情報アクセシビリティ・フォーラム2015:報告

        2015/12/23公開、2015/1/29(式典等詳細追加)

情報アクセシビリティ・フォーラム2015
フォトレポート

★学ぶフロア 12月12日(土)

ワークショップ UDXギャラリー カンファレンス 秋葉原コンベンションホール
10:00 式典
図31   紀子さま

115名の来賓とともに秋篠宮妃殿下および佳子内親王殿下のお成りのもと、主催者の挨拶、来賓挨拶などの後に、秋篠宮妃殿下がおはなしになりました。難解と思われやすい「アクセシビリティ」について、来賓の皆さんからも、この貴重なおはなしがより多くの方に伝わればとの声がありました。

→<式典詳細報告>

11:00 特別講演   

公益財団法人日本財団の尾形理事長による「日本財団が目指す誰もが生活できる社会」のご講演を頂きました。

10:00~12:00 S1 情報アクセシビリティへの挑戦

森川氏より「製品の情報アクセシビリティ」、澤田氏より「交通の情報アクセシビリティ」、松森さんより「テレビCMにも字幕を!」、佐川氏より「人間工学からのアクセシビリティ」のテーマで報告があり、当事者から積極的に社会に要望していくことが大切であることを確認しました。

コーディネータ:佐川賢氏(国立研究開発法人産業技術総合研究所)
報告:森川美和氏(公益財団法人共用品推進機構) 、澤田大輔氏(公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団) 、松森果林氏(ユニバーサルデザインアドバイザー)

13:30~15:00 WS1 働きやすい職場づくり

参加者を6つのグループに分けて、職場で電話が出来ない、来客対応が出来ない、自分の仕事と全体の関わりがわからないなどの悩みをどのように解決したらよいのか、事例をふまえ討議しました。聴覚障害者にとってよりよい職場づくりのあり方について熱心に議論しました。

コーディネーター:永井紀世彦氏(社会福祉法人埼玉聴覚障害者福祉会)

16:00~17:30 WS2 手で創るアート(1)

ゲストに庄﨑隆志氏(office風の器代表)と小泉文子氏(日本ろう者劇団俳優)からグループ毎に提示したテーマをメンバー全員で身体表現するなど、豊かな手話の表現を学びました。 第2回全国高校生手話パフォーマンス甲子園の鳥取県代表・鳥取県立鳥取聾学校高等部の生徒による高校野球をテーマにした寸劇発表も行いました。

コーディネーター:早瀨憲太郎氏(早瀨塾経営・映像作家)

13:00~14:30 S2 私たち当事者団体のチャレンジ

石野理事長より「なぜ、今、情報アクセシビリティなのか」の基調報告を行いその後、新谷氏、鈴木氏、福島氏より当事者の立場から報告がありました。いつでもどこでも誰でも情報アクセス出来る社会を目指したいと共通の願いをアピールしました。

コーディネータ:小中栄一(一般財団法人全日本ろうあ連盟副理事長)
基調報告:石野富志三郎(一般財団法人全日本ろうあ連盟理事長)
報告:新谷友良氏(一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会理事長)、鈴木孝幸氏(社会福祉法人日本盲人会連合副会長)、福島智氏(社会福祉法人全国盲ろう者協会理事)

15:30~17:00 S3 障害者スポーツのチャレンジ

まず鳥原氏より「障害者スポーツの現状、今後の展望」について講演があり、その後、デフリンピアン竹島氏、パラリンピアン河合氏、オリンピアン川上氏、それぞれの立場で障害者スポーツにおける環境整備の必要性を語り、太田氏よりデフリンピックの認知を更に高めたいと述べました。

コーディネータ:及川力氏(国立大学法人筑波技術大学名誉教授)
記念講演:鳥原光憲氏(公益財団法人日本障がい者スポーツ協会会長)
パネリスト:太田陽介(一般財団法人全日本ろうあ連盟スポーツ委員会委員長)、オリンピアン 川上雅史氏、パラリンピアン 河合純一氏、デフリンピアン 竹島春美氏

★学ぶフロア 12月13日(日)

ワークショップ UDXギャラリー カンファレンス 秋葉原コンベンションホール
10:00~11:30 WS3 誰にでもすぐ電話できる環境づくり

日日本財団のモデルプロジェクトで実施している電話リレーサービスや文字リレーサービスを熊本や沖縄の事業所とつないで実際に体験し、聴覚障害者がいつでも電話できる、より良い環境づくりを考えました。

コーディネータ:井上正之氏(国立大学法人筑波技術大学准教授)
コメンテーター:伊藤芳浩氏(NPO法人インフォメーションギャップバスター理事長)、
高岡正氏(一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会相談役)

10:00~11:30 S4 企業のチャレンジ

来年4月から施行する改正障害者雇用促進法と障害者差別解消法における合理的配慮のあるべき姿、聴覚障害者の就労支援、キャリア形成など4人のパネリストより事例報告があり、聴覚障害者が自分の力を最大限に発揮できる環境づくりについて議論を交わしました。質問も沢山出され、時間切れになるほど関心の高いシンポジウムでした。

コーディネータ:石原保志氏(国立大学法人筑波技術大学副学長)
パネリスト:遠藤和夫氏(日本経済団体連合会 労働政策本部統括主幹)、小林信氏(全国中小企業団体中央会 労働・人材政策本部長) 、小林武弘氏(ハローワーク品川障害者専門支援員)、岩山誠氏(鹿児島大学大学院・元ハローワーク職員)

12:30~14:00 WS4 手で創るアート(2)

