日本放送協会にろう者支援について緊急要望を提出(1月4日追記:日本放送協会より回答を得ました)
2024年1月1日16時10分に震度7の地震と大津波警報が発令された「令和6年能登半島地震」のニュースが流れているためか、NHK Eテレで予定されていた18:55からの手話ニュースが放送されませんでした。
緊急に日本放送協会に要望(添付)をFAXで提出しました。
【1月4日追記】・日本放送協会より回答を得ました。
2024年1月1日
日本放送協会
会長 稲葉延雄様
〒162-0801 新宿区山吹町130 SKビル8F
Tel 03-3268-8847 ・ Fax 03-3267-3445
一般財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野富志三郎
ろう者支援について緊急要望
日頃は私たちきこえない人への情報保障等に、格段のご配慮を頂き厚く御礼申し上げます。
さて、2024年1月1日16時10分に震度7の地震と大津波警報が発令された「令和6年能登半島地震」のニュースが流れているためか、NHK Eテレで予定されていた18:55からの手話ニュースが放送されませんでした。
これは、手話ニュースがきこえない人にとってとても重要な情報源であり、放送しないということは、手話言語による生活を送るきこえない人を軽視することにつながり、到底納得出来るものではありません。
万が一の事態が起こったときにきこえない人は情報が得られずに対応が遅れてしまい、命を失う危険にいつも直面しております。災害時には被災地における住民、そして被災地を見守る国民にとって、公共放送による迅速にして正確な情報を手話言語と字幕で提供して頂きたいと考えます。
貴協会が公共放送としての使命を果たされるよう下記の通り強く要望いたします。
記
1.緊急災害時におけるローカル番組を含むテレビ番組に、臨時の番組構成を行う場合でも、必ず「手話ニュース」で情報を発信してください。
<説明>
阪神・淡路大震災のときの臨時の番組編成で、Eテレ枠で安否確認が流れ、手話ニュースの放送がないため、多くのきこえない人が現況を把握出来ない状況に陥ったことがあります。このようなことが二度とないよう、緊急災害発生時に、手話ニュースや緊急災害時の放送番組に手話通訳を挿入して放送して下さい。
手話言語による情報を全く配信していない状況は人命軽視であると思います。放送法第7条(日本放送協会定款第3条)によれば「公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、且つ、良い放送番組による国内放送を行い又は当該放送番組を委託して放送させるとともに、放送及びその受信の進歩発達に必要な業務 を行い、あわせて・・・・」とされています。
「公共の福祉のために、あまねく」と貴社が謳われているように公共放送だということを強く認識していただき、繰り返しますが、「公共」からきこえない人を排除することのないよう速やかに対応してくださいますようお願いいたします。
以 上
【1月4日追記】NHKより、下記の通り、緊急要望に対する回答がありましたので報告します。
理事長 石野富志三郎 様
平素よりNHKの放送にご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
貴連盟よりいただきました要望に対して、ご回答いたします。
今般の能登半島で発生した大地震ならびに津波災害につきまして、NHKでは午
後4時12分の震度6強観測、午後4時13分の津波警報発令以降、
テレビ、ラジオの全放送波にて同内容で緊急ニュースを放送しました。
これは大きな災害時にできるだけ多くの方に情報に触れていただきたいという目
的での対応ではございますが、Eテレの手話ニュースの放送が休止になったこと、
大変申し訳ございませんでした。
その中で、津波警報、大津波警報の発令時には早急な避難を呼びかける手話動画
を放送しています。また官房長官、気象庁の記者会見時には現場の手話通訳の映
像も同時に放送いたしました。
ただ、緊急時、すべての時間帯で手話通訳を付与するためには、手話通訳者およ
び、手話の表現にも精通したスタッフが不可欠ですが、あらかじめ相当人数を確
保し、地震や台風などの緊急報道に備えて24時間常時待機させる体制を組むこ
とは困難であることをご理解頂きたく思います。
なお、字幕放送につきましては、緊急地震速報の発令時から付与させていただき、
津波警報発令後は画面上に大きく「つなみ、にげて」と呼びかける字幕を常時表示するなど、
文字スーパーを多用するなどして、放送をご覧の皆さんに確実に伝わるよう努めております。
この度は大変貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。
今後の緊急時の体制の充実に参考にさせていただきます。
NHKメディア総局
NHKふれあいセンター(放送)