ごあいさつ



理事長 石野富志三郎

一般財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野富志三郎

 2011年3月11日に発生した東日本大震災は未曾有の大惨事となり、私たちも多くの仲間を失いました。
 あの震災から8年がたちます。令和元年の記念すべき年に「第67回全国ろうあ者大会」を、復興の歩みを続けるここ仙台で全国から3,000名を超える参加者を迎え開催できる喜びを、ここに集う皆さんと分かち合いたいと思います。

 新元号発表の際、手話言語通訳者を画面に入れ一緒に報道したテレビ局がありました。内閣府の行う記者会見には、東日本大震災時に連盟から働きかけたことにより、手話言語通訳者が置かれるようになりました。連盟はこれまでもすべての放送局に、記者会見時の手話言語通訳者を映像に入れて放送するよう訴えてきました。
 多くの国民が注目する元号発表の歴史的な場面に手話言語通訳者が配置され、手話言語でも放送されたことは、私たちにとって感動的な出来事であり、これまでのろうあ運動の大きな成果です。
 そして新元号発表の翌日である4月2日には、全国手話研修センター・日本手話研究所から「令和」の手話表現が公表されました。聞こえない私たちが、元号に込められた思いやその背景をすぐに詳しく知り、それらを踏まえて新しい手話表現を検討することができるのも、記者会見に手話言語通訳がつき、テレビ放送にリアルタイムの字幕があるからこそです。

 1981年の国際障害者年から始まり、昭和から平成の時代へ移りゆくなかで、障害者を取り巻く社会福祉は大きく変わりました。通信技術も発展し、聞こえない私たち自らが望めば様々な情報を取得できるようになりました。しかし、それは私たちが「自ら動くことで得られる」という限定的な状況であることには変わりがありません。
 私たちの運動により、これまで全国の270を超える自治体で「手話言語条例」が制定されています。水や空気のように社会にあふれる音声情報のすべてを手話言語でも得られるようにするためにも、新しい「令和」の時代にこそ「手話言語法」やろうあ運動のパワーが必要です。

 本大会のテーマ「きらめく手話 ずいと伸ばそう なかまとともに 復興へのみやぎ」が示す通り、手話言語の無限の可能性を信じ、今ここにいる皆さんとともに「手話言語法」というきらめく目標の達成に向け、これからも様々な取り組みを進めていきたいと思います。

 最後になりますが、本大会開催にご尽力いただきました実行委員会の皆さま、公私ともお忙しいところをご臨席くださいました宮城県および仙台市をはじめご来賓の皆さまに厚くお礼を申し上げ、私の挨拶といたします。

2019年 6月
第67回全国ろうあ者大会inみやぎ にて