各省庁へ聴覚障害者の暮らし等に関わる要望を提出



 2022年7月11日、全日本ろうあ連盟理事らが各省庁へ要望書を提出し、意見交換を行いました。また、一部の省庁へは要望書を送付しました。

※ 7月26日追記:7月22日 厚生労働省の交渉風景と要望書を追加掲載しました。

各省庁名・担当課 全日本ろうあ連盟出席者
厚生労働省(7月11日)交渉風景と提出した要望書へ

職業安定局 雇用開発部 障害者雇用対策課 雇用援助係
                     調整係
社会・援護局 障害保健福祉部 企画課 自立支援振興室
                    情報・意思疎通支援係
理事長      石野富志三郎
情コミ委員長   中西久美子
福祉労働委員長  吉野幸代
福祉労働副委員長 藤平淳一
高齢部長     川本忠夫
青年部長     清水愛香
国土交通省(7月11日)交渉風景と提出した要望書へ

航空局   航空ネットワーク部 航空事業課
自動車局  旅客課
鉄道局   鉄道サービス政策室
道路局   高速道路課
都市局   街路交通施設課
総合政策局 バリアフリー政策室
スポーツ庁(7月11日)交渉風景と提出した要望書へ

健康スポーツ課 障害者スポーツ振興室
競技スポーツ課
国際競技大会招致推進担当
副理事長     石橋大吾
教育文化委員長  山根昭治
教育文化副委員長 堀米泰晴
スポーツ委員長  太田陽介
スポーツ事務局長 山田尚人
文化庁(7月11日)交渉風景と提出した要望書へ

企画調整課
著作権課
文化創造担当
文部科学省(7月11日)交渉風景と提出した要望書へ

総合教育政策局 教育人材政策課
        地域学習推進課
        男女共同参画共生社会学習・安全課
                 障害者学習支援推進室
初等中等教育局 初等中等教育企画課
        児童生徒課生徒指導室
        特別支援教育課
警察庁(7月11日)交渉風景と提出した要望書へ

長官官房 教養厚生課
     会計課装備室
     企画課
     総務課
交通局運転免許課 講習係
         高齢運転者等支援係
生活安全局 生活安全企画課 地域警察指導係
副理事長     大竹浩司
国際部長     嶋本恭規
情コミ副委員長  河原雅浩
出版事業委員長  長谷川芳弘
機関紙部長    中橋道紀
女性部長     佐々木柄理子
総務省(7月11日)交渉風景と提出した要望書へ

情報流通行政局 情報流通振興課 情報活用支援室
        地上放送課
外務省(7月11日)交渉風景と提出した要望書へ

総合外交政策局 人権人道課
副理事長     大竹浩司
国際部長     嶋本恭規
情コミ副委員長  河原雅浩
厚生労働省(7月22日)交渉風景と提出した要望書へ

社会・援護局 障害保健福祉部企画課 自立支援振興室
  情報・意思疎通支援係
  地域生活支援係
  障害者支援機器係
 
社会・援護局 障害保健福祉部障害福祉課
  障害児・発達障害者支援室
  福祉財政係
  地域生活支援推進室 相談支援係
  地域生活支援推進室 地域移行支援係
  訪問サービス係
 
老健局
  介護保険計画課 計画係
  高齢者支援課 企画法令係
  認知症施策・地域介護推進課 基準第二係
  認知症施策・地域介護推進課 人材研修係
  老人保健課 介護認定係
全日本ろうあ連盟
  理事長:石野富志三郎
  理 事:吉野幸代
全国ろう重複障害者施設連絡協議会
  理事 村松 充
全国高齢聴覚障害者福祉施設協議会
  理事 吉見 剛二
全国聴覚障害者情報提供施設協議会
  事務局長 井澤昭夫
  理事 川津雅弘
全国手話通訳問題研究会
  理事 伊藤利明
全国ろうあヘルパー連絡協議会
  理事 清田廣
  理事 廣田しづえ
送付した要望書一覧:

内閣府:  きこえない・きこえにくい者の福祉施策への要望について
金融庁:  きこえない・きこえにくい者の福祉施策への要望について
消費者庁: きこえない・きこえにくい者の福祉施策への要望について
消防庁:  きこえない・きこえにくい者の福祉施策への要望について
経済産業省:きこえない・きこえにくい者の福祉施策への要望について

