2018年8月29日、全日本ろうあ連盟は「電話リレーサービスの制度化を考えるシンポジウム」を全社協・灘尾ホールで開催し、全国から加盟団体や一般参加者170名以上が集まりました。
世界では、電話リレーサービスを「公的サービス」として実施している国が25ヶ国あります。
このシンポジウムでは、公的サービス実施国であるカナダ、韓国より講師をお招きし、各国の公的電話リレーサービスの現状についてご講演いただきました。
石野理事長 あいさつ
日本財団 笹川会長 ごあいさつ
3名の国会議員の先生方よりごあいさつをいただきました。
公明党 参議院議員 山本博司氏
参議院議員 薬師寺みちよ氏
自由民主党 参議院議員 今井絵理子氏
電話通信の管轄省である総務省の総合通信基盤局 電気通信事業部 秋本芳徳部長よりごあいさつをいただきました。
総務省 総合通信基盤局
電気通信事業部 秋本芳徳部長
厚生労働省の社会・援護局 障害保健福祉部 企画課 自立支援振興室 田仲教泰室長が手話で自己紹介をされた後、同局障害保健福祉部 橋本泰宏部長のお祝辞を代読されました。
厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部
企画課 自立支援振興室 田仲教泰室長
他、国会議員の先生方より祝電をいただきました。
自由民主党 衆議院議員 松本 純氏
自由民主党 参議院議員 滝波 宏文氏
立憲民主党 参議院議員 川田 龍平氏
【 第一部 】
- 基調報告 -
電話リレーサービス検討委員の井上講師より、日本の現状について基調報告をいただきました。
- 講演①カナダ -
カナダ・ラジオテレビ通信委員会 社会・消費政策担当ディレクターのナナオ・カチ氏より、カナダの電話リレーサービスについて講演いただきました。
(カナダ・ラジオテレビ通信委員会とは、カナダの放送・通信産業を規制・監督する行政審判機関)
講演
心臓発作を起こしたろう者がビデオリレーサービスを利用し緊急医療を受けられた例をあげ、この事業の必要性を痛感したとお話しされました。
- 講演②韓国 -
釜山大学教授、韓国情報化振興院 元ディレクターのチェ・ワンシク氏より、韓国の電話リレーサービスについて講演いただきました。
講演(英語)…レシーバーで
日本語訳を聞く参加者
電話リレーサービスを民間の力に頼らず、日本政府が運営を担うべきであること、情報格差の解消が大切であることをお話しされました。
- 調査報告 -
日本財団ソーシャルイノベーション本部特定事業部・公益事業部部長の石井靖乃氏より、電話リレーサービスの「効果」に関するアンケートの調査報告をいただきました。
【 第二部 】
休憩後の第二部では、「日本で電話リレーサービスを制度として実現していくために」パネルディカッションを行いました。
(左から)コーディネーター:電話リレーサービス制度化検討委員長 小中栄一、パネリスト:電話リレーサービス制度化検討委員 井上正之講師、電話リレーサービス実施事業者 小竹安治氏、ナナオ・カチ講師、チェ・ワンシク講師
- 指定発言 -
電話リレーサービス制度化検討委員の川森雅仁氏より、シンポジウム全体のまとめとして指定発言をいただきました。
カナダと韓国は、政府が中心となり「私たち抜きに私たちのことを決めないで!」の方針で障害当事者の意見を取り入れ、コミュニケーションギャップをなくすために、電話リレーサービスを法制度化されたことに感銘を受けたと述べられました。日本での法制度化を実現させるためには、障害当事者が声を上げていくことが重要だと話されました。
指定発言 川森雅仁氏
最後に、小川電話リレーサービス制度化検討委員より決意表明を行い、参加者とともに制度化に向けた決意を固めました。
電話リレーサービス制度化検討委員
小川光彦氏を中心に
みんなで決意表明!やるぞー!(3回)
【講演スライド資料(PDF形式)】
① 井上正之講師:日本における電話リレーサービスの現状
② ナナオ・カチ講師:カナダ・ラジオテレビ通信委員会 カナダのビデオリレーサービス
③ チェ・ワンシク講師:韓国のろう者・難聴者の通信へのアクセス権を確保する電話リレーサービス(TRS)
④ 石井靖乃講師:電話リレーサービスの「効果」(実感値)に関するアンケート調査