ニュージーランド手話言語法(仮訳版)のご紹介
ニュージーランドで2006年4月10日に公布された手話言語法をご紹介します。
2023年4月5日版
2006年ニュージーランド手話言語法(仮訳)
公法 2006年第18号
裁可日 2006年4月10日
施行 第2条参照
目次
第1条 題名
第2条 施行
第1部 総則
第3条 目的
第4条 解釈
第5条 対政府拘束力
第2部 ニュージーランド手話言語法
認知
第6条 ニュージーランドの公用語としてのニュージーランド手話言語
第7条 法的手続きにおけるニュージーランド手話言語使用の権利
第8条 認知の効果
政府機関の指導原則
第9条 原則
第10条 報告
雑則
第11条 本用の運用の見直し
第12条 1990年ニュージーランド権利章典に不影響
規則
第13条 規則
附則
ニュージーランド手話言語が使用できる裁判所及び審判所
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注
議会顧問局が2019年立法法第9部第2条に基づく権限により本版の編集上及び様式上の修正を行った。本版の最後にある注4はそれに含まれる修正事項の一覧を提供する。
本法は障害者省により執行される。
第1条(題名)
本法は「2006年ニュージーランド手話言語法」である。
第2条(施行)
本法は国王の裁可を受けた日の翌日に施行する。
第1部 総則
第3条(目的)
本法の目的は、以下により、ニュージーランド手話言語の使用を維持・促進することにある:
(a) ニュージーランド手話言語をニュージーランドの公用語であると宣言すること;及び
(b) 法的手続きにおけるニュージーランド手話言語の使用を規定すること;及び
(c) 法的手続きにおけるニュージーランド手話言語の通訳者の能力基準を定める規則を制定する権限を付与すること;及び
(d) ニュージーランド手話言語の使用・促進に関して政府機関を指導するための原則を明示すること。
第4条(解釈)
本法においては、文脈上別段の定めがない限り:
ろう者コミュニティーとは:
(a) ニュージーランド手話言語を第一言語又は希望する言語として使用するろう者から成る独自の言語的及び文化的集団;及び
(b) (a)号に掲げる集団に一体感を抱くろう者、を意味する。
政府機関とは1975年オンブズマン法附則第1部に掲げる機関を意味する。
通訳とは、ニュージーランド手話言語に関連して:
(a) 英語又はマオリ語又は両方で発話された文言をニュージーランド手話言語で表現すること;及び
(b) ニュージーランド手話言語で表現された発言を、英語又はマオリ語又は両方において音声で表現すること、を意味する。
法的手続きとは:
(a) 附則に掲げる裁判所又は審判所における手続き;及び
(b) 検死官又は副検死官との手続き;及び
(c) ろう者コミュニティーにとって特別の利害関係を有する次の機関の調査及び報告の手続き:
(i) 1908年調査委員会法に基づく調査委員会;又は
(ii) 他の法律に基づき調査委員会と同等の権限を有する審判所その他の機関;又は
(iii) 2013年調査法第6条の適用を受ける調査であって、ろう者コミュニティーにとって特別の利害関係を有する調査及び報告を行うことを要するもの。
大臣とは、他の法律に特段の規定がある場合を除き、首相の権限により本法の所管を命ぜられた当該時点の大臣を意味する。
ニュージーランド手話言語又はNZSLとは、独自の言語的・文化的集団であるニュージーランドのろうの人々の第一言語又は希望する言語である、視覚的・身振り的言語を意味する。
主宰者とは、法的手続き関連して、手続きの指揮をとる裁判官その他の者を意味する。
翻訳とは、ニュージーランド手話言語に関連して、
(a) ニュージーランド手話言語で表現された文言を、英語又はマオリ語又は両方により書面で表現すること、
(b) 英語又はマオリ語又は両方で書かれた語を、ニュージーランド手話言語により手話で表現すること、を意味する。
比較:1987 No 176 s 2
