朝日新聞社へ「『朝日新聞デジタル』掲載記事に関する再質問」を送付しました
2019年9月18日、朝日新聞社へ「『朝日新聞デジタル』掲載記事に関する再質問」を送付しました。
・8月26日付 「すべての新生児に難聴検査を 先天性1,000人に1人/義務化した国も」についての質問
・8月30日付 朝日新聞社文化くらし報道部から回答
連本第190406号
2019年9月18日
株式会社朝日新聞社
代表取締役社長 渡辺雅隆 様
一般財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野富志三郎
「朝日新聞デジタル」掲載記事に関する再質問
先般、9月2日付け、ファクスにて貴社文化くらし報道部長山口進様より回答がありました。ご多忙の折、ご回答いただきありがとうございます。しかしながら、当連盟は貴社ご回答に納得できるものではありません。再度、当連盟の意見を述べますので、当連盟意見に対する貴社のご回答をいただきたく思います。
本書到着後、1週間以内に文書にてご回答をいただきたく、お願い申し上げます。
記
貴社ご回答では「耳からの情報」が音声言語の獲得に影響する一つの要素となり得ることを記す趣旨でした。「手話言語による言語獲得・発達を否定したものではございません。・・・手話言語については改めてご紹介した方がよいと考えました。手話言語による言語獲得・発達につきましては、その重要性を深く認識しております。『一つの方程式』のみを示すことに問題があるとのご指摘に真摯に受け止めます」と書かれています。
しかし、貴社ご回答にある「当連盟が示した『一つの方程式』のみを示すことに問題があることを認識している」と述べておりますことについて、私たちは貴社が真に理解しているとは到底、思えません。結果的に貴社の記事は手話言語を否定するような誤解を与え、「手話言語」や「ろう教育」を否定する論者たちに歓迎される内容になりました。難聴児の実態をよく知る良識ある立場であれば、「一つの方程式」を示すことの危うさや、優生思想につながる危険性をはらむことをよく理解しているはずです。
だからこそ、私たちは貴社の記事の危険性を強く危惧するのであり、手話言語による言語獲得・発達についても併せて紹介すべきでありました。貴社ご回答のように手話言語による言語獲得・発達の重要性を真に認識しているのでしたら、貴社は当連盟より指摘されるまで、間を置かずに「手話言語の重要性」に関する内容を記事化すべきであったと思います。貴社はその認識が十分でなかったと思わざるを得ませんが、その通りの理解でよろしいでしょうか?
以 上