公共インフラとして電話リレーサービスが開始になりました



電話リレーサービスの公共インフラ化によせて

 電話リレーサービスが総務省・厚生労働省及び全国の聴覚障害者情報提供施設等の関係者の方々、とりわけ公益財団法人日本財団と一般財団法人日本財団電話リレーサービスのご尽力により、本日より公共インフラとしてスタートすることになりました。きこえない人にとって、歴史的な一歩を踏み出す瞬間でもあり、皆さんと喜びを分かち合いたいと思います。

 電話は安心や安全を支える大切な役割を担う社会インフラの重要な基盤でありながら、きこえない私たちにとって気軽にアクセスできるものではなく、長い間、大きな社会的障壁となっていました。
 この電話リレーサービスによって、きこえない私たちの日常に「電話をする・電話を受ける」が加わります。きこえる人々にとっては当たり前のことですが、私たちにとっては大きな革命です。

 手話言語や筆談によるコミュニケーションは、私たちにとって生きていくうえで水や空気のように「あって当たり前」のものであるように、電話というインフラに使いやすい手段でアクセスできることも「あって当たり前」となるべきです。
 国連障害者権利条約にある「他の者との平等」や、SDGsの理念である「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のためには、心のバリアフリーだけでなく、社会的インフラの整備も車の両輪のように必要不可欠です。
 電話リレーサービスが永続的なインフラシステムとして社会に位置付けられるよう、これまで以上に積極的に電話リレーサービスを活用していきたいと思っています。

 全ての国民に電話リレーサービスを広め、誰もが自由に電話が使える新たな時代の幕開けへと前進していきましょう。

2021年7月1日
一般財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野富志三郎