国際園芸博覧会協会と花博推進特命委員会と面談しました



 2026年5月25日、全日本ろうあ連盟河原副理事長と教育文化委員会櫻井副委員長は、国際園芸博覧会協会と花博推進特命委員会と面談し、2027年3月から横浜で開催される国際園芸博覧会の情報アクセシビリティ環境の整備に係る要望文書を提出しました。
 この要望文書は地元当事者団体である(一社)横浜市聴覚障害者協会や(一社)神奈川県聴覚障害者連盟、関東広域団体である関東ろうあ連盟の要望を集約・検討し、当事者の総意として取りまとめています。

集合写真
国際園芸博覧会協会・花博推進特命委員会の皆様
(右から)敷田神奈川県議会議員、土井神奈川県議会議員、草間衆議院議員、
星野衆議院議員・国際園芸推進特命委員長、河原副理事長、国際園芸博覧会協会小池事務次長

河原副理事長
要望説明する河原副理事長

面談の様子

連本第260063号
2026年5月21日

公益社団法人2027年国際園芸博覧会
会 長  筒井 義信 様

一般財団法人全日本ろうあ連盟
理 事 長  石 橋 大 吾

2027年国際園芸博覧会の情報アクセシビリティ環境の整備に係る要望

 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 日頃より、私どもきこえない・きこえにくい者の社会参加の促進にご理解ご支援を賜り心より感謝申し上げます。
 さて、2027年3月に横浜・上瀬谷で開催される2027年国際園芸博覧会(以下、「本博覧会」)は、国内外から約1,500万人もの来場が見込まれており、極めて関心の高い国際的催事となっております。
 2022年5月に制定された「障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律(障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション推進法)」では、障害の有無にかかわらず、必要な情報を十分に取得・利用し、円滑に意思疎通を図ることは、社会を構成する一員として活動するために不可欠な権利であると位置付けられています。
 また、2025年6月に制定された「手話に関する施策の推進に関する法律(手話施策推進法)」では、国と地方公共団体が、手話言語を使用する者が日常生活・社会生活を円滑に送れるよう、手話が利用しやすい環境を整備する義務を定めています。
 これらを踏まえ、本博覧会におかれましては、きこえない方やきこえにくい方、さらには多様な言語背景を持つ方々が安心して参加、楽しむことができる「情報アクセシビリティ環境」を整備することが不可欠であると考えます。
こうした取り組みは、本博覧会の重要なレガシーとなり、ひいては神奈川県や横浜市におけるバリアフリーのさらなる推進と、観光・経済活性化にも大きく寄与するものとなります。
 本要望の提出にあたりましては、当連盟が、地元当事者団体である一般社団法人横浜市聴覚障害者協会や一般社団法人神奈川県聴覚障害者連盟および関東広域団体である関東ろう連盟の要望を集約・検討し、当事者の総意として取りまとめたものです。
 つきましては、現行の「2027年国際園芸博覧会アクセシビリティ・ガイドライン」等の運用・実施にあたり、以下の要望を反映していただきますようお願い申し上げます。

1.アクセシビリティ向上に向けたスタッフ研修の実施と当事者参画による運営体制の構築を当事者団体の連携のもとに実施してください
<説明>
 大規模な国際イベントにおいては、多様な背景を持つ来場者に対し、広大な会場内での案内や入場ルートの誘導など、多種多様なコミュニケーション場面が想定されます。
 こうした際、きこえない・きこえにくい来場者とのやり取りが円滑に進まない場合、双方の意思疎通のずれから混乱を招き、来場者の満足度や安全確保に影響を及ぼす懸念があります。
 全ての来場者が等しく安心して楽しめる環境を構築するためには、ハード面の整備に加え、運営に携わる全スタッフ(ボランティア、出展者、出店者を含む)のソフト面での対応スキル向上が不可欠です。
 つきましては、スタッフ研修の実施にあたり、地域当事者団体の参画のもと、きこえないことやきこえにくいことに対する理解や手話言語、筆談等によるコミュニケーション手法を習得するカリキュラムを組み込んでください。