【 送付した要望書 】

連本第220171号
2022年7月11日

内閣総理大臣
 岸田 文雄 様

東京都新宿区山吹町130 SKビル8階
電話03-3268-8847・Fax 03-3267-3445
一般財団法人全日本ろうあ連盟
理 事 長  石野 富志三郎

きこえない・きこえにくい者の福祉施策への要望について

 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 日頃より、私どもきこえない・きこえにくい者の福祉向上にご理解ご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
 「障害者差別解消法」および「バリアフリー法」等により、障害者に対する合理的配慮や支援についての取り組みが広まってきつつあります。しかしながら、その対応については地域差がある等、まだまだ改善すべき課題は残っております。今般、「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」が制定されました。これを機に、すべての国民が安心、安全に生活ができるように、一層の環境整備を講じていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

1.「障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律(障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法)」の成立を踏まえ、各省庁において必要な計画の策定や予算措置が行われるようにしてください。
<説明>
 2022年5月19日に「障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律」が成立し、国及び地方公共団体は、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策を総合的に策定し、並びに実施することとされました。
 政府における取り組みの計画をご教示いただくとともに、各省庁また地方自治体においても、この法律に沿った施策が推進されるように働きかけてください。

2.ろう者の言語である手話言語を言語として認める「手話言語法」の早期制定に向けて取り組みを進めてください。
<説明>
 障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法の附帯決議には「手話言語法の立法を含め、手話に関する施策の一層の充実の検討を進める」ことが盛り込まれています。
 全日本ろうあ連盟では2010年より「手話言語法」の早期制定を求めて取り組みを進めてまいりました。手話言語については、改正障害者基本法で「手話」が言語のひとつとして認知されてはいますが、ろう者の手話言語獲得や手話言語を使えるための環境整備を保障する独立法としての「手話言語法」は未だ制定されていません。
 障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法では、手話言語の5つの権利の中の一つ「手話言語を使う」ことに関わるため一歩前進したと感じていますが、「手話言語を獲得する」「手話言語で学ぶ」「手話言語を習得する」「手話言語を守る」という基本権利を保障するためには、独立法としての手話言語法が必要です。同法の制定に向けて、早急に検討を進めてください。

<<各省庁共通事項>>
3.障害者差別解消法施行後の手話通訳派遣について、各自治体の担当部局や団体等で通訳者に要する経費の予算化を貴省からも働きかけをお願いします。

<説明>
 2016年4月より「障害者差別解消法」が施行され、手話通訳派遣についても改善がみられる地域も出てきています。また、昨年5月に成立した改正障害者差別解消法では民間企業にも合理的配慮の提供が義務となるなど、障害のある人にとっての社会参加がしやすくなります。
 聴覚障害者が手話通訳を利用する場合、聴覚障害者自身が居住する自治体の福祉事務所等の派遣窓口に依頼をし、手話通訳者を派遣する方法ですが、この際の手話通訳者にかかる費用は、障害者総合支援法の中の「意思疎通支援事業」としていわゆる福祉の経費で、これは厚労省管轄の予算となっています。障害者差別解消法は、こうした福祉的な側面からのアプローチのみならず、あらゆる公的機関で、その機関の責任において合理的配慮を提供することを求めています。
 行政を含む公的機関が、合理的配慮が提供できない状況にならないよう、利用者から手話通訳等の希望があった場合に対応するため、各公的機関で手話通訳等の情報保障の予算を障害福祉とは別建てで予算化するよう、貴省から関係の地方自治体部局へ周知を図るようお願いいたします。

以 上

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連本第220172号
2022年7月11日

金融庁長官
 中島 淳一 様

東京都新宿区山吹町130 SKビル8F
電話03-3268-8847・Fax.03-3267-3445
一般財団法人全日本ろうあ連盟
理 事 長 石野 富志三郎

きこえない・きこえにくい者の福祉施策への要望について

 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 日頃より、私どもきこえない・きこえにくい者の福祉向上にご理解ご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
 「障害者差別解消法」および「バリアフリー法」等により、障害者に対する合理的配慮や支援についての取り組みが広まってきつつあります。しかしながら、その対応については地域差がある等、まだまだ改善すべき課題は残っております。今般、「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」が制定されました。これを機に、すべての国民が安心、安全に生活ができるように、一層の環境整備を講じていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

