。
10.11 委員会のすべての会議議事録および記録の写しは、用意ができしだい速やかに最高経営責任者に提出するものとする。
10.12 各委員会は、毎年度終了時点で、その年の活動内容を詳述した報告書を執行理事会に提供するものとする。
第11条 ICSD最高経営責任者およびICSD事務局
11.1 事務局は、ICSDのビジョン、使命、目的、目標を達成するために精励し、常に職務的および倫理的な行動を取るものとする。
11.2 事務局は執行理事会を支援し、ICSDに影響しうるすべての問題について周知させるものとする。
11.3 最高経営責任者は事務局を主導し、ICSDの日々の活動を管理する。最高経営責任者は日々のあらゆる事業、ならびに当局および裁定機関に対するすべての手続きおよび交渉においてICSDおよび執行理事会を代表する。
11.4 執行班は最高経営責任者の義務および責務をその雇用契約の中で定めるものとする。
11.5 最高経営責任者はICSD理事長に報告を行い、その指示を受けるものとする。
11.6 最高経営責任者は、ICSDの政策に従い、職員、ボランティア、事務局コンサルタントを任命し職務を委任することができる。その任命は、執行班の承認を必要とする。
11.7 最高経営責任者は執行班の事前承認なしに職員契約を終了させることができる。
11.8 最高経営責任者は評議員会および執行理事会会議に出席できるが、投票権を有しない。
11.9 最高経営責任者は、該当する法令に従って、執行理事会によって解任されることがある。
11.10 最高経営責任者は、対面または書面により、解任前に聴聞を受ける権利が与えられるものとする。
第12条 認証を受けた独立監査人
12.1 認証を受けた独立監査人はICSDの出納および会計状況のすべての監査を行い、該当する法令に従って執行理事会および評議員会に報告書を提出するものとする。
12.2 認証を受けた独立監査人は4年間の任期で任命される。その任期はスイスの法令に従って更新することができる。
第13条 会計
13.1 ICSDの事業年度は暦年(1月1日から12月31日まで)とする。
13.2 ICSDの資金は以下により構成する。
13.2.1 会員の年会費およびその他徴収金
13.2.2 献金、寄付金、後援金、政府助成金、およびICSDが利用するために受領するまたはICSDに関連するその他の収入金
13.3 評議員会での議決を条件として、資金は執行理事会が定める様式によってICSDのビジョン、使命、目的、目標に従って利用するものである。
13.4 ICSDのためになされた貢献あるいはかかった費用の応分の報酬として支払う場合を除き、いかなる人物に対してもこの資金の一部が直接・間接に与えられることはない。
13.5 ICSDの銀行口座の署名は、ICSD理事長、副理事長-スポーツ、最高経営責任者のみが行うものとする。執行理事会は、ICSDの銀行が告知される前に、新たな署名を承認するものとする。
13.6 ICSDの出納および会計報告は、ICSD執行理事会に対して、年1回、またはその要請があればいつでも、提出されるものとする。
13.7 ICSDの予算見込みは、ICSD執行理事会に対して、年1回を基本に提出されるものとする。
13.8 ICSDの出納および認証を受けた独立監査人の報告は、2年に1回を基本に、または執行理事会の要請があればいつでも、会員に提出されるものとする。
第14条 言語
14.1 国際手話を第1のコミュニケーション方法とする。
14.2 ICSDの議事録、通信、印刷物、またICSDの登記に、英語を使用するものとする。
14.3 英語から自国語への翻訳は各会員の責任とする。
14.4 文章の解釈について相違が生じた場合、英語版を優先するものとする。
第15条 争議の解決
15.1 ICSD憲章またはその他のICSD規則、および/またはICSD(および/またはその機関)の決定に由来して発生する争議が生じた場合、スポーツ仲裁裁判所(Court of Arbitration for Sport: CAS)に独占的に送られるものとする。
15.2 CASに対する依頼は、その他の内部的な手段がすべて尽くされた後に行うことができる。
15.3 CASスポーツ関連仲裁規程の条項が手続きに適用されるものとする。CASは第一にICSDの諸規則を適用し、付加的にスイスの法令を適用する。
15.4 ICSDが通した最終決定に対する上訴は、当該の決定を受領した時点から21日以内にCASに対して申し立てるものとする。
15.5 上訴は猶予の効力を有しないものとする。該当するICSD機関またはCASが上訴に猶予の効力を有するよう命じることができる。
第16条 解散
16.1 評議員会に出席し投票権を有する会員の75%を超す賛成票により解散の提案が可決された場合、ICSDは解散するものとする。
16.2 解散するにあたって、経費や負債を全額清算した後に資産および利益がある場合にはWFDあるいは同様のビジョン、使命、目的を有する(そして公共の用役または公共の役務目的を考慮して税の免除を受けている)他の団体に承継するものとする。この選定については評議員会に出席し投票権を有する会員の投票の過半数によって決定する。資産およびすべての利益は、連合、州、地方自治体、およびその設立団体に寄与することもできる。ICSDの資産は、会員、その継承者および預託者、または執行理事会理事には返還されない。
第17条 改正
17.1 ICSD憲章の改正は、評議員会開催の遅くとも6ヵ月前、または執行理事会が定めるそれよりも短い期日までに、会員、委員会、または執行理事会から法務委員会に提案するものとする。
17.2 法務委員会は、ICSD憲章の改正を検討し、執行理事会に勧告するものとする。
17.3 執行理事会は、I法務委員会の勧告を検討し、自身の勧告を付加した上で、評議員会における検討および承認にはかるものとする。
17.4 ICSD憲章の改正は、評議員会に出席し投票権を有する会員の3分の2を超す賛成票を必要とする。
2021年11月29日に第48回ICSD臨時評議員会において承認