持続可能な開発目標(SDGs)



持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは


SDGsのロゴ

 2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」は、「誰一人取り残さない」という理念を掲げており、17の目標(ゴール)には障害または障害のある人に直接言及しているものもあります。しかし、障害分野のSDGsの取り組みはまだまだ関心が低く、障害のある人が社会に適応し、自らの障害を克服すべきものとする「医学モデル」の考えが、私たちも含め多くの人々の間で、社会構造にまだ根強く残っています。私たちは「誰一人取り残さない」「私たち抜きに私たちのことを決めないで」を理念とする真の共生社会を実現するために、自ら先頭を切って社会を変革してまいります。

SDGsに対する全日本ろうあ連盟の取り組み

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「持続可能な開発目標(SDGs)に対する全日本ろうあ連盟の取り組み」について

 SDGs(持続可能な開発目標)は、国連サミットが採択した、持続可能な世界を2030年まで実現すべき目標です。17の目標と169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人として取り残さない」ことを誓っています。全日本ろうあ連盟は、社会モデルの視点に立ち、次の目標を中心に活動を展開し、国内外の取り組みに貢献していきます。

目標

目標1 貧困の撲滅

  1. 私たちは、情報保障の担い手の身分保障の課題に取り組みます。
  2. 情報保障の担い手が正規雇用に繋がるよう働きかけます。
  3. きこえない・きこえにくい人の暮らしの底上げと福祉向上を目指し、国への働きかけを行います。
  4. 国外含めた協力団体との連携を通して、きこえない・きこえにくい人のエンパワーメント支援を進めます。
目標

目標3 健康と福祉の確保

  1. 私たちは、リプロダクティブ・ヘルス・ライツ(性と生殖に関する健康と権利)の知識を得るために、政府や社会に対して啓発活動を行います。
  2. あらゆる医療場面において正しい情報を得るように、予防や治療等の情報をきこえる人と対等に得られるよう政府へ働きかけます。
  3. 情報保障の担い手当事者の団体とともに、頚肩腕症候群など予防のための調査・啓発活動を行います。
  4. すべてのきこえない・きこえにくい人、ろう重複障害者の豊かな生活と権利の保障を求めます。
  5. きこえに関わらずスポーツに平等して参加できるよう政府・関係者に働きかけるとともに、デフリンピックをはじめ、デフアスリートの能力が十分発揮できる視覚的情報保障が整備された練習場及び競技大会を求めていきます。
目標

目標4 質の高い教育の提供

  1. 手話言語の取得、手話言語で教育を受けることができる環境設備のために手話言語法の制定に取り組み、真のインクルーシブ教育の実現を目指していきます。
  2. 乳幼児期から質の高い教育を受けられることと、すべての教育課程において合理的配慮が受けられることを目指し、政府や関係者との建設的な協議を通して働きかけていきます。
  3. 教育課程や高等教育機関における学習の情報保障、きこえない・きこえにくい社会人のリスキリングにおける情報保障を確実に確保することを求めます。
  4. きこえない・きこえにくい一人ひとりの個性や価値観を尊重し、未来への長期視点も取り入れながら、持続可能な育成プラン及び、次世代とともにビションを考え、共に行動していきます。
  5. 次世代を担う者たちがこれまでのきこえない・きこえにくい人の意志やろうあ運動を引継ぎ、社会状況や変化に応対した活動を続けていきます。
目標

目標5 ジェンダー平等の実現

  1. 私たちは、当連盟の女性役員の比率を向上させる取り組みを行い、2030年までに3割以上を目標とします。
  2. 性別を理由にした差別に断固反対します。
  3. 家庭、生活、老後および地域活動などの課題や事例を集め、情報共有をしていきます。
  4. DVに遭われたきこえない・きこえにくい人が支援を受けやすい環境を整えていきます。
  5. 性別を理由とする複合差別の解消およびエンパワーメントの方策を策定していきます。
目標

目標8 経済成長と雇用の促進

  1. 私たちは、障害者雇用促進法を遵守させ、障害者雇用率の達成を監視し、障害に基づく除外率の低減を政府や関係者に働きかけます。
  2. 労働における合理的配慮が提供されるよう啓発活動を行います。
  3. 障害者枠での雇用における単純労働からの解放や、能力開発研修及びリスキリングの機会の獲得、非障害者との賃金や昇進の格差是正を求めます。
  4. ろう重複障害者が意欲を持ち、生き生きと働くことができる支援体制を日中活動系事業所に働きかけます。
  5. 情報保障の担い手当事者の団体とともに、専門知識やスキルアップに加えて働く専門職として確立させるために調査・啓発活動を行います。
目標

