手話マーク・筆談マークについて(全日本ろうあ連盟)
2016年12月1日
報道関係者 各位
一般財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野 富志三郎
手話マーク・筆談マークについて
一般財団法人全日本ろうあ連盟は会員約2万人を擁する、聴覚障害者の当事者団体です。
わたしたちろう者、難聴者、中途失聴者(以下、ろう者等)にとり、コミュニケーションバリアの問題は永遠の課題です。生活のあらゆる場面では聞こえる人とのコミュニケーション手段は音声が基本です。ろう者等は音声に代わる、視覚的な手段でのコミュニケーション方法、手話や筆談が必要です。
近年、手話やろう者等への理解は徐々に広がり、役所や公共施設の窓口等で筆談や手話で対応してもらえる例も見られます。ろう者等にとって「筆談で対応できる」「手話で対応できる」ことが一目でわかると、安心して公共施設等を利用することができます。
そこで、全日本ろうあ連盟は誰にでも一目でコミュニケーション手段のわかる「手話マーク」・「筆談マーク」を策定しました。
2020年には東京オリンピック・パラリンピックが日本で開催されます。外国人へのコミュニケーション保障だけでなく、国内のろう者等へのコミュニケーション保障こそ必要と考えます。全日本ろうあ連盟では今後、「手話マーク」「筆談マーク」を普及し、ろう者等に対するコミュニケーション手段の配慮について、理解を広めていきます。そしてこのマークが街にあふれ、ろう者等も含め自由にコミュニケーションの取れる社会を目指します。
また将来的には世界に通用するコミュニケーションマークを日本から発信し、国際標準マークとして普及を図っていきたいと考えています。
つきましては「手話マーク」「筆談マーク」の趣旨をご理解いただき、ぜひマークを取り上げていただきたくよろしくお願い申し上げます。
手話マーク・筆談マーク リーフレット
手話マーク・筆談マークの紹介
【マークについて(対象者と意味)】
①手話マーク
国外への普及も考え、5本指で「手話」を表す形を採用し、輪っかで手の動きを表現しました。
【対象】ろう者等、手話を必要としている人
【意味】
ろう者等から提示:
「手話で対応をお願いします」
窓口等で掲示:
「手話で対応します」
「手話でコミュニケーションできる人がいます」等
②筆談マーク
相互に紙に書くことによるコミュニケーションを表現しました。
【対象者】筆談を必要としている人
(ろう者等、音声言語障害者、知的障害者、外国人なども含みます。)
【意味】
当事者から:「筆談で対応をお願いします」
窓口等で :「筆談で対応します」
※マークが社会で認知されるまでは、表示の際にマークに意味の説明(例:「手話で対応します」「手話通訳者がいます」/「筆談で対応します」)を併記することを推奨します。
【主な使い方】
○ろう者等自身がコミュニケーションの配慮を求めるときに提示することができます。
○役所、公共及び民間施設・交通機関の窓口、お店など、手話対応、筆談対応できるところで広く提示いただけます。
○イベント等の会場で手話ができる、筆談対応する案内係がネームプレートで携帯することができます。
○緊急災害時の支援者が身に着けるビブスなどに掲示することができます。
【マークの色について】
- 手は、遠方などからも識別しやすい青色をメインに採用しました。
- 手の動きの色を手の色とはっきり区別するためにオレンジにしました。
【マークの検討にあたって】
- 「手話マーク」「筆談マーク」は全国生活協同組合連合会・社会福祉活動助成事業で検討、策定しました。
- 検討にあたっては筑波技術大学総合デザイン学科の先生方よりご助言をいただき、全日本ろうあ連盟加盟団体及び聴覚障害関係団体へアンケートを行い意見を収集しました。
以上