2019年8月28日 九州北部の大雨の報道に関し、気象庁、NHK、民放連へ聴覚障害者への情報保障について緊急要望を提出



 2019年8月28日、九州北部の大雨に関わる緊急会見及び報道に関して、気象庁、NHK、民放連へ聴覚障害者への情報保障に関する要望を提出しました。

【2019/08/30追記】NHKより回答を頂きました。

連本第190327号
2019年8月28日

気象庁長官
  関田 康雄 様

〒162-0801 新宿区山吹町130 SKビル8F
Tel 03-3268-8847 ・ Fax 03-3267-3445
一般財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野富志三郎

聴覚障害者への情報保障について(緊急要望)

 日頃は私たち聴覚障害者への情報提供等に、格段のご配慮を頂き厚く御礼申し上げます。
 さて、貴庁においては7月より緊急記者会見での手話通訳配置が24時間体制での試行実施となり、2019(令和元)年8月28日午前7時より行われました九州北部の大雨に関する緊急会見でも手話通訳者が配置されました。今回の対応に御礼申し上げます。本日の九州北部の大雨は依然最大級の警戒を呼び掛け、予断を許さない状況です。今後の報道等も含め、貴庁にはさらなる使命を果たしていただきたく、下記の通り要望いたします。
 なお本件につきましては、これまでも要望、意見交換をさせていただいておりますが、度々災害が発生している状況をふまえ、貴庁のお考えを9月4日までにご回答いただきたくお願いいたします。

1.台風、地震、特別警報をはじめとした気象庁が行う記者会見、報道発表においては、1日も早く24時間体制による手話通訳者を配置し、本格実施へ移行してください。そして、常に「手話通訳」を付与した報道等ができるよう、体制の構築及び予算措置を講じてください。

 <説明>
 貴庁では7月より緊急記者会見において24時間体制で手話通訳配置試行実施を行っており、8月28日午前7時からの九州北部の大雨に関する緊急会見にも手話通訳を配置いただきました。しかしながら、現在はまだ試行実施の段階で、予算措置を含めた本格実施は2020(令和2)年度からを目指しているとのご説明でした。
 2019年も度々災害が発生しており、今後もいつ災害が発生するかわかりません。非常時・災害時にはテレビ等で報道される気象庁の記者会見が重要な情報源になり、いち早く情報をつかむことが聴覚障害者にとっても命を守ることにつながります。
 手話言語を必要とする聴覚障害者にも迅速、かつ正確な災害情報が伝わるよう、特に緊急会見では1日も早く24時間体制での手話通訳者配置を本格実施いただきたくここに要望いたします。
 そして貴庁の記者会見(定例会見を含む)、報道発表においては、必ず手話通訳者を配置の上会見・発表し、テレビ等でも手話通訳者が同時に写る形で報道等されるよう、放送事業者ともご検討いただき、関連予算を確保し、体制を構築してくださいますようお願いいたします。

以 上

連本第190328号
2019年8月28日

日本放送協会
  会長 上田 良一 様

〒162-0801 新宿区山吹町130 SKビル8F
Tel 03-3268-8847 ・ Fax 03-3267-3445
一般財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野富志三郎

聴覚障害者への情報保障について(緊急要望)

 日頃は私たち聴覚障害者への情報保障等に、格段のご配慮を頂き厚く御礼申し上げます。
 さて、2019(令和元)年8月28日午前7時より、気象庁において九州北部の大雨に関する緊急会見が行われました。
 今回の九州北部の大雨に関しては早朝から報道されておりましたが、大雨特別警報が発令された6時の時点では、残念ながら手話言語も字幕も付いていませんでした。また、その後7時からのNHK総合のニュースから字幕の付与が見られ、気象庁による緊急記者会見も手話通訳が付与された形で放映されたものの、その他の報道については手話通訳の付与がほとんどないのが現状です。手話言語を必要とする聴覚障害者を含め、今後の報道等必要な情報が的確かつ迅速に伝わるよう、そして貴協会が公共放送としての使命と掲げる『「人にやさしい」放送・サービスの充実』を十分に果たされるよう、下記の通り強く要望します。
 なお緊急災害に関する放送についてはこれまでも要望をさせていただいておりますが、今回の九州北部の大雨に関する報道及び今後について、貴協会のお考えを9月4日までにご回答いただきたくお願いいたします。