1.きこえない者の情報アクセス、コミュニケーション保障の観点から、金融機関への問い合わせ先に、電話番号だけでなくFAX 番号もしくはEメールアドレス掲載の義務化を講じてください。
<説明>
 昨年も同様の要望をしていますが、全ての金融機関の問い合わせ先に電話番号やファックス番号が設置されているわけではありません。きこえない者が問い合わせたい時には、家族や手話通訳者等の支援者に電話を依頼しなければならず、もし支援者が周りにいない場合は問い合わせが困難です。
 貴庁の広報誌やパンフレット、ホームページ等は率先してFAX番号もしくはEメールアドレスを掲載することはもちろん、貴庁だけでなく金融機関等に対しても同様の対応をするように周知徹底したご指導の程、お願いいたします。

2.2021 年から公的インフラとなった電話リレーサービスの認知を拡げ、その通話が拒否されないよう周知いただくとともに、金融機関等をはじめとする様々な事業者における 電話による「本人確認」と同等に電話リレーサービスでも「本人確認」ができるよう働きかけをしてください。また電話リレーサービスはナビダイヤルでの対応ができませんので、ナビダイヤルでなく通常の電話番号で対応できるよう指導してください。
<説明>
 電話リレーサービスの効果的かつ継続的な周知(例:携帯の買い替え時やネット回線の契約時等)をお願いします。
 また、電話リレーサービスでの「本人確認」が認められない一例として、別の場所にいるオペレーターと詐欺による電話の区別がつかないことを理由に、電話リレーサービスでは本人確認ができない事業者が数多くあります。貴庁から改善の指導いただくとともに、早急にeKYC等のオンラインによる本人確認の仕組みを使えるよう電話リレーサービス事業者に、国として働きかけてください。

3.現金自動預け払機(ATM)において故障などのトラブルが生じた時、備え付けの電話以外の方法で問い合わせできるようにしてください。
<説明>
 昨年度も同様の要望を出していますが、有人店舗が併設されていない現金自動預け払い機(ATM)でトラブルが生じた際、備え付けの電話で問い合わせることになります。しかし、きこえない者は家族や手話通訳者といった支援者に電話を依頼しなければならず、もし支援者が周りにいない場合は問い合わせすらできません。緊急電話の受話器を持ち上げることで(応答がない場合に)職員や警備会社が駆けつけて対応するとのことですが、いつ何時に来るか分からず、かえって不安が増します。電話に代わる方法として、タッチパネルによる文字送信等を導入するなど、情報アクセシビリティの基礎的な環境の整備を関係会社に働きかけてください。また今後ATMを開発される際には、きこえない立場からの意見を取り入れながら進めてください。

4.銀行などの金融機関に聞こえない行員がいる場合は、職場内の合理的配慮として手話通訳に要する経費の予算化について、貴省からも働きかけをお願いします。
<説明>
 各銀行には聞こえない行員が多数働いていることと思いますが、2016年4月より「改正障害者雇用促進法」が施行され、手話通訳派遣についても改善がみられるところがあります。
 しかし、複数の行員がいる銀行は手話通訳派遣や合理的配慮の提供がなされていますが、一つの銀行(または支店)に一人のきこえない行員の場合は、このような合理的配慮の提供がされていないというのが現状です。
 きこえない行員がいる銀行に対し、きこえない行員に対する合理的配慮の提供が行えるよう、早急に環境整備をすすめてください。

<<各省庁共通事項>>
5.障害者差別解消法施行後の手話通訳派遣について、各自治体の担当部局や団体等で通訳者に要する経費の予算化を貴省からも働きかけをお願いします。

