優生保護法裁判の大阪高裁判決に対し、国が上告したことに強く抗議する(声明)
優生保護法裁判の大阪高裁判決に対し、国が上告したことに強く抗議する(声明)
2022年3月9日
一般財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野 富志三郎
2022年2月22日に、旧優生保護法を巡る大阪高等裁判所が下した判決は、「障害を理由に強制不妊手術を行ってきたことは、それ自体が被害者の意思決定の自由に反した非人道的かつ差別的であり、個人の尊重という日本国憲法の基本理念に照らしても是認できない違憲であるとし、その上で、除斥期間の適用をそのまま認めることは、著しく正義・公平の理念に反する」と国へ賠償を命じました。
この判決は、「ようやく、これで被害者の人権回復がなされる」と被害者たちそして私たちにとって大きな喜びとなりました。
しかし、3月7日に国はこの判決を不服として最高裁に上告しました。
国が上告した行為は、再び、被害者に対しての非人道且つ差別的な行いをし、人権回復の芽を摘むという誤りを犯すものです。
私たちの思いと願いは再び裏切られたのです。
国が今まず第一にするべきことは上告ではなく、これまで行ってきた被害者の調査の結果を公表し、二度と同じ過ちを繰り返さないために、当事者団体や支援者団体と共に検証を行い、全ての被害者への救済に取り組むべきです。
全日本ろうあ連盟は、大阪高等裁判所の判決そして被害者の思いを踏みにじった国の上告に強く抗議し、これからも全ての被害者全員の救済を求めると共に、一人ひとりの人権が守られる差別のない社会の実現を目指して、全国の仲間たちと取り組む決意です。