← eNews 一覧に戻る
全日本ろうあ連盟スポーツ委員会による和訳(2010/12/13 掲載)

ICSD eNews 和訳版 2010年10月号

  (ICSDウェブサイトの原文)

目次(一部)

委員長からのメッセージ

ICSD会長Crowley氏とIOC会長Rogge氏

ICSDは、IOCの支援を回復することと、今後の改革について地域や全国レベルのろう者スポーツ連盟に学ぶことを誓約します。

少し前、9月半ばのIOC本部訪問を通して、私は、ICSDが、改革と正当な認識に向けて、長い旅を始めることを、もう一度宣言しなければならないと強く感じました。

私が12カ月前に会長職に就任して以来、IOC会長のJacques Rogge氏と初めて話ができたのは光栄なことであります。改編に取り組むろう者スポーツの新世代をもたらす2010-2013の新しい戦略計画をICSDが作成したことを認める一方で、ICSDが全世界のろう者スポーツの利益を継続して確実に守ることを、承認したのは他ならぬRogge氏でした。

しかしながら、1924年にICSDが設立される動機となった正当な認識と支援を、もし再構築するとすれば整理しなければならない立脚点は、まだまだたくさんあるように思われます。 前回の号で述べたように、これは時間のかかる大変な旅になりそうです。成功させるためには、次の事を実施する必要があると考えています。

国際ろう者スポーツの記録に関して正しく学ばなければなりません。つまり、名前や信用性、評判について責任をもつ、信頼できる組織になる必要があります。また、もし組織を改編しないのであれば、改正が必要な古い規則に代る建設的な規則を用意する必要があります。

私たちがこれまでに築いてきた、ろう者スポーツの豊かな歴史を、私はとても誇りに思っています。しかし、私たちの進歩を一歩ずつ弁護する必要があると考える人物になるつもりはありません。すでに多くの機会を失っている可能性があります。私たちは、前進し、将来の課題に取り組まねばならないことを認識する必要があります。なぜならば、残された時間はほとんどありません。今や、明確な改革をより一層推し進めるときです。

これまでの12カ月間、私は会長として、大勢の代表者、全国ろう者スポーツ連盟、国際スポーツ連盟、地域連合、ろう者スポーツのリーダー、選手、ろう者スポーツ改革委員会のメンバーに会ってきました。この結果、私たちが、今なぜ組織の方向と発展の岐路に立っているのかを理解することができました。とにかく、私たちは、今までにも増して一生懸命取り組んでいます。それでも、上手く処理することがもはや容易ではなくなってきています。私たちは皆、史上最高の機会を享受することを望んでいます。 が、デフリンピックに関する正当な認識の明らかな不足や、加盟国におけるろう者スポーツ自身の親密な関係と理解の欠乏などのために、棘(とげ)を刺された状態になっています。

私たちは、ルールに則ってプレーしています。しかし、おそらく、私たちの立場が責任をもって報われているようには思えません。かつてなかったほど、正当な認識のことを心配しています。

なぜ?

ろう者スポーツ連盟は、自分たちを守る組織(訳者による補足:としてのICSD)を欲していましたが、(訳者による補足:ICSD)信頼にまだ問題があると私は思っています。

したがって、私たちは、先を見越して、過去に直面した課題を受け入れなければなりません。そして、変える必要があることを示さなければなりません。自国で正当な認識や再認識のために闘っているろう者スポーツの国民へ、わが組織が提供する本流(メインストリーム)の機会とのかかわりが途絶えるわけにはいきません。

二番目に直面する課題は、信頼できる責任のある組織になることです。

ICSDの加盟協会が、この組織(ICSD)は自分の活動に責任をもつと考えるのは基本的なことです。

それでも、私は、機会の落とし穴にはまらないような方法で行います。正会員問題については、経済的な決断や認識の決断に直面しているろう者スポーツにとって妥当かつ柔軟と思われる方法で、状況を改善していく必要があります。国家主権によって統合される可能性に反対することはできません。保守的な数年間を経た、今、ICSDは、少数のもので多くのものを行うことを学ばなければなりません。

これは、ICSDが始めようとしている変革のプログラムを、何の疑問や正当な理由もなしに単純に飲む込むことを意味するのではありません。妥当と思われるアプローチ方法を始めようとする場合、この方法が正しいとわかった時点で支持(サポート)します。

以下は、私がこれまでの12カ月間に採用したアプローチです。

前進のために、私たちの問題を認識するだけでなく、現実主義という効果的な服用薬も投与します。

私たちは、今後の計画に着手して、組織の焦点を明らかにします。これは時間がかかりますが、ICSDが、ろう者スポーツ改革を通してより十分に正当に認識されることを心待ちにする組織であることを示す重要なことです。

デフリンピックや国際スポーツの有効性に命を吹き込み強化する新しいアプローチを始めます。そして、ユース・スポーツの登場をもって、いたるところのろう者選手の間で反響を呼ぶであろうメッセージが発信されます。

スポーツそのものが貢献する文化の中で、私たちが非常に重視する事柄は守るというろう者スポーツの新しいアプローチ、すなわち、わが組織が分裂しないように意見をまとめるのを助ける平等性のアプローチを採用します。ただ、私は、間違いなく、必要とされる期間の間、未来のために奮闘することを約束します。

私の狙いは、ろう者スポーツ組織をよりよくするために、また、一生懸命頑張る人たちや加わりたいと思う人たちのために、組織が改革の推進を支持していることを示すことです。私の狙いは、パートナーシップに十分、正当に認識された組織に戻ることです。これは困難な課題であり、長期間の旅となります。

12カ月前、加盟国は、新世代の会長を新しく選出することで変化への一歩をすでに踏み出しました。いま、変化が起きるかどうかは私にかかっています。これは、私が享受する課題であり、ICSD理事会、委員会、地域連合、全国スポーツ連盟が、私の例に後に続くことを期待しています。というのは、それが、ICSDにとって前進する唯一の方法だと考えるからです。

Craig A Crowley MBE
会長