<説明>
 2016年4月より「障害者差別解消法」が施行され、手話通訳派遣についても改善がみられる地域も出てきています。また、昨年5月に成立した改正障害者差別解消法では民間企業にも合理的配慮の提供が義務となるなど、障害のある人にとっての社会参加がしやすくなります。
 聴覚障害者が手話通訳を利用する場合、聴覚障害者自身が居住する自治体の福祉事務所等の派遣窓口に依頼をし、手話通訳者を派遣する方法ですが、この際の手話通訳者にかかる費用は、障害者総合支援法の中の「意思疎通支援事業」としていわゆる福祉の経費で、これは厚労省管轄の予算となっています。障害者差別解消法は、こうした福祉的な側面からのアプローチのみならず、あらゆる公的機関で、その機関の責任において合理的配慮を提供することを求めています。
 行政を含む公的機関が、合理的配慮が提供できない状況にならないよう、利用者から手話通訳等の希望があった場合に対応するため、各公的機関で手話通訳等の情報保障の予算を障害福祉とは別建てで予算化するよう、貴省から関係の地方自治体部局へ周知を図るようお願いいたします。

6.「障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律(障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法)」の成立を踏まえ、貴省が所管する分野において必要な計画の策定や予算措置が行われるようにしてください。
<説明>
 2022年5月19日に「障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律」が成立し、国及び地方公共団体は、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策を総合的に策定し、並びに実施することとされました。
 同法は、障害者が自立した日常生活及び社会生活を営むために必要な分野(医療、保健、介護、福祉、教育、労働、スポーツ、レクリエーション、司法手続その他)において、障害者がその必要とする情報を十分に取得及び利用し、円滑に意思疎通を図ることができるようにするため、意思疎通支援従事者の確保・養成および資質の向上を講ずるものと規定しています。
 貴省の所管する分野において、この法律の趣旨に沿った施策が推進されるよう、必要な計画の策定や予算措置が行われるように取り組みを進めてください。

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連本第220173号
2022年7月11日

消費者庁長官
 伊藤 明子 様

東京都新宿区山吹町130 SKビル8F
電話03-3268-8847・Fax.03-3267-3445
一般財団法人全日本ろうあ連盟
理 事 長 石野 富志三郎

きこえない・きこえにくい者の福祉施策への要望について

 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 日頃より、私どもきこえない・きこえにくい者の福祉向上にご理解ご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
 「障害者差別解消法」および「バリアフリー法」等により、障害者に対する合理的配慮や支援についての取り組みが広まってきつつあります。しかしながら、その対応については地域差がある等、まだまだ改善すべき課題は残っております。今般、「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」が制定されました。これを機に、すべての国民が安心、安全に生活ができるように、一層の環境整備を講じていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

1.きこえない者の情報アクセス、コミュニケーション保障の観点から、地域にある消費者センター等の問い合わせ先に、電話番号だけでなくFAX番号もしくはEメールアドレスの設置していただきたく周知徹底した指導をしてください。
 また消費者ホットライン(188番)をはじめ地域の消費者センターの相談窓口を、きこえない者も利用できるようにFAXやEメールアドレスを設置するとともにライン等リアルタイムでチャットができるよう整備してください。

<説明>
 地域の消費者センターへ相談したいときに、その問い合わせ先にFAX番号が必ずしも記載されているわけではありません。きこえない者が問い合わせたい時には、家族や手話言語通訳者等の支援者に電話を依頼しなければならず、もし支援者が周りにいない場合は問い合わせすらできません。
 貴庁から消費者センターをはじめとする所管する事業所の問い合わせ先にFAX番号もしくはEメールアドレスを設置するよう促してください。
 また消費者ホットラインのポスターをよく見かけますが、電話番号の188番だけでなくFAXやEメールアドレスも目立つ場所にわかるよう掲載してください。
 障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法が成立したことにより誰ひとり取り残さないという観点から、ラインでリアルタイムによるチャットが可能になるよう整備してください。

2.2021年から公的インフラとなった電話リレーサービスの認知を拡げ、その通話が拒否されないよう周知いただくとともに、様々な事業者における電話による「本人確認」と同等に電話リレーサービスでも「本人確認」ができるよう働きかけをしてください。
<説明>
 電話リレーサービスの効果的かつ継続的な周知をお願いします。
 また、電話リレーサービスの「本人確認」が認められない一例として、別の場所にいるオペレーターと詐欺による電話の区別がつかないことを理由に電話リレーサービスでは本人確認ができないとする事業者がいまだ数多くあります。貴庁から改善の指導いただくとともに、早急にeKYC等のオンラインによる本人確認の仕組みを使えるよう電話リレーサービス事業者に、国として働きかけてください。 

<<各省庁共通事項>>
3.障害者差別解消法施行後の手話通訳派遣について、各自治体の担当部局や団体等で通訳者に要する経費の予算化を貴省からも働きかけをお願いします。

