NHK及び民放連に地上放送における手話言語付与について意見書を提出



2021年11月17日、地上放送における手話言語付与に関して、NHKと民放連に意見書を提出しました。

連本第210268号
2021年11月17日

日本放送協会
会長 前田 晃伸 様

東京都新宿区山吹町130SKビル8階
電話03−3268−8847・Fax03−3267−3445
一般財団法人法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野 富志三郎
(公印省略)

地上放送における手話言語付与に関する意見書

 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 日頃より、私どもきこえない・きこえにくい人の福祉向上にご理解を賜り厚く御礼申し上げます。
 この度公表された「令和2年度字幕放送等の実績」では、NHK(総合・放送センター等)の1週間当たりの手話放送時間は43分、NHK(教育)は4時間26分となり、目標時間の15分を超える結果となりました。しかし、字幕放送とは比較にならない時間数であり、きこえない・きこえにくい人が求めるすべての番組への手話言語付与の実現は、依然として厳しい状況にあります。よって、下記のとおり意見を具申いたします。

・地上放送におけるすべての番組への手話言語付与に向けて、貴会との「建設的対話」をぜひ進めてください。

 ご承知のとおり、地上放送における手話言語の付与は、2018年総務省より公表された「放送分野における情報アクセシビリティに関する指針」において「2027年度までに平均15分/週以上に手話付与」とする目標が示されています。
 貴会は、総合テレビの報道部門において、国民の生活や命に関わる重大な内容については、政府が用意した手話言語通訳を付与した放送を実施されるほか、Eテレでは積極的に当事者等の出演を拡大し、当事者の視点での質の高い番組を放映されています。その成果が、目標の1週間15分をはるかに超える実績につながっているものと認識しております。
 しかし、現在の目標数では字幕放送と比較すると著しく低く、また、この実績の時間は貴会放送センターと拠点放送局(令和2年度実績35分)及び地方局(令和2年度実績36分)との格差もみられ、住む地域によっては、きこえない・きこえにくい人が自ら選択する意思疎通手段が制限され、必要な情報を受け取ることができないと言わざるをえません。
 国連が定めたSDGsの「誰ひとり取り残さない」という理念、障害者権利条約及び障害者差別解消法の主旨に基づき、きこえない・きこえにくい人も自ら選択する意思疎通手段により情報を受ける権利やテレビ番組等も文化的な活動を享受する機会を保障するために、貴会との「建設的対話」をぜひ実現できるよう心からお願いいたします。

以上

連本第210269号
2021年11月17日

一般社団法人日本民間放送連盟
会長 大久保 好男 様

東京都新宿区山吹町130SKビル8階
電話03−3268−8847・Fax03−3267−3445
一般財団法人法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野 富志三郎
(公印省略)

地上放送における手話言語付与に関する意見書

 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 日頃より、私どもきこえない・きこえにくい人の福祉向上にご理解を賜り厚く御礼申し上げます。
 この度公表された「令和2年度字幕放送等の実績」では、1週間当たりの手話放送時間の目標数15分未満の地上系民放が29局、手話放送がゼロの地上系民放が10局となっています。その他の地上系民放は目標数を超える実績ではありますが、字幕放送とは比較にならない時間数であり、きこえない・きこえにくい人が求めるすべての番組への手話言語付与の実現は、依然として厳しい状況にあります。よって、下記のとおり意見を具申いたします。

・地上放送におけるすべての番組への手話言語付与に向けて、貴会との「建設的対話」をぜひ進めてください。

 ご承知のとおり、地上放送における手話言語の付与は、2018年総務省より公表された「放送分野における情報アクセシビリティに関する指針」において「2027年度までに平均15分/週以上に手話付与」とする目標が示されています。
 昨今、キー局の報道部門において、国民の生活や命に関わる重大な内容については、政府が用意した手話言語通訳を付与した放送を実施されるようになりました。また、岡山放送株式会社では手話言語をテーマとした、手話言語を交えたニュースやアナウンサーが手話言語でメッセージを伝えるCMが放送されるなどの取り組みがなされ、きこえない・きこえにくい人にとっても手話言語が付与された番組を観る機会が増えてきています。
 しかし、現在の目標数では字幕放送と比較すると著しく低く、また、キー局及び地方局の実績時間をみると、首都圏と地方の格差が大きいことは明白であります。これでは、住む地域によってはきこえない・きこえにくい人が自ら選択する意思疎通手段が制限され、必要な情報を受け取ることができないと言わざるをえません。
 国連が定めたSDGsの「誰ひとり取り残さない」という理念、障害者権利条約及び障害者差別解消法の主旨に基づき、きこえない・きこえにくい人も自ら選択する意思疎通手段により情報を受ける権利やテレビ番組等も文化的な活動を享受する機会を保障するために、貴会との「建設的対話」をぜひ実現できるよう心からお願いいたします。

以上