優生保護法問題に関する最高裁判所判決について【声明】



優生保護法問題に関する最高裁判所判決について【声明】(手話動画)

優生保護法問題に関する最高裁判所判決について【声明】

 優生保護法国家賠償請求訴訟について、2024年7月3日、最高裁判所大法廷は、優生保護法による強制不妊手術を受けさせられた被害者たちに対して国の責任を認め、損害賠償金を支払うよう命じました。

 全日本ろうあ連盟(以下、連盟)は、「国が損害賠償責任を免れることは、著しく正義・公平の理念に反し、到底容認することができない」と断罪した最高裁判所の判断を心から歓迎し、強く支持します。

 連盟は、戦後最大の悪法である優生保護法の被害者実態調査に取り組み、被害者本人の同意を得ず、悪質な方法でだまされたこと、入所や結婚を条件に手術を強制された等、非人道的な実態を具体的に明らかにしました。そして、各地域の本訴訟の原告と、その家族たちを支えている組織を全国の加盟団体とともに支え、闘ってまいりました。

 連盟は、今般の判決で優生保護法問題を終わりとせず、国の責任が明らかになったこの日、障害のある者への差別のない日本をめざし、真の共生社会を実現するための新たな一歩を踏み出す決意を新たにしております。  

 未だはびこる優生思想や障害者差別をなくすために、国がやるべきことは、優生保護法の被害者たちに直ちに謝罪と損害賠償を行うこと、訴訟に参加できなかった多くの被害者、すでに亡くなった被害者の家族への補償をすること、そして、すべての人たちが安心して子どもを生み育てられる施策を整備することです。すべての被害者への救済を進め、同じ過ちを繰り返さないために、国は上記の要求を真摯に受け止めて取り組んでいかなければなりません。

 連盟は、勇気を持って訴訟を起こした17人のきこえない原告に心から敬意を表し、今後もあらゆる差別や優生思想をなくすためにも被害者たちや関係団体の皆さまとともに、この優生保護法問題の全面解決に向け、積極的に取り組んでまいります。

2024年7月5日

一般財団法人 全日本ろうあ連盟
理事長 石橋 大吾

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