<説明>
 2016年4月より「障害者差別解消法」が施行され、手話通訳派遣についても改善がみられる地域も出てきています。また、昨年5月に成立した改正障害者差別解消法では民間企業にも合理的配慮の提供が義務となるなど、障害のある人にとっての社会参加がしやすくなります。
 聴覚障害者が手話通訳を利用する場合、聴覚障害者自身が居住する自治体の福祉事務所等の派遣窓口に依頼をし、手話通訳者を派遣する方法ですが、この際の手話通訳者にかかる費用は、障害者総合支援法の中の「意思疎通支援事業」としていわゆる福祉の経費で、これは厚労省管轄の予算となっています。障害者差別解消法は、こうした福祉的な側面からのアプローチのみならず、あらゆる公的機関で、その機関の責任において合理的配慮を提供することを求めています。
 行政を含む公的機関が、合理的配慮が提供できない状況にならないよう、利用者から手話通訳等の希望があった場合に対応するため、各公的機関で手話通訳等の情報保障の予算を障害福祉とは別建てで予算化するよう、貴省から関係の地方自治体部局へ周知を図るようお願いいたします。

4.「障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律(障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法)」の成立を踏まえ、貴省が所管する分野において必要な計画の策定や予算措置が行われるようにしてください。
<説明>
 2022年5月19日に「障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律」が成立し、国及び地方公共団体は、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策を総合的に策定し、並びに実施することとされました。
 同法は、障害者が自立した日常生活及び社会生活を営むために必要な分野(医療、保健、介護、福祉、教育、労働、スポーツ、レクリエーション、司法手続その他)において、障害者がその必要とする情報を十分に取得及び利用し、円滑に意思疎通を図ることができるようにするため、意思疎通支援従事者の確保・養成および資質の向上を講ずるものと規定しています。
 貴省の所管する分野において、この法律の趣旨に沿った施策が推進されるよう、必要な計画の策定や予算措置が行われるように取り組みを進めてください。

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連本第220174号
2022年7月11日

消防庁 
 長官 前田 一浩 様

東京都新宿区山吹町130 SKビル8F
電話03-3268-8847・Fax.03-3267-3445
一般財団法人全日本ろうあ連盟
理 事 長 石野 富志三郎

きこえない・きこえにくい者の福祉施策への要望について

 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 日頃より、私どもきこえない・きこえにくい者の福祉向上にご理解ご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
 「障害者差別解消法」および「バリアフリー法」等により、障害者に対する合理的配慮や支援についての取り組みが広まってきつつあります。しかしながら、その対応については地域差がある等、まだまだ改善すべき課題は残っております。今般、「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」が制定されました。これを機に、すべての国民が安心、安全に生活ができるように、一層の環境整備を講じていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

1.緊急自動車の警光灯に緊急走行かそれ以外の走行かが、きこえない者にもわかるような表示を義務付けてください。
<説明>
 パトカーや消防自動車、救急車等の緊急自動車の警光灯の点灯・回転が、緊急時と緊急時以外でも同じである場合があり、きこえない者の場合はサイレンの音が聞こえず、緊急走行か、そうでないかをサイレンの音で判断することができません。
 きこえない者が、緊急自動車が緊急走行をしているかどうかを判断できるような警光灯の表示、もしくはそれに代わる視覚的な表示(信号機などの点滅の工夫等)を義務付けてください。昨年も同様の要望しましたが、検討の進捗をお聞かせください。

2.ろう者を含め、いつでもだれでもどこでも緊急通報ができる「Net119緊急通報システム」を全国の消防本部が導入するよう、引き続き働きかけを行ってください。
 また、居住地とは違う場所でNet119通報をした場合、双方の消防本部が契約した会社が異なっていても、迅速な対応ができるよう改善してください。

<説明>
 Net119緊急通報システムの導入状況は、726本部中499本部(2021年1月1日現在)となっており、この1年で250以上の本部で導入していただいたことに対しお礼申し上げます。引き続き全国の消防本部で導入が進むよう積極的な働きかけをしてください。
 また、居住地とは違う場所でNet119通報した場合、居住地が所管する消防本部が契約した会社と、通報した場所を所管する消防本部が契約した会社が異なった場合、連絡に時間を要する恐れがあるという話があります。契約する会社が違っていても、一元的に迅速に対応できるよう、改善してください。