2.きこえない方やきこえにくい方、さらには多様な言語背景を持つ方々が安心して参加できるよう、音声案内や放送、命に係わる情報は音声および視覚のいずれでも得られるようにしてください
<説明>
 広大な野外会場においては、スタッフによる誘導案内や気象警報、熱中症警戒アラートといった放送による情報提供が頻繁に行われます。
 しかし、これらが音声のみで提供された場合、きこえない・きこえにくい来場者、および日本語を第一言語としない方々へ正確な情報が届かないという課題があります。
 特に、地震や火災、不測の事態における避難誘導など、生命に関わる緊急情報の伝達は極めて重大です。音声情報が届かない方々が情報から孤立することは、避難の遅れなど命に関わる深刻な事態を招くリスクとなります。
 つきましては、本博覧会の会場内におけるすべての音声放送および案内業務において、デジタルサイネージ、文字情報、プラカード、光警報装置等を活用した「視覚的な情報提供」を必ず併用してください。

3.本博覧会における式典およびイベント等に情報保障(手話言語通訳と要約筆記等)環境を整備してください
<説明>
 障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション推進法および手話施策推進法、ひいては「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例」等に基づき、障害の有無によって情報の取得や意思疎通が妨げられることのないよう、必要な措置や整備を行うことは特に本博覧会のような公共性の高い催事においても重要となります。
 当連盟が2025年に開催しました「東京2025デフリンピック」においても、開閉会式や各競技会場における日本手話言語や国際手話の通訳者、手話言語ができるボランティアの配置や、映像への日本語・英語字幕の付与等、情報保障環境を整備しました。
 本博覧会においても、開会式・閉会式をはじめ、各イベントやパビリオンにおける情報保障環境を整備してください。

4.ユニバーサルコミュニケーション技術や機器等の活用と、市内の公共交通機関、公共施設、文化芸術施設への導入促進を図ってください
<説明>
 近年のICT技術の飛躍的発展により、音声をリアルタイムで文字化する機器やソフトウェアが普及し、きこえない・きこえにくい人の中にも利用者は増加しています。
 東京2025デフリンピックでは、東京都内の公共施設や文化施設等の受付窓口では、音声を多言語で表示する「透明ディスプレイ」の設置が急速に進みました。また、観光施設では展示映像等への手話言語および字幕の付与、スマートグラスやタブレットの貸出も行われました。
 本博覧会においても、受付や展示説明の音声を多言語・文字で確認できるタブレット端末の設置・貸出を標準化してください。また、全ての展示映像には、日本手話言語・国際手話および字幕を必ず付与することを要望します。
 さらに、本博覧会を機に、誰もが等しく情報を享受できる環境を神奈川県や横浜市内に広げるため、公共交通機関、公共施設、文化芸術施設等へもこれらのユニバーサルコミュニケーション技術や機器の導入促進を図り、本博覧会のレガシーを創出してください。

5.ボランティア研修会における、きこえない・きこえにくい方々への情報保障体制を早急に改善してください
<説明>
 2026年4月5日(日)に開催された本博覧会ボランティア研修会において、参加を希望したきこえない方が手話言語通訳者の配置を求めた際、本博覧会協会事務局より「音声認識ソフトは用意するが、手話言語通訳者は用意できない」旨の回答がありました。
 音声認識ソフトによる文字情報のみでは、手話言語を第一言語とする当事者にとって十分な情報保障とは言えません。また、手話言語通訳者が不在では、当事者が発言や質疑応答を行う際の「意思疎通の双方向性」が確保されず、実質的な参加が不可能です。
 つきましては、ボランティア研修会における、きこえない・きこえにくい方々への情報保障体制を早急に構築してください。
 その際、横浜市の手話通訳派遣制度や地域当事者団体との連携も視野に入れ、当事者のニーズに即した情報保障が確実に提供されるよう求めます。

以 上