手手話パフォーマンスで活躍中のHANDSIGN(ハンドサイン)をお迎えし、参加者が一緒に身体全体を動かして手話表現にトライしました。第2回全国高校生手話パフォーマンス甲子園優勝の奈良県立ろう学校高等部の生徒によるパフォーマンスも発表しました。

コーディネータ:早瀨憲太郎氏(早瀨塾経営・映像作家)。

15:00~16:30 WS5 みんなで関わる大学の授業づくり

大学における聴覚障害学生への合理的配慮の在り方について、ノートティク、パソコンティク、手話通訳それぞれのロールプレイを通して参加者一人ひとりが考えました。

コーディネータ:吉川あゆみ氏(関東聴覚障害学生サポートセンター)
コメンテータ:白澤麻弓氏(国立大学法人筑波技術大学准教授)
協力:関東聴覚障害学生サポートセンター

12:30~14:30 S5 自治体のチャレンジ

最初に鳥取県平井知事より「情報アクセシビリティ社会へ~鳥取県手話言語条例の挑戦」の講演と遠隔手話通訳のデモを行いました。その後6市町の長より手話言語条例の効果、今後の課題について報告がありました。石狩市の報告では高校生が登場し「手話語」の必要性について述べました。明石市泉市長は最初から最後まで手話で報告し、参加者に感銘を与えました。

コーディネータ:長谷川芳弘(一般財団法人全日本ろうあ連盟副理事長) 講演:平井伸治氏(鳥取県知事) パネリスト:田岡克介氏(北海道石狩市長)、泉房穂氏(兵庫県明石市長)、品川萬里氏(福島県郡山市長)、浜田正利氏(北海道新得町長)、宮本泰介氏(千葉県習志野市長)、安田正義氏(兵庫県加東市長)

15:30~17:00 S6 国のチャレンジ

最初に厚生労働省の時末氏より聴覚障害者の福祉の在り方を中心に意思疎通支援事業についての報告がありました。後藤氏より障害者権利条約から障害者差別解消法までの道筋について、田門氏より手話言語法と情報・コミュニケーション法の法整備について報告がありました。各報告を受けてディスカッションを行い、今後の取組みについて意見交換を行いました。

コーディネータ:黒﨑信幸氏(社会福祉法人全国手話研修センター理事長)
パネリスト:時末 大揮氏(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課
自立支援振興室情報支援専門官)
後藤 芳一氏(日本福祉大学客員教授、東京大学教授)
田門 浩氏 (弁護士・内閣府障害者差別解消支援地域協議会の
在り方検討会構成員)

感じるフロア  会場:アキバ・スクエアUDXビル(2階)

2015年12月12日(土)10:00~18:00・12月13日(日)10:00~15:00
○情報通信・放送・映像コーナー

・聴覚障害者の生活向上に寄与する最新技術の紹介、情報アクセシビリティにかかわる機器、サービスを 紹介しました。

<出展事業者> (順不同) 株式会社プラスヴォイス・シャムロックレコード株式会社/国立大学法人筑波技術大学/公益財団法人日本財団/鳥取県/石狩市/株式会社自立コム/株式会社ケイ・シー・シー/株式会社東京信友/国立研究開発法人情報通信研究機構 先進的音声翻訳研究開発推進センター/NHK放送技術研究所/株式会社富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ/ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社/KDDI株式会社/株式会社アイセック・ジャパン/NPO法人安心安全ネットワークきずな/社会福祉法人日本聴導犬協会/ダブル・ピー株式会社/株式会社エクシオテック/株式会社第一生命経済研究所/情報通信アクセス協議会/Palabra株式会社/NPO法人CS障害者放送統一機構/特定非営利活動法人シアター・アクセシビリティ・ネットワーク/公益財団法人ダスキン愛の輪基金/社会福祉法人全国盲ろう者協会/社会福祉法人全国手話研修センター/一般社団法人日本手話通訳士協会/一般社団法人全国手話通訳問題研究会

○啓発コーナー

聴覚障害者の情報アクセシビリティや、全日本ろうあ連盟等の活動を紹介しました。秋篠宮妃殿下ならびに佳子内親王殿下もこの啓発コーナーをご覧になりました。

図2

  • 全日本ろうあ連盟 スポーツ委員会、青年部
  • 聴覚障害者災害救援中央本部
  • 聴覚障害者制度改革推進中央本部
  • 関東ろう連盟
  • 東京都聴覚障害者連盟
○お国自慢コーナー

全日本ろうあ連盟の加盟団体が地元で独自に販売しているグッズや書籍を紹介・販売しました。

埼玉県聴覚障害者協会/千葉県聴覚障害者協会/東京都聴覚障害者連盟/東京都聴覚障害者連盟(聴覚障害者切手クラブ・世田谷区聴覚障害者協会・東京手話通訳等派遣センター)/神奈川県聴覚障害者連盟/愛知県聴覚障害者協会/三重県聴覚障害者協会/京都府聴覚障害者協会/大阪聴力障害者協会/大阪聴力障害者協会(千里福祉情報センター)/兵庫県聴覚障害者協会/鳥取県聴覚障害者協会

○ミニステージ
  • 主な出展企業・団体からの出展紹介
  • 東京都聴覚障害者連盟によるミニ手話講座
  • 多くの映像作品を手掛けた千葉県聴覚障害者協会による発表がありました。

○書籍販売コーナー

聴覚障害者や手話関連の書籍等を多数揃えて販売しました。

○クイズラリー

各会場5箇所にクイズを設置してクイズラリーを楽しむ企画を行いました。