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全日本ろうあ連盟スポーツ委員会による和訳(2010/01/22 掲載)

ICSD eNews 和訳版 2009年11月号

  (ICSDウェブサイトの原文)

目次(一部)

技術委員からのメッセージ:サッカー

2009 年夏季デフリンピックサッカー競技

台北のデフリンピックが終わって数ヶ月が経った今でさえ、デフリンピックがみんなに与えた全体的な効果に圧倒されています。開会式や閉会式は決して忘れられないほど、最高の基準でした。

夏季デフリンピックのサッカー競技は一日目から最終日まで大成功でした。期待された通り初期には小さな困難もありましたが、第一日で素早く解決されました。下記デフリンピックのサッカー競技はたくさんの国が参加して始まりました。非常に残念だったのはただ一つ、ナイジェリアが最初の試合の24時間前に男子競技から辞退したことです。結局、代わりの試合を計画するには遅すぎました。

インフェン・スポーツ公園の4つの競技場は、大規模なリフォーム工事のおかげで、質の良い芝表面でした。ただ、市営スタジアムの競技場は開会式の影響で傷んだため決勝戦までの8日間にわたりカバーされましたが、組織委員会の徹底的な働きのおかげで、最後には女子と男子のサッカー決勝を行うのに十分なほどまでになりました。

夏季デフリンピック女子サッカー競技

女子サッカー競技には、デンマーク、ドイツ、英国、日本、ロシア連邦、タイ、米国が参加しました。

2005年夏季デフリンピックのチャンピオンである米国は2つのグループ試合で得点11ゴール、無失点、2008年世界選手権チャンピオンのロシア連邦は3つのグループ試合で得点36ゴール、失点2ゴールでした。

女子準決勝で、米国は英国に、一方、ロシア連邦は昨年の世界ろうサッカー選手権大会決勝の相手ドイツと争いました。激闘の末、米国が英国に2ゴール対1ゴール(延長なし)で辛勝しました。ロシア連邦とドイツの準決勝では、ロシア連邦は前半ゲームを3-0で抜けましたが、ドイツが見事に巻き返して65分に3-3の同点に持ち込みました。延長戦でドイツのユリア・ミュラー選手が2回目のゴールを果たし4-3と逆転して夏季デフリンピック決勝進出を果たし、彼女はドイツのヒーローとなりました。

米国とドイツの間の女子決勝では、前半ゲームは激しいかけひきのためノーゴールでした。後半ゲームは米国が1時間で突破となるゴールを放ち先手を打ちました。ドイツは同点に持ち込もうと攻撃してバックが手薄になり最後のホイッスルの前に3本の追加ゴールを許してしまいました。米国に夏季デフリンピックで三個目(1回はバスケットボール、2回はサッカー)の金メダルをもたらしたのは、リーガン・アンダース選手でした。女子サッカーでそれぞれ金・銀・銅を獲得した米国、ドイツ、ロシア連邦におめでとう!

夏季デフリンピック男子サッカー競技

男子サッカー競技は、アルゼンチン、デンマーク、フランス、ドイツ、英国、イラン、アイルランド、日本、カザフスタン、韓国、ロシア連邦、南アフリカ、スペイン、ウクライナ、米国が参加しました。

グループ戦では驚くことがありました。おそらく一番衝撃だったのは、2005年夏季デフリンピックのチャンピオン英国が1点差で負けたことでしょう。フランスは、グループ戦の最終日にグループBで最下位だったにもかかわらず南アフリカに初勝利しました。ウクライナとロシア連邦は、各国の中で最多の得点と最高のゴールを記録し、早くも夏季デフリンピックの栄冠に名乗り出ました。

男子の準々決勝、準決勝、決勝は延長やペナルティもまったくなく、これもまた驚きでした!準々決勝では、フランスがジェレミー・ペルティエールの唯一のゴールでアイルランドに勝ちました。またドイツがアルゼンチンに6-2で勝ちましたが、レフェリーがイエローカードやレッドカードを何回も振って合図をしたほど少々殺気立った試合でした。他の男子準々決勝2試合は、ロシアが米国を5-0で圧勝し、ウクライナがマカ−・ブキンのゴール一本でイランに辛勝しました。

男子準決勝は次の通りです。ウクライナがフランスを4対零で痛めつけ、ロシア連邦はドイツにゴール1本取られたところを4点得点し、最後にドイツがゴールを追加して4-2としました。

ロシア連邦は過去に、マルモ(1973)とケルン(1981)で開催された、夏季デフリンピックサッカー競技で優勝しています。今回の決勝では、ロシアがわずか30分でゴール1本先行しましたが、前半ゲームでウクライナが2本を決め2-1としました。男子決勝の後半ゲームでは両チームとも好機があったものの得点に結びつきませんでした。ウクライナがヴィタリー・ソロヴェイのゴールで3-1とし、ロシア連邦が3-2と再得点したもののそのまま逃げ切りました。

男子サッカーで、それぞれ金・銀・銅を獲得したウクライナ、ロシア連邦、ドイツにおめでとう。

お礼の言葉

夏季デフリンピックサッカー競技のために冷静さをもって積極的な提案を行い熱心に仕事をしてくれた優秀なサッカー副技術委員トニー・クリュース氏 に感謝を申し上げます。また、夏季デフリンピックサッカー競技の円滑な運営のために精力的に取り組んでくれたスポーツ渉外責任者ポーハイ・シー氏にもお礼申しあげます。

FIFAP代表の二人、ポーホン・リー氏とウーシェン・リウ氏や、マッチ・コミッショナーのジンボ・チャン氏はともに夏季デフリンピック競技の成功に大きく貢献してくれました。感謝します。また、台北滞在中はアニタ・マオさんの忍耐力、親切、優秀な翻訳にお世話になり、ありがとうございました。

What next?

トニー・クリュースと私は、2010年の世界ろうサッカーの手続きの改善、たとえば、新しい試合記録システム、新しい世界ろうサッカーランキングシステム、聴者のレフェリー向けのガイドラインなど、たくさんの問題に取り組む予定です。

今のところ、2011年世界ろうフットサル選手権大会(2011年11月5日-11日)がスウェーデンのオレブロで、2012年世界ろうサッカー選手権大会(2012年7月10日−21日)がトルコのアンカラで開催されることが確認されています。

すべての国々は、2015年世界ろうフットサル選手権大会と2016年世界ろうサッカー選手権大会の開催立候補に招待されています。両方の世界選手権大会の立候補締切は2010年6月30日です。

いすれかのろう世界選手権大会の開催に関心のある方は www.deaflympics.com/about/index.asp?DID=543 の「WC2. BIDDING(開催立候補)」の見出しをごらんください。

いつものようにサッカーをよろしくお願いします。

クリストフ・二クラウス(Christof Niklaus)
ICSD 技術ディレクター - サッカー