1.特別警報をはじめとした緊急災害放送には、ローカル番組を含むテレビ番組に「手話言語(通訳を含む)と字幕」を必ず付与してください。また、手話通訳がつく記者会見については必ず手話通訳を付与し報道してください。

<説明>

・放送法第7条(日本放送協会定款第3条)には「公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、且つ、良い放送番組による国内放送を行い・・・」とあります。
「公共の福祉のために、あまねく」と貴協会が謳われているように、「公共放送」ということを強く認識いただき、「公共」から聴覚障害者を排除することのないよう、速やかに対応をお願いいたします。

・さまざまな記者会見において手話通訳者が配置されている際には、テレビ放送、インターネット配信時に視聴者が話者と手話通訳者を同じ画面で同時に見ることができるよう、撮  影時及び放送・配信時に配慮をしてください。

※参考
 アメリカのフロリダ州リック・スコット知事によるハリケーン「イルマ」の緊急会見風景の動画を紹介します。
   https://youtu.be/wGWtTRYSleU

緊急会見風景

<以下参照>

緊急会見風景

以 上

連本第190329号
2019年8月28日

一般社団法人 日本民間放送連盟
  会長 大久保好男様

〒162-0801 新宿区山吹町130 SKビル8F
Tel 03-3268-8847 ・ Fax 03-3267-3445
一般財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野富志三郎

聴覚障害者への情報保障について(緊急要望)

 日頃は私たち聴覚障害者への情報保障等に、格段のご配慮を頂き厚く御礼申し上げます。
 さて、2019(令和元)年8月28日午前7時より、気象庁において九州北部の大雨に関する緊急会見が行われました。
 在京キー局において字幕付与により聴覚障害者への情報保障に配慮いただいているところですが、今回の九州北部の大雨に関する報道は、全キー局が朝のニュース番組を生放送しているにも関わらず、大雨特別警報の報道に手話言語も字幕も付いていませんでした。また、先述の気象庁における緊急会見での手話通訳付与に関しても、各局のテレビ放送やインターネット配信時における手話通訳付与の有無もまちまちな現状です。
 これらの報道に手話言語、字幕等が付与されることにより、聴覚障害者へも災害に関する迅速かつ正確な情報が伝わり、命を守ることへつながります。
 ついては基幹放送(民放)事業者各位が放送事業者としての使命を果たされるよう下記の通り強く要望します。
 なお緊急災害に関する放送についてはこれまでも繰り返し要望をさせていただいておりますが、今回の九州北部の大雨に関する報道及び今後について、貴連盟のお考えを9月4日までにご回答いただきたくお願いいたします。

1.特別警報をはじめとした緊急災害放送には、ローカル番組を含むテレビ番組に「手話言語(通訳を含む)と字幕」を必ず付与してください。また、手話通訳がつく記者会見については必ず手話通訳を付与し報道してください。

<説明>

・緊急災害時の放送番組には手話通訳を挿入して「手話言語放送」を実施してください。

・基幹放送(民放)事業者各位におかれましては、放送免許の更新にあたり、「基幹放送局の再免許等に当たっての要請」を総務省から受けとっており、その「要請項目5」では、「字幕放送、解説放送及び手話放送について、視聴覚障害者、高齢者に十分配慮し、総務省が策定した「視聴覚障害者向け放送普及行政の指針」を達成するよう努めること。特にできる限り全ての大規模災害等緊急時放送における字幕放送の実施及びCMへの字幕付与の普及に留意すること。」とされています。
 いうまでもなく、放送には「公共性」が問われます。この「公共」から聴覚障害者を排除することのないよう速やかに対応してください。

・さまざまな記者会見において手話通訳者が配置されている際には、テレビ放送、インターネット配信時に視聴者が話者と手話通訳者を同じ画面で同時に見ることができるよう撮影時及び放送・配信時に配慮をしてください。

※参考
 アメリカのフロリダ州リック・スコット知事によるハリケーン「イルマ」の緊急会見風景の動画を紹介します。
   https://youtu.be/wGWtTRYSleU

緊急会見風景

<以下参照>

緊急会見風景

以 上