公明党へ「震災時における障がい者支援と今後の防災対策に対する要望」を提出




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 公明党災害対策本部・障がい者福祉委員会合同会議で各団体へのヒアリングが行われました。
 当連盟からは要望文書を出し、東日本大震災に関する現状および防災計画等に盛り込むべき課題に対して聴覚障害者の立場から要望しました。

連本第110254号
2011年10月3日

公明党
 災害対策本部
  本部長 木庭健太郎 様
 障がい者福祉委員会
  委員長 高木美智代 様

〒162-0802 新宿区山吹町130 SKビル8F
Tel 03-3268-8847 ・ Fax 03-3267-3445
財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野富志三郎

震災時における障がい者支援と今後の防災対策に対する要望

 日頃は私ども聴覚障害者の福祉向上にご尽力賜り厚く御礼申し上げます。
 標記の件につきまして下記要望いたしますので、早期実現についてお力添えをよろしくお願い申し上げます。

1.東日本大震災に関する現状に対する要望

(1)被災聴覚障害者の生活を支える相談支援を充実するための予算を確保してください。

・手話通訳者、要約筆記者、盲ろう通訳介助者、聴覚障害者相談員の設置・派遣を充実させる必要がありますが、復興に予算が多く回され、障害関係予算の確保が困難です。国の復興予算を障害者対策と特定して充当するようにしてください。
(2)被災地での障害者の就労の促進について具体的な対策を講じてください。
(3)原発事故での被災障害者へ以下の対策を行ってください。

・原発事故による賠償を障害者が漏れなく受けられるように支援を行ってください。
特に聴覚障害者は情報を得にくく、また説明が理解しにくいことがあり、障害者対象の説明会を開催するなどきめ細かい配慮をするよう働きかけてください。
・県外避難している聴覚障害者への情報保障について、被災者を受け入れている自治体に、きめ細かい配慮がなされるよう働きかけてください。
(4)情報保障を徹底してください。

・テレビ放送への手話、字幕の挿入を拡大してください。
・官邸記者会見のインターネット配信では手話通訳者が配置されていますが、テレビニュースでは話し手のみの映像が流されます。理由は手話通訳者が話し手とは別のカメラで収録され別画面にして挿入しているからです。手話通訳者を話し手の横に立たせ一つのカメラで収録することで同一画面に映るように政府に働きかけてください。
(5)政府広報やホームページの問い合わせ先には電話番号だけでなくFAX番号も併記するように働きかけてください。

・政府広報[生活再建ハンドブック](改訂増補版)掲載の問い合わせ先がほとんど電話番号だけになっています。担当部局に問い合わせたところ、次号では留意するとの回答でしたが、現在紙媒体だけでなくダウンロードできるようにホームページにアップされています。印刷物は間に合わないでしょうが、データへの追加挿入はできるはずですので、すぐ追加挿入するよう働きかけてください。
(6)「災害時要援護者」制度が機能しているのかどうか検証のうえ実情を公表してください。

2.防災計画等に盛り込むべき課題と要望

(1)国、都道府県、市町村等で復興計画を策定する際には障害当事者団体を必ず参加させてください。
(2)東日本大震災での「災害時要援護者」制度の有効性を検証し、対策を見直し、周知徹底を図ってください。
(3)東日本大震災での障害者の被災実態を調査し、障害者に関する防災マニュアル・ガイドラインを全自治体で作成してください。また作成に当たっては障害当事者を必ず参加させてください。
(4)災害時行政等公的機関だけでは被災障害者の支援は不可能であったことが今回の震災でも立証されています。個人情報保護法を改定し、支援団体特に障害当事者が構成主体になっている支援団体への障害者名簿の開示を法制化してください。
(5)救援には公的機関・施設だけでなく障害当事者団体もあたっています。それら支援団体は民間であり、資金面で余裕がなく活動に支障をきたしました。支援団体への活動助成が受けられるよう国が支援する制度を作ってください。
(6)当連盟は従来から官公庁の問い合わせ先に電話番号だけでなく、FAX番号の併記の義務付けを要望し続けていますが、実現の道が見えません。平常時の施策が災害時でも踏襲されますので、政府のすべての連絡先公表に際してのFAX番号の併記を義務付けてください。

以 上

 
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