<<各省庁共通事項>>
3.障害者差別解消法施行後の手話通訳派遣について、各自治体の担当部局や団体等で通訳者に要する経費の予算化を貴省からも働きかけをお願いします。

<説明>
 2016年4月より「障害者差別解消法」が施行され、手話通訳派遣についても改善がみられる地域も出てきています。また、昨年5月に成立した改正障害者差別解消法では民間企業にも合理的配慮の提供が義務となるなど、障害のある人にとっての社会参加がしやすくなります。
 聴覚障害者が手話通訳を利用する場合、聴覚障害者自身が居住する自治体の福祉事務所等の派遣窓口に依頼をし、手話通訳者を派遣する方法ですが、この際の手話通訳者にかかる費用は、障害者総合支援法の中の「意思疎通支援事業」としていわゆる福祉の経費で、これは厚労省管轄の予算となっています。障害者差別解消法は、こうした福祉的な側面からのアプローチのみならず、あらゆる公的機関で、その機関の責任において合理的配慮を提供することを求めています。
 行政を含む公的機関が、合理的配慮が提供できない状況にならないよう、利用者から手話通訳等の希望があった場合に対応するため、各公的機関で手話通訳等の情報保障の予算を障害福祉とは別建てで予算化するよう、貴省から関係の地方自治体部局へ周知を図るようお願いいたします。

4.「障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律(障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法)」の成立を踏まえ、貴省が所管する分野において必要な計画の策定や予算措置が行われるようにしてください。
<説明>
 2022年5月19日に「障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律」が成立し、国及び地方公共団体は、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策を総合的に策定し、並びに実施することとされました。
 同法は、障害者が自立した日常生活及び社会生活を営むために必要な分野(医療、保健、介護、福祉、教育、労働、スポーツ、レクリエーション、司法手続その他)において、障害者がその必要とする情報を十分に取得及び利用し、円滑に意思疎通を図ることができるようにするため、意思疎通支援従事者の確保・養成および資質の向上を講ずるものと規定しています。
 貴省の所管する分野において、この法律の趣旨に沿った施策が推進されるよう、必要な計画の策定や予算措置が行われるように取り組みを進めてください。

以 上

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連本第220175号
2022年7月11日

経済産業大臣
 萩生田 光一 様

東京都新宿区山吹町130 SKビル8F
電話03-3268-8847・Fax.03-3267-3445
一般財団法人全日本ろうあ連盟
理 事 長 石野 富志三郎

きこえない・きこえにくい者の福祉施策への要望について

 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 日頃より、私どもきこえない・きこえにくい者の福祉向上にご理解ご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
 「障害者差別解消法」および「バリアフリー法」等により、障害者に対する合理的配慮や支援についての取り組みが広まってきつつあります。しかしながら、その対応については地域差がある等、まだまだ改善すべき課題は残っております。今般、「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」が制定されました。これを機に、すべての国民が安心、安全に生活ができるように、一層の環境整備を講じていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

1.きこえない・きこえにくい者の情報アクセス、コミュニケーション保障の観点から、自治体や民間企業のサービスの問い合わせ先に、電話番号だけでなくFAX番号もしくはEメールアドレスを掲載するよう講じてください。
<説明>
 昨年も同様の要望を出していますが、未だ改善が見られていません。きこえない者が問い合わせたい時には、家族や手話言語通訳者等の支援者に電話を依頼しなければならず、もし支援者が周りにいない場合は問い合わせが困難です。
 新聞、書籍、パンフレット、チラシ等の広報誌、ネット広告、また特にテレビショップは電話番号だけになっているところがあります。電話ができないきこえない者にとって必要な情報にアクセスできない状況になっていますので、FAX番号もしくはEメールアドレスを掲載し、基礎的環境の整備を図るよう、周知・徹底してください。

