自民党 ユニバーサル社会推進議員連盟 開催



 「自由民主党ユニバーサル社会推進議員連盟」が2020年6月23日(火)に衆議院第一議員会館多目的ホールで開催され、各省庁からの障害者政策への取り組み報告及び令和2年度予算の説明がありました。第201回の通常国会において法改正をされたバリアフリー法及び6月12日に公布された「聴覚障害者等による電話利用の円滑化に関する法律(電話リレー法)」の説明後、各障害者団体からの要望と質疑応答が行われました。
 連盟からは事務局長の久松、女性部長の唯藤、議長の有山が出席し、電話リレー法制定のお礼を述べると共に「手話言語法」と「障害者情報 アクセシビリティ・コミュニケーション保障法」の制定を強く要望しました。(要望省は下記参照)

左から 笹川議員(議連事務局次長)、盛山議員(議連事務局長)、石破議員(議連会長)
左から 笹川議員(議連事務局次長)、盛山議員(議連事務局長)、石破議員(議連会長)

左から 有山(連盟議長)、久松(連盟事務局長)、唯藤(連盟女性部長)
左から 有山(連盟議長)、久松(連盟事務局長)、唯藤(連盟女性部長)
左から 有山(連盟議長)、久松(連盟事務局長)、唯藤(連盟女性部長)

連本第200114号
2020年6月23日

自由民主党
ユニバーサル社会推進議員連盟
 会 長  石破 茂   様

東京都新宿区山吹町130 SKビル8F
電話03-3268-8847・Fax.03-3267-3445
一般財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野 富志三郎

要 望 書

 日頃より、私ども聴覚障害者の福祉向上に、ご理解ご支援を賜り厚く御礼申し上げます。
 聴覚障害者をとりまく環境をバリアフリーにしていただきたく、下記の通り要望いたします。

1.新型コロナウイルス感染症に関する諸制度について
 新型コロナウイルス感染症に関する様々な給付や補助制度は、その多くが緊急的な対応であるため、音声もしくは書面のみの通達や広報となっており、FAXやメールでの問い合わせや手話言語による情報伝達については充分に対応いただいているとは言い難い状況です。
 このような緊急事態の下でこそ、情報入手の困難な障害者を漏らすことなく情報や支援が届くよう、そのシステム構築の際、FAXやメール・手話言語による情報提供を、国としての実施を必須とするようにしてください。

 また、今般、遠隔手話サービスの環境整備について令和2年度の補正予算がつきましたが、人件費やシステム導入後の維持経費は対象外になっているため、多くの自治体は「環境整備後」の経費の捻出ができない状況です。
 新型コロナウイルス感染拡大の第2波、第3波や、近年頻発する自然災害などの非常時にこそ、遠隔手話サービスを全国各地で互いに利用できるよう標準化を進め、安定的な運営ができるようにする必要があります。そのためには、意思疎通支援事業の経費とは別に個別の義務経費として計上し、国として保障を行ってください。

2.電話リレーサービスについて
 2020年6月5日に「聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律」が施行されました。付帯決議には聴覚障害当事者の意見を反映させるよう盛り込まれています。
 今後、具体的な事業運営については基本方針が策定されることになりますが、相互の会話をしっかりとつなぐためのオペレーター養成や必要資格条件などについて、当事者団体の協力や意見の反映が可能になるようにしてください。
 また、きこえる人への電話リレーサービスの周知広報を進めるとともに、電話というリテラシーに接してこなかったきこえない人への学習会などの理解を深める機会を設けるとともに、これらを含めた基本方針の策定過程において当事者が参画し、意見を積極的に反映できる仕組みを構築してください。

3.「手話言語法」「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション保障法」について

(1)「手話言語法」を早急に制定してください。
 ニュージーランドやフィリピン等の諸外国では手話を「言語」として規定し、ろう者が手話言語を獲得することをはじめ、手話言語による情報獲得や教育、ろう児を持つ親への支援等が進んでいます。ろう者が手話言語を用いて、きこえる人と対等に社会参加をしていくためにも、手話を「言語」として規定し、手話言語を獲得し手話で学べるようにするための環境整備と手話言語を研究・普及・保存していくことを保障するための法律「手話言語法」の制定を早急に進めてください。

(2)「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション保障法」を早急に制定してください。
 聴覚障害、盲ろう者をはじめ、話すこと、聞くこと、見ること、書くこと、読むこと、認知することに困難がある人達は、情報アクセスとコミュニケーションに制限を受けています。そのため、憲法で保障された権利を行使とするときに必要な情報アクセスとコミュニケーションを保障する制度も、縦割り行政のなかで部分的に保障されている状況が続いており、依然として「制度の谷間」が存在します。
 あらゆる場面における「情報アクセスとコミュニケーション手段の選択」を保障するための法律「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション保障法」の制定を早急に進めてください。

以 上