新年のご挨拶



みんなの力で押し上げよう!「手話言語法」

一般財団法人全日本ろうあ連盟  
理事長 石野富志三郎  

理事長 石野富志三郎 あけましておめでとうございます。

 昨年のろうあ運動で最も大きかったのは、紛れもなく「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」の公布、施行でしょう。全日本ろうあ連盟含む構成6団体の12年にわたる運動の結実です。

 きこえない・きこえにくい者にとっては音声ではなく視覚的な言語と情報が必要です。情報の可視化を図るため情報保障を整備していくことはきこえない・きこえにくい者の当然の権利です。2つ目に、いつでもどこでも誰もが自由に情報を享受でき、情報発信できる権利を持つことが大事です。そして、3つ目に、自らの意思で点字・筆談・手話等、コミュニケーションの手段を自由に選択できる権利を持つということ、これら3つのことは基本的人権に加えるべきものです。

 新法の附帯決議に「手話言語法の立法を含め、手話に関する施策の一層の充実の検討を進めること」が盛り込まれました。日本政府の記者会見等に手話通訳がつくようになりましたが、テレビ画面には話し手だけが映り、通訳が見えない状況が続いています。ニュージーランドや韓国等が手話言語法制定のもとで手話通訳や字幕を画面に映しているのに対し、わが国では法的な未整備が大きく起因して施策が遅れているのは明白です。

 国連の障害者権利条約にアクセシビリティに関わる基本的な考え方が示されている上、障害者権利委員会が昨年9月に日本政府に「手話を公用語として法律で認めること」との勧告を出しました。私たちは誰よりも「手話言語法」の実現を強く願っています。手話言語法が、ろうあ者の社会参加、自立につながる非常に大きな起爆剤になるとの期待を抱いています。ともに頑張りましょう。

 今年もよろしくお願いします。