第4条法的手続き第(b)段:2023年改正検視官法(2023 No 8)第36条により2023年4月5日に改正
第4条法的手続き第(c)段:2013年調査法(2013 No 60)第39条により2013年8月27日に差し替え
第5条(対政府拘束力)
本法は、政府を拘束する。
第2部 ニュージーランド手話言語
認知
第6条(ニュージーランドの公用語としてのニュージーランド手話言語)
ニュージーランド手話言語は、ニュージーランドの公用語であることを宣言する。
比較:1987 No 176 s 3
第7条(法的手続きにおいてニュージーランド手話言語を使用する権利)
(1) すべての法的手続きにおいて、以下に掲げる者のうち、第一言語又は希望する言語がニュージーランド手話言語である者は、ニュージーランド手話言語を使用することができる:
(a) 諸手続きを行う裁判所、審判所又は機関の構成員
(b) 当事者又は証人
(c) 諸手続きにおいて当事者を代理する弁護士その他の者
(d) 主宰者の許可を得たその他の者
(2) 第1項に定めるニュージーランド手話言語を使用する権利は、
(a) 当該項で示された者に、法的手続きの当該目的の通訳者でない人に対して、ニュージーランド手話言語で話しかけ又は応答することを強制する権利;又は
(b) 主宰者以外の者に対して、当該手続き又はその一部をニュージーランド手話言語で記録することを要求する権利;を付与するものではない。
(3) 諸手続きにおいて主宰者が、第1項の権利を有する者がニュージーランド手話言語を使用する意思を有することを知った場合、主宰者は資格を有する通訳者が利用可能であることを保証しなければならない。
(4) 諸手続きにおいて、ニュージーランド手話言語から音声言語又は書記言語への、又は音声言語又は書記言語からニュージーランド手話言語への通訳若しくは翻訳の正確性に関して疑義が生じた場合、主宰者が適当と認める方法により当該問題を判断する。
(5) 本法に基づき制定される規則、又は他の法律に基づく裁判規則その他の適切な手続規則は、ニュージーランド手話言語を法的手続きにおいて使用する意図を有する者に対して、その意思を事前に合理的期間内に通知することを要求し、また当該手続きにおいてニュージーランド手話言語が使用される場合の手続きを一般的に規定することができる。
(6) 当該諸規定、又は裁判所規則その他の適切な手続規則は、所定の通知を行わなかったことを訴訟費用の負担決定に関して考慮すべき事情とすることはできるが、当該不履行を理由として、いかなる者も法的手続きにおいてニュージーランド手話言語を使用する権利を否定されない。
比較:1987 No 176 s 4
第8条(認知の効果)
(1) 第7条の定めに従うほか、第6条はいかなる執行可能な法的権利を創設するものではない。
(2) 第6条又は第7条の規定は、
(a) ニュージーランド手話言語による意思疎通を求め、受け、又は伝えるとする当該条項に基づく以外の、いかなる者が有する権利;又は、
(b) ニュージーランドにおける他の言語共同体の権利、又、誰もが自らの属する言語共同体の言語を使用する権利;に対して影響を及ぼすものではない。
比較:1987 No 176 s 5
政府機関を指導する原則
第9条(原則)
(1) 政府機関は、自己の機能および権限を行使するにあたり、合理的に実行可能な限り、以下の原則に従って進めるべきである:
(a) ニュージーランド手話言語に関する問題(例えば、ニュージーランド手話言語の使用の促進を含め)については、ろう者コミュニティーの意見を求めるべきであること:
(b) 一般大衆に対する政府サービスの利用促進および一般大衆に対する情報の提供にあたりニュージーランド手話言語が使用されるべきであること:
(c) 政府のサービスおよび情報は、(ニュージーランド手話言語の使用を含め)適切な方法を通じてろう者コミュニティーにとってアクセス可能とするべきであること。
(2) 第1項(a)の規定に基づく意見聴取は、政府機関の長が、合理的に実現可能な範囲で、ニュージーランド手話言語に関してろう者コミュニティーの構成員の利益を代表すると認める者又は団体と協議することにより実施される。
