総務省へ電話リレーサービスの制度化に関わる要望書を提出

2018年10月25日、総務省へ「電話リレーサービスの制度化に関わる要望書」を提出致しました。

連本第180437号
2018年10月25日

総務大臣 石田真敏様

〒162-0801 新宿区山吹町130 SKビル8F
Tel 03-3268-8847 ・ Fax 03-3267-3445
一般財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野富志三郎

電話リレーサービスの制度化に関わる要望書

 日頃は私たち聴覚障害者への情報アクセス環境の整備等に、格段のご配慮を頂き厚く御礼申し上げます。
 今般、別添報道のとおり奥穂高岳でろう者が3名遭難し、そのうち1名が死亡する遭難事故が起きました。日本財団が実施している「電話リレーサービス」を利用して救助の電話連絡があったと聞きます。結果的に1名が死亡するという残念な内容でしたが、「電話リレーサービス」がなければ救助された残りの2名がどうなっていたのかわかりません。現在、聞こえない人が音声のみの電話による緊急通報できる仕組みがなく、緊急時の対応に課題があることはご承知の通りです。今般のケースも含めて、日本財団が実施している電話リレーサービスのオペレーターの機転で命が救われたケースはすでに3件発生しています。また、外出中だけでなく、聞こえない人は、家の中で倒れた等のときの緊急通報も困難な状況にあります。
 電話リレーサービスは、聞こえない人の命や生活を守る代えがたい仕組みであり、また聞こえる人にも必要なシステムです。海外では多くの先進国がこの「電話リレーサービス」を導入し制度化を進めており、聞こえない、聞こえにくい人たちの生活や命を守り、社会参加を図っておりますが、総務省は何度も一日も早い制度化を求めていたにも関わらず、未だに見向きもしません。いつ実現できるのかわからない「音声認識技術等」を説明することを繰り返しているだけです。私たちは電話バリアにより社会参加の促進が阻害され、命や生活を脅かす状況をこれ以上、放置することができません。
 手話言語、日本語文字による通報が24時間365日いつでもどこでもすぐにできる「電話リレーサービス」の制度化を1日も早くできるよう強く要望します。

◆事例1 2018年10月21日 奥穂高岳で遭難 51歳女性が死亡
 http://bit.ly/2R7t9Z9  NHK

NHK記事

 遭難した3人はいずれも聴覚障害をもっており、電話リレーサービスの利用者でした。上記記事の「警察に電話で連絡があった」という部分は、電話リレーサービスを介した連絡でした。
 日本財団の電話リレーサービスは110番通報、119番通報の対応は行っておりませんが、今回は命にかかわる内容と電話オペレータが判断して、長野県警察に電話し、救助活動が行われたとのことです。

◆事例2 2017年6月7日 危機一髪!救助活動に沖縄のチャット
              サービス活躍 聴覚障がい者海難
 http://bit.ly/2R8e75i 沖縄タイムズ

沖縄タイムズ記事

◆事例3 2018年3月18日 岩手県登山の男性滑落、救助 八幡平市
 http://bit.ly/2R7tgDM  岩手日報

岩手日報記事

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