目標9 インフラ構築・包括的かつ持続可能な産業化・イノベーションの拡大

  1. 私たちは、公的インフラである電話リレーサービスの技術的課題の解消を含め、相互利用の普及と啓発を図っていきます。
  2. 手話言語および字幕を付したテレビ番組の割合を高めることを求めます。
  3. きこえに関わらずオンライン会議やメタバース(仮想空間)に参加できるようサポート技術の開発に当事者として協力します。
  4. きこえない・きこえにくい人に利益をもたらすイノベーションが当事者の要望に合わせていつでも利用できるよう啓発活動を行います。
  5. 音声言語で操作するAI(人工知能)やIoT家電にきこえない・きこえにくい当事者の意見が反映された製品開発をするよう、政府・企業に働きかけます。
  6. デフスポーツにおいて技術革新による視覚的情報の保障を図っていきます。
目標

目標10 不平等の是正

  1. 障害の有無による賃金格差、優生思想に基づく生涯収入の算定、機能障害の程度に偏った支援制度、自治体ごとに異なる福祉など、国内の格差是正に向けた働きかけを実施します。
  2. 子育てや教育からレジャー・エンターテインメント(娯楽)まであらゆる分野できこえる人と同等の情報が取得できる環境提供を求めます。
  3. スポーツを通して障害者にも平等な社会をつくる理解促進を図ります。
  4. 開発途上国における障害者、特にきこえない・きこえにくい人の教育や生活、コミュニティを支援します。
  5. 手話言語通訳などの情報保障は、きこえない・きこえにくい人のみならずきこえる人も相互の意思疎通に重要な手段であり、手話言語通訳などの情報保障についての正しい理解の普及に努めます。
目標

目標11 包括的でレジリエント(柔軟)かつ持続可能な都市を実現する

  1. 聴覚障害者災害救援中央本部は、災害・有事の際の迅速な被害状況とニーズの把握と支援活動を、支援団体、地方自治体と協働して進めます。
  2. 生活のあらゆる場面及び、専門性の高い場面における手話言語通訳の提供など制度構築に向けた働きかけを強化します。
  3. 公共交通機関等をあらゆる角度から安心して利用できる環境整備を働きかけます。
  4. 開発途上国で起こった自然災害のきこえない・きこえにくい人への支援を行います。
目標

目標12 持続可能な消費と生産の確保

  1. 音声言語のみで操作するIoT家電などをきこえない・きこえにくい人当事者の意見が反映された製品の開発を働きかけます。
目標

目標13 気候変動への対策

  1. 生命にかかわる避難情報などの防災気象情報が、手話言語および文字情報を通してきこえない・きこえにくい人に確実に伝達されるよう政府・関係機関に働きかけます。
目標

目標14 陸上資源の保護

  1. 私たちは、過剰な利用を削減し、できる節約を行うことで、資源の浪費と二酸化炭素の排出抑制に貢献します。
目標

目標16 平和と公正な社会の実現

  1. 私たちは、すべての戦争、紛争、核保有、犯罪に反対します。
  2. すべての司法場面における手話言語通訳の公的提供を強く求めていきます。また、過疎地域における代替手段として、遠隔手話通訳も求めていきます。
  3. 優生保護法による被害者を早期救済できるよう取り組みます。
  4. ICSD憲章並びにオリンピック憲章に則り、人間の尊厳を保つことに重きを置く平和を推進する活動に従事します。
  5. 公的機関から国民に発信されるすべての情報が、手話言語でもアクセスできるよう政府に働きかけます。
目標

目標17 実施手段の強化しとグローバル・パートナーシップの活性化

  1. 国連(UN)や世界ろう連盟(WFD)をはじめとする国際活動団体が主催する関連会議やイベンドなどの国際活動に参加します。
  2. WFDYS(世界ろう連盟青年部)をはじめとする青年主体の国際活動団体の会議やキャンプに積極的に参加し、世界のきこえない・きこえにくい青年部と繋がりを持ちます。
  3. アジアろう児・者友好プロジェクトを通して、アジアをはじめとする開発途上国のきこえない・きこえにくい当事者団体と連携を図り、協働します。
  4. あらゆる分野の目標達成に向けて、国内の障害者団体等と連携しながら取り組んでいきます。

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