(3) 第1項に掲げる原則の目的はろう者コミュニティーの政府情報及びサービスへのアクセスを促進することにあり、第1項のいかなる事項もろう者コミュニティーに対して他の者が享受していない利益を付与するものと解してはならない。
第10条(報告)
(1) 大臣は、随時、第9条に掲げる原則の実施状況について報告することができる。
(2) 第1項の報告は、2022年パエ・オラ(健やかな未来)法附則1第7項に掲げるニュージーランド障害戦略の実施状況に関するいずれかの報告の中に含めることができる。
第10条第2項:2022年パエ・オラ(健やかな未来)法(2022 No 30)第104条により2022年7月1日に差し替え
雑則
第11条(本法の運用の見直し)
(1) 大臣は、本法の施行日より3年経過後、可能な限り速やかに、以下の事項に関する報告書の作成を求めなければならない:
(a) 本法の施行以降の運用状況;及び
(b) 本法の適用範囲及び内容の修正が必要又は望ましいか否か。
(2) 大臣は、報告書で検討される事項に関して、ろう者コミュニティーの構成員の利益を代表する者又は団体の意見聴取がなされることを保証しなければならない。
(3) 大臣は、当該報告書の写しを代議院に提出しなければならない。
第12条(1990年ニュージーランド権利章典法に不影響)
本法は、1990年ニュージーランド権利章典法の規定に影響を及ぼすものではない。
規則
第13条(規則)
(1) 総督は随時、勅令により、次に掲げる目的の全部又は一部のために規則を制定することができる:
(a) 法的手続きにおいてニュージーランド手話言語の通訳者を担う者が具備すべき能力基準を定めるため:
(b) 本法が想定するその他の事項、又は本法の運用に必要である事項、又は本法が十分効果を発揮するための必要な事項を定めるため。
(2) 第1項(a)に基づき制定される規則は、法的手続きにおいてニュージーランド手話言語通訳者を担う者の能力を評価する基準を含む(又は、なかんずく基準の決定及び公表に関する事項が提示される)ものでなければならない。
(3) 本条に基づき制定される規則は第二次立法である(公布要件に関しては2019年立法法第3部参照)。
第13条第3項:2021年第二次立法法(2021 No 7)第3条により2021年10月28日に挿入
附則
ニュージーランド手話言語が使用できる裁判所及び審判所
A.裁判所
最高裁判所
控訴裁判所
高等裁判所
地方裁判所
雇用裁判所
家庭裁判所
青少年裁判所
マオリ土地裁判所
マオリ控訴裁判所
環境裁判所
B.審判所
ワイタンギ審判所
雇用関係審判庁
人権審査審判所
2003年自動車販売法第82条第1項に基づき設立された自動車紛争審判所
住宅賃貸審判所
1988年紛争審判所法に基づき設立された紛争審判所
附則:2016年地方裁判所法(2026 No 49)第261条により2017年3月1日に改正
注
1 総則
2006年ニュージーランド手話言語法に関する本統合は記載された日付時点の法律を表示するためにこれまでに改正されてきた内容が組み込まれている。
2 法的地位
統合は、記載された日付時点において、統合された立法およびその改正によって策定又は制定された法律を正確に示すものと推定される。この推定は反証が示されない限り適用される。
2019年立法法第78条は、この電子版として公表された本統合が公式版であることを規定する。本公式電子版から直接作成された印刷版も公式版である。
3 編集及び様式の修正
議会顧問局が2019年立法法第9部第2条に基づく権限により統合の編集上及び様式上の修正を行う。
議会顧問局の統合に関する編集規定も参照のこと。
4 本統合に含まれる改正
2023年改正検視官法(2023 No 8):第36条
2022年パエ・オラ(健やかな未来)法(2022 No 30):第104条
2021年第二次立法法(2021 No 7):第3条
2016年地方裁判所法(2026 No 49):第261条
2013年調査法(2013 No 60):第39条


