東京2020オリンピック・パラリンピックの開閉会式の放送への手話言語通訳の付与を求める要望への回答を受けての再要望
NHKからの「東京2020オリンピック・パラリンピックの開閉会式の放送への手話言語通訳の付与を求める要望(回答)」に対し、再要望いたしました。
【参考】
- 東京2020オリンピック・パラリンピックの開閉会式の放送への手話言語通訳の付与を求める要望への回答書に対する意見書(8月3日)
- NHKからの回答(7月27日)
- NHK及び民放連に東京2020オリンピック・パラリンピックの開閉会式の手話言語通訳について緊急要望書を提出(7月26日)
- (緊急要望)東京2020オリンピック・パラリンピックにおける、きこえない・きこえにくい視聴者等への情報バリアフリー環境整備について(7月22日)
連本第210236号
2021年7月29日
日本放送協会
会長 前田 晃伸様
東京都新宿区山吹町130 SKビル8F
電話03-3268-8847・Fax.03-3267-3445
一般財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野 富志三郎
(公印省略)
東京2020オリンピック・パラリンピックの開閉会式の放送への
手話言語通訳の付与を求める要望への回答を受けての再要望
先般、貴会にお送りした「東京2020オリンピック・パラリンピックの開閉会式の放送への手話言語通訳の付与を求める要望(7月22日付連本第210225号「要望書」及び7月26日付連本第210229号)」に対し、NHK2020東京オリンピック・パラリンピック実施本部薮並整司専任局長名での書面の回答を7月27日付で受領いたしました。
しかし、貴会からの回答は、当連盟からの一部の要望項目への回答にとどまっているだけでなく、その回答内容も、今般の問題に他の聴覚障害者団体から出された要望書への回答とほぼ同一でした。単に事務的に処理されたものであり、とても貴会の誠意を感じるものではありません。
改めて下記について再要望いたしますので、8月2日までに文書にてご回答いただけますようお願い申し上げます。なお、いただいた回答は当連盟のホームページ等で公開する予定です。
記
1.東京2020オリンピック閉会式及びパラリンピックの開閉会式を放送する番組に対し、字幕同様に手話言語通訳を番組冒頭から終了まで付与することを再度、求めます
貴会からの回答には「オリンピック閉会式及びパラリンピック開閉会式につきましては、会場の大型ビジョンに映し出される手話通訳の方を放送でもご覧いただけるよう準備をしております」とあります。
しかし、会場の大型ビジョンに映し出される手話言語通訳者はオリンピック・パラリンピック組織委員会がその責務において配置するものであり、その通訳内容は式典の範囲のみです。私たちが要望しているものは、貴会が放送される開閉会式の番組におけるキャスター等の音声による解説や実況を含めた「放送」への手話言語通訳の付与です。
東京2020オリンピック・パラリンピックは「多様性と調和」を掲げ、共生社会を育むことを目指しています。そのオリンピック・パラリンピックを放送するにあたって、手話言語通訳がなされない放送は、手話言語を必要とする人々にとって多様性を感じるものとはなりません。
障害者権利条約及び障害者差別解消法の観点からみても、きこえない・きこえない人が自ら選択する意思疎通手段により情報を受ける権利やテレビ番組等の文化的な活動を享受する機会が用意すらされないことは、法の理念から大きくかけ離れるものと言わざるを得ません。
公共の福祉と文化の向上に寄与することを目的に設立された公共放送事業体である貴会におかれましては、「誰一人取り残さない」という多様性と共生社会の精神に基づいた放送に努力されている台湾・韓国と同じように、手話言語通訳が付与された放送をしていただきますよう要望いたします。
2.「ジャパンコンソーシアムの枠組みのもとに、東京2020オリンピック閉会式及びパラリンピックの開閉会式や日本国外で行われる世界的なスポーツイベントの放映における手話言語通訳の付与体制を構築することを、再度強く求めます
7月26日付連本第210229号付で要望項目2.について要望をいたしましたが、回答をいただいておりません。貴会の考えを具体的にお聞かせください。
3.上記1、2について、早急に貴会と日本民間放送連盟と当連盟が「建設的対話」を行う場を設けることを求めます
7月26日付連本第210229号付で要望項目3.について要望をいたしましたが、回答をいただいておりません。貴会の考えを具体的にお聞かせください。
以 上