2.2021年から公的インフラとなった電話リレーサービスの認知を拡げ、その通話が拒否されないよう周知いただくとともに、信販会社等をはじめとする様々な事業者における電話による「本人確認」と同等に電話リレーサービスでも「本人確認」ができるよう働きかけをしてください。
<説明>
 電話リレーサービスの効果的かつ継続的な周知をお願いします。
 また、電話リレーサービスの「本人確認」が認められない一例として、別の場所にいるオペレーターと詐欺による電話の区別がつかないことを理由に電話リレーサービスでは本人確認ができない事業者がいまだ数多くあります。貴庁から改善の指導いただくとともに、早急にeKYC等のオンラインによる本人確認の仕組みを使えるよう電話リレーサービス事業者に、国として働きかけてください。

3.2025 年日本国際博覧会において、情報アクセシビリティおよびコミュニケーションを保障する人材育成のための予算化をしてください。
<説明>
 2025年の大阪万博の基本計画には、「バリアフリー・ユニバーサルデザインを考慮するとともに、先端技術を用いることにより、国・地域、文化、人種、性別、世代、障がいの有無等に関わらず、大阪・関西万博を訪れる世界中の人々が快適に本万博を楽しむことができるサービスを提供する」とあります。また、「来場者へ高品質のサービスを提供するため、十分な人員を確保し、多言語や手話言語対応等の適切な研修を実施すると同時に、ICTによる運営従事者サポートツールを活用できる体制の構築を図る」とも記されています。
 手話言語による情報アクセシビリティの担い手である手話言語通訳者の養成計画の策定および予算の確保をしてください。またその状況の進捗をご教示ください。

4.店舗等のレジ(受付)における配慮について、「コミュニケーション支援ボード」を常置、またきこえない者への接遇研修を行うよう、企業や事業者に周知してください。
<説明>
 食品や日用品を取り扱うスーパーマーケットやコンビニエンスストア、ドラッグストア等はきこえない者にとっても身近な存在ですが、レジ(受付)での店員の問いかけに気がつかなかったり、話の内容が理解できず誤解が生じたり等、困る事例が多くあります。
 また、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、新しい生活様式として店舗等でもマスク着用が必須となりましたが、マスク着用によって口の動きや表情が見えなくなり、ますますコミュニケーションが困難となっています。きこえない者が安心して買い物ができるよう「コミュニケーション支援ボード」の常置や、きこえない者への対応方法等を学習できるよう、企業や事業者に周知してください。

<<各省庁共通事項>>
5.障害者差別解消法施行後の手話通訳派遣について、各自治体の担当部局や団体等で通訳者に要する経費の予算化を貴省からも働きかけをお願いします。

<説明>
 2016年4月より「障害者差別解消法」が施行され、手話通訳派遣についても改善がみられる地域も出てきています。また、昨年5月に成立した改正障害者差別解消法では民間企業にも合理的配慮の提供が義務となるなど、障害のある人にとっての社会参加がしやすくなります。
 聴覚障害者が手話通訳を利用する場合、聴覚障害者自身が居住する自治体の福祉事務所等の派遣窓口に依頼をし、手話通訳者を派遣する方法ですが、この際の手話通訳者にかかる費用は、障害者総合支援法の中の「意思疎通支援事業」としていわゆる福祉の経費で、これは厚労省管轄の予算となっています。障害者差別解消法は、こうした福祉的な側面からのアプローチのみならず、あらゆる公的機関で、その機関の責任において合理的配慮を提供することを求めています。
 行政を含む公的機関が、合理的配慮が提供できない状況にならないよう、利用者から手話通訳等の希望があった場合に対応するため、各公的機関で手話通訳等の情報保障の予算を障害福祉とは別建てで予算化するよう、貴省から関係の地方自治体部局へ周知を図るようお願いいたします。

6.「障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律(障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法)」の成立を踏まえ、貴省が所管する分野において必要な計画の策定や予算措置が行われるようにしてください。
<説明>
 2022年5月19日に「障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律」が成立し、国及び地方公共団体は、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策を総合的に策定し、並びに実施することとされました。
 同法は、障害者が自立した日常生活及び社会生活を営むために必要な分野(医療、保健、介護、福祉、教育、労働、スポーツ、レクリエーション、司法手続その他)において、障害者がその必要とする情報を十分に取得及び利用し、円滑に意思疎通を図ることができるようにするため、意思疎通支援従事者の確保・養成および資質の向上を講ずるものと規定しています。
 貴省の所管する分野において、この法律の趣旨に沿った施策が推進されるよう、必要な計画の策定や予算措置が行われるように取り組みを進めてください。

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