衆議院・参議院・日弁連法務研究財団に旧優生保護法問題検証会議における手話言語通訳の中断について要望書を提出



 2025年12月3日に開催された第3回「旧優生保護法問題検証会議」で、複数のきこえない人がオンライン中継を視聴中に、手話言語通訳が予定終了時間で突然打ち切られた件について、強く改善を申し入る要望書を提出しました。

※1月20日追記:要望書への回答を掲載いたしました

連本第250804号
2026年1月16日

衆議院議長 玄葉 光一郎様
参議院議長 福山 哲郎 様
公益財団法人日弁連法務研究財団 理事長 内田 貴様

一般財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石橋 大吾

旧優生保護法問題検証会議における手話言語通訳の中断について

 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 衆議院及び参議院から公益財団法人日弁連法務研究財団に委託されている「旧優生保護法問題検証会議」が開催されています。
 2025年12月3日に開催された第3回検証会議では、複数のきこえない人がオンライン中継を視聴していました。会議は当初予定された時間を超え、議論が継続されていましたが、手話言語通訳が予定終了時間で突然打ち切られました。この結果、手話言語を使用している者は、実質的に会議内容を理解・把握する手段を奪われ、会議への参加・情報取得が不可能となりました。
 障害者の人権侵害や差別を検証する場において、新たな差別を生むことは、決して許されません。
 情報保障として、手話言語通訳及び文字通訳を手配することは、会議の目的からも当然の配慮であり、予算や運営の効率を理由として、説明もなく手話言語通訳の提供を会議途中で打ち切ることは、手話言語を使用している者を会議から事実上排除する行為です。また、このことは、障害者権利条約と障害者差別解消法の「誰も排除しない」という理念、手話施策推進法の理念に反することになります。
 優生思想をなくすための会議において、国として、このような対応を容認することは、大変遺憾であり、衆議院および参議院ならびに日弁連法務研究財団に強く改善を申し入れます。

(1)今後、すべての検証会議およびオンライン中継において、議論終了まで手話言語通訳を含む十分な情報保障を制度的に確保すること

(2)同様の事態が再発しないよう、運営指針および予算措置を含めた再発防止策を講じること

【連絡先】
一般財団法人全日本ろうあ連盟
優生保護対策チーム 大竹 浩司
〒162-0053東京都新宿区原町3-61桂ビル2階
TEL 03-6302-1430 FAX 03-6302-1449

衆議院・参議院からの回答

御承知のことと存じますが、衆議院及び参議院としては、旧優生保護法の立法当事者であったことから調査検証の内容に関与せず、外部組織である財団に対して運営を含む形でお任せしており、運営等の自主性・自由を尊重しております。
ただ、当方もお任せしているとはいえ、手話言語を使用なさっている方々の思いに添えない状況が生じたことを残念に思っております。

いただいた御指摘につきましては、日弁連法務研究財団及び旧優生保護法調査検証会議事務局に事実関係を確認し、適切に対応するよう要望させていただきました。

また、引き続き委託元として必要な予算を提供し、今後このようなことが生じないよう、財団に重ねてお願いして参ります。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

日弁連法務研究財団 旧優生保護法問題検証会議事務局からの回答

2025 年12 月3 日に開催された第3 回検証会議において、予定時刻であった12時にて、事前のアナウンスなく手話通訳が終了したことにつき、ご指摘をいただきました。

手話通訳をご利用の上で会議を視聴してくださった方々には大変申し訳なく、「手話言語を使用している者を会議から事実上排除する行為」であるとのご指摘、及び、改善の申入れを重く受け止めております。

今回の件は、予定時刻を想定外に超過してしまい、また、手話通訳終了について事前のアナウンスを怠った事務局の不備によるものであり、今後、同様の事態が発生しないよう、運営方針を改めて見直すように致します。
このたびは、貴重なご指摘をいただき、誠にありがとうございました。