菅義偉首相・加藤勝信内閣官房長官へ要望書を提出
菅義偉首相と面談 手話言語法早期制定について要望
2021年2月19日(金)、石野理事長、久松事務局長が神奈川県手話言語普及議員連盟会長の土井隆典議員、神奈川県議会の敷田博昭議員、加藤元弥議員とともに菅義偉首相と面談し、手話を広める知事の会・全国手話言語市区長会・全日本ろうあ連盟の3団体共同による要望書を手渡しました。
面談では、新型コロナウイルスワクチン接種に向けた情報保障体制や意思疎通支援体制のほか、これまで3団体で取り組みを続けてきている「デフリンピック日本開催」のための国との支援協力体制の構築や「手話言語法の早期制定」について、強く要請しました。
右から神奈川県議会・加藤元弥議員、敷田博昭議員、土井隆典議員、菅義偉首相、石野理事長、久松事務局長
2021年2月19日
内閣総理大臣
菅 義偉 様
要 望
時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
2020オリンピック・パラリンピック競技大会を契機とした街・心のバリアフリーの推進に取り組んでいただいていることに深く感謝申し上げます。
障害のある人もない人もともに暮らせる共生社会の実現に向け、下記の通り要望いたします。
記
1.きこえない・きこえにくい人が在住地域で新型コロナウイルスワクチンを接種するにあたり、意思疎通支援や情報保障体制を整備してください
全国の医療機関や市区町村の会場で、きこえない・きこえにくい人が安心して新型コロナウイルスワクチン接種を受けられるようにするためには、医療従事者からの説明時や医師の予診時における意思疎通支援や情報保障が必要です。
医療機関や会場では手話言語通訳者の配置や遠隔手話サービスの設置等を行うよう対策(財政措置を含む)を講じてください。また、きこえない・きこえにくい人へ、新型コロナウイルスワクチン接種について相談支援や情報提供が行えるよう、全国各地の聴覚障害者情報提供施設や当事者団体と連携した相談支援体制を整備してください。
2.2025デフリンピック日本開催に向け、国と開催都市、全日本ろうあ連盟等の連携・協力体制等を構築してください
2020オリンピック・パラリンピック競技大会を契機に街・心のバリアフリーが推進された今、そのレガシーを活かし、2025デフリンピック競技大会を日本で開催することが「情報バリアフリー」の推進ひいては共生社会の実現に資するものであり、大きなレガシーとなると確信しています。
オリンピック・パラリンピック競技大会と同様に国会決議や財政支援、保証等に向けて緊密な連絡調整を図るため、国・開催都市・全日本ろうあ連盟等による連携・協力体制の早期設置を要望いたします。
3.きこえない・きこえにくい人が手話言語を獲得し手話で学び、生活できるようにするために「手話言語法」及びあらゆる場面で情報アクセスとコミュニケーション手段の選択を保障する「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション保障法」を制定してください
きこえない・きこえにくい人が手話言語を用い、きこえる人と対等に社会参加をしていくためにも、手話を「言語」として規定し、手話言語を獲得し手話言語で学び、生活できるようにするための環境整備と手話言語を日本語やアイヌ語と同様に研究・普及・保存していくために、「手話言語法」を早急に制定してください。
また、あらゆる場面において、「話すこと・聞くこと・見ること・書くこと・読むこと・認知すること」を個々人に適した情報アクセスとコミュニケーション手段で選択、またそれを保障する法律「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション保障法」の早期制定を要望いたします。
手話を広める知事の会
(会長 平井伸治 鳥取県知事)
全国手話言語市区長会
(会長 星野光弘 富士見市長)
一般財団法人全日本ろうあ連盟
(理事長 石野富志三郎)
加藤勝信内閣官房長官と面談 国歌の手話言語訳について要望
菅首相との面談に続き、同日2021年2月19日(金)、参議院の今井絵理子議員とともに、石野理事長・久松事務局長・倉野本部事務所長は加藤勝信内閣官房長官とも面談し、現在連盟が取り組んでいる「国歌の手話言語訳」を踏まえ、国としての国歌の手話言語訳の制定と啓発・普及促進と「デフリンピック日本開催」にむけた国・開催都市・連盟との連携・協力体制の要請を行いました。
右から今井絵理子参議院議員、倉野本部事務所長、加藤勝信内閣官房長官、石野理事長、久松事務局長
連本第200553号
2021年2月19日
内閣官房長官
加藤 勝信 様
東京都新宿区山吹町130 SKビル8F
電話03-3268-8847 Fax03-3267-3445
一般財団法人全日本ろうあ連盟
理 事 長 石野 富志三郎
『国歌の手話言語訳』の普及に関する要望について
日頃より、私どもきこえない・きこえにくい人の福祉向上に、ご理解ご支援を賜り厚く御礼申し上げます。
当連盟は、2020東京オリンピック・パラリンピック大会のムーブメント及び街・心のバリアフリーという大きなレガシーを更に発展させたい、また全国のきこえない・きこえにくい子どもやアスリートへ夢を与えるため、2025デフリンピック日本開催に向けて、取り組んでおります。しかし、その一方で、我が国の国歌の手話言語訳はまだ定められておらず、オリンピック・パラリンピック、そしてデフリンピックのような晴れ舞台での国歌斉唱のとき、きこえない・きこえにくい人や子どもたちは自分の言語である手話言語で国歌を斉唱することができません。
他のきこえる人と同様に、きこえない・きこえにくい人や子どもたちが自分たちの言葉「手話言語」で誇りを持って国歌を斉唱できるよう、下記の通り要望いたします。
記
1.きこえる人と同様に、きこえない・きこえにくい人や子どもたちが手話言語で国歌を斉唱できるように、『国歌の手話言語訳』を普及推進してください
現在、我が国の「国歌」は手話言語訳が定められていません。
そのため、毎年開催される国民体育大会や全国障害者スポーツ大会等の式典にかかる国歌手話言語訳は開催毎に手話表現が異なるため、混乱や戸惑いを生んでいます。
オリンピック・パラリンピック等の国を挙げての行事や大会行事、式典等で、きこえる人たちが日本語で国歌を斉唱するのと同様に、きこえない・きこえにくい人が手話言語で国歌を斉唱するには、全国統一の『国歌の手話言語訳』の策定や普及推進が必要です。
当連盟は何年も前から内閣府を始め各省に上記について要望を続けた結果、今年度、スポーツ庁から受託した「スポーツに精通した手話通訳者の育成助成事業」の中で、専門家や手話言語関係団体も加わった「デフスポーツにおける手話言語通訳者の育成等に係る検討委員会・国歌部会」を立ち上げ、『国歌の手話言語訳(試行版)』を作成中です。
政府におかれましては、私どもの『国歌の手話言語訳』を踏まえ我が国の国歌手話言語訳の制定と共に啓発・普及の促進に取り組んでいただきますよう、ここに要望いたします。
2.2025デフリンピック日本開催に向け、国と開催都市、全日本ろうあ連盟等の連携・協力体制等を構築してください
当連盟は、2020オリンピック・パラリンピック競技大会を契機に街・心のバリアフリーが推進された今、そのレガシーを活かし、2025デフリンピック競技大会を日本で開催することが「情報バリアフリー」の推進ひいては共生社会の実現に資するものであり、大きなレガシーとなると確信しています。
オリンピック・パラリンピック競技大会と同様に国会決議や財政支援、保証等に向けて緊密な連絡調整を図るため、国・開催都市・全日本ろうあ連盟等による連携・協力体制の早期設置を要望いたします。
以 上