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全日本ろうあ連盟スポーツ委員会による和訳(2009/06/12 掲載)

ICSD eNews 和訳版 2009年05月号

  (ICSDウェブサイトの原文)

目次(一部)

2009年はデフリンピックイヤーです

「2009年はデフリンピックの年です」ハウ台北市長は、2009年のカウントダウン行事のスピーチで、集まった人々の前に高らかに宣言しました。市長は、台北がデフリンピックを開催するアジアで最初の都市となったことを誇りとすると共に、このまたとない機会に、ろう者・難聴者に対する台北市民の意識を高める努力をすることを表明しました。われわれは今回の大会を通して、台北から最南端の都市、屏東に至るまで、国内に広く深いインパクトを与えていきたいと張り切っています。この目標を満たすべく、チャイニーズタイペイからデフリンピックに出場する、スター選手が登場するコマーシャルが、テレビ放送されています。さまざまなろうの選手が、挑戦を続ける姿が描かれています(この映像は、台北デフリンピック公式ウェブサイトでも見ることができます)。さらに、パンフレットが作られ、各家庭に配られているのです。デフリンピックの歴史を簡潔に紹介し、ロゴやマスコット、チャイニーズタイペイ代表選手たちの情報のみならず、実に大切なことに、大会期間中の交通安全を呼びかけています。

今年は、国内外の企業から、あたたかい寄付をいただいたことを報告する記者会見で幕を開けました。台湾が寛大で博愛に満ちた島であることが、さまざまなあり方で大会を支えてくださっている、スポンサーや協力者の方々の存在が示していると思います。彼らの人間性に満ちた行動が、台北デフリンピックを力強く支えるのみならず、昨今の国際経済の閉塞状況を思うと、なお一層の感謝と共に、希望でもあります。

かつてないほどの熟慮をもってデフリンピックを運営することは、台北デフリンピック組織委員会(TDOC)の掲げる目標のひとつでもあります。この数ヶ月にわたり、参加者が競技への準備を十分に進め、気持ちよく大会に参加できるよう、数多くのプログラムの用意が進行しています。その一つが「台北スタジアムからのウェブカメラ(Webcam)生中継」です。昨年の冬以降、スタジアムの工事の進捗状況が、われわれの公式サイト内のウェブカメラで見ることが出来るようになっています。今現在の状況をごらんになると、工事が完成に近付いていることがおわかりいただけると思います。開会式・閉会式の緊急事態にスムーズに対応すべく、第1回目となる警備のリハーサルが、近々行われる予定です。

台北デフリンピックへのエントリー体制も、参加者のみなさんへの十全な配慮を期して、準備を進めています。このために、TDOCは中央政府と協力し、ビザの申請手続きを簡略化し、台北滞在中の財政的負担を減らすように努めています。各国代表や審判、VIP、海外からのボランティア等のみなさんが、いささか高い手数料と、煩雑なビザの申請から解放されることを目指しています。これまで、約1,100名の代表、30名の連盟・協会役員のみなさんから、この措置を受けるための必要書類を提出いただいています。

昨年10月に行われた、デフ台北2009イベントの一環として行われた、招待制のスポーツ大会に参加された方は、笑顔と熱気にあふれた、子どもたちのかわいい応援団が、各チームについていたことを覚えていらっしゃると思います。この応援プログラムは、台湾の国際ロータリークラブが地元公立学校と提携し、代表国の文化交流行事を行うことで、いっそう華やかなものになることでしょう。子どもたちにその国の人々、地理や文化について知ってもらうために、在台湾領事館や各国事務局の方々による訪問、トークも予定されています。

何をおいても、今回一番の目玉となるのは、国際ろう文化フェアでしょう。大会中、台北アリーナ内外で、台湾や海外のろう者が、その才能を披歴する場となります。このイベントは、2009年デフリンピック交流センターと共に、台湾ろう協会によって運営されます。ろう学校、ろう者に関わる団体や法人、支援機器やろう者のサービスに携わる企業など、台湾のろうコミュニティが一同に会します。会期中は各種エンターテイメントや美術展、パフォーマンス等が行われ、選手も招待客も、観客もスポンサーも、すべての参加者が楽しめる場となるでしょう。

大会期間中、ろう者・難聴者のみなさんが安心できる非常時の対策として、台北市政府警察・消防課は、緊急連絡テキストメッセージ、ファックス・ホットラインを設置しています。番号は、警察課・緊急連絡テキストメッセージ:0912995110、ファックス・ホットライン:0223318898、もしくは0223319413、消防課・緊急連絡テキストメッセージ:0932299702、ファックス・ホットライン:0227587865 となります。今年のデフリンピックをもって、ろう者・難聴者のみなさんの緊急連絡が利用しやすくなります!このサービスは大会期間中だけではありません。大会終了後も継続し、地元のろう者のみなさんが利用できます。

ここまでお読みになったみなさんは、TDOCはわずか数カ月の間に、ずいぶん沢山のことに取り組んでいるなあと、驚かれたかもしれません。これらのプログラムは皆、みなさんにデフリンピックを楽しんでいただき、最高の経験をしてもらうことを願って進められています。TDOCのスタッフ・台北市ともども、8月・9月にみなさんをお迎えすることを楽しみにしています。まだホテルや飛行機の予約をしていないのであれば、今すぐになさることをおすすめします。歴史が作られる瞬間に立ち会ってください(ホテルの優待予約は6月30日までです)。第21回デフリンピックが公式に幕を開ける9月5日の夜、みなさんにお会いできることを楽しみにしています。