コロナウイルス感染症拡大の影響により困っているきこえない人たちへ

医療支援チーム:日本医師会を訪問し「きこえない・きこえにくい人への医療機関での診療などの際の配慮について」をお願いしました

6月3日(水)、公益社団法人日本医師会を訪問し、1、「遠隔手話サービス」や「電話リレーサービス」についての理解、2、医療従事者の表情や口元(口形)が見える工夫や、コミュニケーションの補助手段についての配慮、3.分かりやすい文章での筆談への配慮、等についての理解をお願いしました。日本医師会からは、ニュースレターへの掲載等を通して、各道府県医師会への周知協力をお約束いただきました。

日本医師会を訪問

写真左から 日本医師会:常任理事 松本吉郎氏
医療支援チーム:薬師寺みちよ医師
日本医師会:会長 横倉義武氏
連盟:久松事務局長、倉野理事、東聴連:越智事務局長
リモート出席:医療支援チーム 中西理事、嶋本理事

連本第200100号
2020年6月3日

公益社団法人日本医師会
 会長 横倉 義武 様

一般財団法人全日本ろうあ連盟
新型コロナウイルス危機管理対策本部
本部長 石野 富志三郎

きこえない・きこえにくい人への
医療機関での診療などの際の配慮について【お願い】

 日頃よりきこえない・きこえにくい人への健康増進に様々なご理解・ご配慮をいただき御礼申し上げます。また、新型コロナウイルス感染症の対応につきましては、昼夜を問わず最前線にて国民の命を守ってくださっている医療従事者の方々に敬意と感謝を申し上げます。
 さて、きこえない・きこえにくい人が医療機関等で診察を受ける際には、手話言語通訳や要約筆記を介して、医師や看護師等とコミュニケーションを行うことが多くありますが、新型コロナウイルスなど感染症の場合には同行する通訳者への二次感染のリスクが懸念されます。
 現在、医療現場では人的・物質的にも余裕のない状況であることは十分に承知しておりますが、きこえない・きこえにくい人の健康保持と、感染防止策を講じた上で、コミュニケーション支援や情報保障についてご理解いただき、医療従事者の皆様への周知にご協力を賜りたく、よろしくお願い申しあげます。

1.タブレット端末などを用いた「遠隔手話サービス」や「電話リレーサービス」についての理解をお願いします。
<説明>
 新型コロナウイルスのような感染症の場合、同行する手話言語通訳者への二次感染リスクが高いため、通訳者の派遣を制限する事例が出てきています。
 このたび、厚生労働省では新型コロナウイルス感染症に関する緊急経済対策として、スマートフォンやタブレット端末などを用いた「遠隔手話サービス」の環境整備について補正予算が組まれ、各都道府県において導入の検討が進められているところです。
 また、電話リレーサービスは民間団体が行っているサービスで、通訳オペレーターが手話や文字を利用して、電話を即時双方向につなぐサービスです。現在1万人を超えるきこえない・きこえにくい人が利用登録をしていますが、2021年度からは国の公的サービスとしてスタートする予定であり、更に利用者が増えることが予想される仕組みです。

 きこえない・きこえにくい人が診療時(検査の説明・検査結果の説明を含む)や入退院手続き等で、医師や医療関係者とコミュニケーションが必要な場合に、遠隔手話サービスや電話リレーサービスを利用する場合があることをご理解いただき、ご対応いただけるようご協力をお願いします。
 また、医療場面における障害者への合理的配慮の観点から、きこえない・きこえにくい人が遠隔手話サービスを利用できるように、医療機関自らも環境整備を進めていただけますようお願いいたします。

2.医師や看護師などの表情や口元(口形)が見える工夫や、マスク着用の際はコミュニケーションの補助手段についてご配慮ください。
<説明>
 きこえない・きこえにくい人にとっては、相手の表情や口元の動き(口形)はコミュニケーションの一部であり、表情や口形は手話言語の文法の要素として大切なものです。そのためマスクをしていると表情や口形が見えず、意思疎通の障壁となります。
①特に感染症対応等でマスクを外すことができない場合は、要点をメモする、イラストや図・身振りなどを用いたコミュニケーションを図るなどの配慮をお願いします。
②可能であればフェイスシールドや透明マスクを着用して、医師や看護師の表情や口元が見えるよう配慮をしてください。

3.筆談の際には短く分かりやすい文章で伝えるようご配慮ください。
<説明>
 基礎疾患や慢性疾患等を有する定期受診患者等については、感染源と接する機会を減らすため、既に診断されている慢性疾患等に対して医薬品が必要になった場合には、医師が電話や情報通信機器を用いて診察した上で、処方箋情報をファクシミリ等により、患者が希望する薬局に送付するとされています。
 しかし、きこえない・きこえにくい人の中には日本語の読み書きが苦手な方もいます。そのため、二重否定などの言い回しは控えて、簡潔に分かりやすく伝えるよう配慮をお願いします。
 例)この薬は効かないこともない → この薬は効果のある人と効果の無い人がいる

 また、病院によってはファクシミリ番号やメールアドレスを公開していないところもあり、きこえない・きこえにくい患者から問い合わせても断られる場合があります。
きこえない・きこえにくい人がより良い医療を受けられるよう合理的配慮を行うことを、全国の医療機関へ通知をお願いいたします。

以 上

【連絡先】
一般財団法人全日本ろうあ連盟
〒162-0801 東京都新宿区山吹町130 SKビル8階
電話03-3268-8847・Fax03-3267-3445
E-mail: info@jfd.or.jp


<<参考資料>>

【きこえない・きこえにくい人のコミュニケーションの手段】

 多くの聴覚障害者はいくつかの方法を組み合わせてコミュニケーションをしています。
 また、イラストや図、実物を見せることや身振りなどを用いながらコミュニケーションを図ると、より理解が深まります。

意思疎通支援

  • 手話言語通訳・・・手話言語通訳者を介したコミュニケーション
  • 要約筆記  ・・・主に難聴者や中途失聴者に対して、要約筆記通訳者が話された内容を要約して文字にします
  • 盲ろう者向け通訳(触手話、指点字等)・・・
    触手話とは、盲ろう者が、介助者の表現する手話を手で触って理解します。
    指点字とは介助者が、盲ろう者の指の上に点字の6つの点に見立てて打ちます。

コミュニケーションの手段

  • 筆談・・・コミュニケーションする者同士が紙などに書いて行います
  • 口話・・・・聴覚障害者自身が音声で話します。
    また、相手の口の動きを見て話しの内容を理解します。
  • 手話言語、指文字

【触手話と指点字】

触手話

触手話

指点字

指点字 
(東京盲ろう者友の会HPより)

【遠隔手話サービスとは】

事業実施イメージ

厚生労働省HP掲載資料より

【日本財団 電話リレーサービスとは】

電話リレーサービスセンターにいる通訳オペレーターが“手話や文字”と“音声”を通訳することにより、電話で即時双方向につなぐサービスです。

利用イメージ

日本財団HPより

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