ESCAPオンラインセミナー「新型コロナウイルスの世界的流行における障害者の保護と社会的地位の向上」について



 2020年5月15日 (金) 、タイ時間09:00~11:00、YouTube Liveにて、国連アジア太平洋経済社会委員会(以下、ESCAP)オンラインセミナー「新型コロナウイルスの世界的流行における障害者の保護と社会的地位の向上」に世界ろう連盟アジア地域事務局(以下、WFD RSA)副事務局長を務めている当連盟理事の嶋本が参加しました。
 その時の模様について、WFD RSAのホームページで嶋本が国際手話にて報告しており、下記に日本語版を掲載します。

■ 出典元:国際手話版:英語版
新型コロナウイルスの世界的流行における障害者の保護と社会的地位の向上

■ 和訳版:意訳
「新型コロナウイルス感染症の世界的流行における障害者の保護と社会的地位の向上」

 (WFD RSA事務局長の) 嶋本恭規です。2020年5月15日(金)、タイ現地時間午前9時から11時にかけてYouTubeライブで開催されたオンラインセミナー、「新型コロナウイルス感染症の世界的流行における、障害者の保護と社会的地位の向上」に参加しました。
 このオンラインセミナーには、WFD RSAの代表として招待していただきました。出席者のひとりは、新型コロナウイルス感染症流行下の、各障害者が抱える課題について言及していました。アジア諸国の政府は、こうした感染症流行における障害者が必要とするニーズにあわせて、調整する方策を探らなければなりません。情報アクセス・コミュニケーションの保障も、政府のなすべき仕事のひとつです。 新型コロナウイルス感染症流行下、障害者の権利とインクルージョンを保障するのは容易なことではありませんが、必要不可欠なことです。
 会議は新型コロナウイルス感染症のため、手話言語通訳つきのオンラインセミナーの方式で開催され、ろう者を含むすべての参加者に対して非常に利便性のよいものでした。しかし、手話言語通訳の表示画面は、画面全体の8分の1にも満たず、ろう者がしっかりと通訳を見るにはあまりにも小さい比率です。今後、オンラインセミナーやバーチャル会議の機会は増えていくことが見込まれます。今回を機に、こうした場での手話言語通訳提供と、通訳者表示の適切な画面比率をスタンダードにし、継続的に実施していくことの重要性を訴えたいと思います。
 情報へのアクセス平等を鑑み、手話言語通訳者の表示画面は1:1とすることを提案します。聞こえる人は、情報の大部分を音声で得ることになりますが、ろう者は視覚から情報を得ます。聞こえる人にとっては、明瞭に聞こえる状態であることが情報を得る上で大切であるのと同様、ろう者にとって、はっきりと見える状態であることは重要です。また、ネットワークが安定した状態であることも、ろう者のみならず、誰もがこのオンラインセミナーを円滑に参加出来るようになるためにも大切です。
 最後になりましたが、誰も取り残さないことを実現すべく、合理的配慮をもって準備を整えてくださった国連ESCAPに感謝申し上げます。素晴らしいオンラインセミナーでした。

オンラインセミナー詳細(ESCAPのホームページ)

スクリーンキャプチャ
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■ 参考資料
コロナウイルス感染症対策における障がい者の権利保障と障がいインクルーシブな対応

日本語版は下記を参照ください。
国連ESCAPの「コロナウイルス感染症対策における障がい者の権利保障と障がいインクルーシブな対応」の和訳版を掲載しました