2019年6月18日山形県沖地震:内閣官房、気象庁、NHK、民放連へ聴覚障害者への情報保障について緊急要望を提出



 2019年6月18日(水)午後10時22分頃、山形県沖を震源とする最大震度6強の地震が発生しました。この緊急会見及び報道に関して、内閣官房、気象庁、NHK、民放連へ聴覚障害者への情報保障に関する要望を提出しました。

【2019/06/21追記】NHKより回答を頂きました。

連本第190178号
2019年6月19日

 内閣総理大臣
    安倍 晋三  様

〒162-0801 新宿区山吹町130 SKビル8F
Tel 03-3268-8847 ・ Fax 03-3267-3445
一般財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野富志三郎

山形県沖を震源とする地震に関する
聴覚障害者への情報保障について(緊急要望)

 日頃は私たち聴覚障害者への情報提供等に格段のご配慮を頂き厚く御礼申し上げます。
 さて、令和元年6月18日午後10時22分頃に山形県沖で発生した最大震度6強の地震について、菅官房長官による緊急記者会見が行われました。
 緊急会見には手話通訳者の配置がありましたが、テレビ画面で手話通訳を付与したのはNHK(日本放送協会)のみで、残念ながら民放各局では手話通訳が外された状態で放送されました。
 これまでも首相官邸記者会見での手話通訳付与に関し意見交換を重ねてはおりますが、手話言語を必要とする聴覚障害者にも正確かつ迅速に災害情報が伝わるように、テレビ報道の在り方について下記のとおり要望いたします。
 つきましては、特に災害時の緊急会見での手話通訳付与とテレビ放送について、6月26日までにお考えをご回答いただきたくお願いいたします。

1.首相官邸の記者会見等において手話言語を必要とする聴覚障害者にも内容が分かるよう、手話通訳者を話者のすぐ隣に配置するとともに、テレビ放送において手話通訳者も話者とともに映るように、テレビ放送各社と一緒に対策を講じてください。

<説明>
 今回の緊急会見では手話通訳者が配置されておりましたが、NHK以外の民放各局では手話通訳者が映らない状態で放送され、手話言語を必要とする聴覚障害者にとって十分に情報が得られたとは言えない状況でした。
 特に非常時・災害発生時の緊急会見は命を守るための重要な情報源であり、聴覚障害者にも聞こえる人と同等に情報を伝える必要があります。
 2019年度より緊急記者会見における手話通訳者配置の試行実施を開始した気象庁では、テレビ放送においても手話通訳者が映るように話者の隣に手話通訳者を配置し、また気象庁より手話通訳のワイプ映像を放送各局へ配信できるよう対策を講じています。
 気象庁の取り組みも参考にしながら、首相官邸記者会見においても話者のとなりに手話通訳者を配置し、テレビ放送で手話通訳者が映るよう、各局と一緒に対策を講じていただきたくお願いいたします。

以 上

連本第190179号
2019年6月19日

気象庁長官
  関田 康雄 様

〒162-0801 新宿区山吹町130 SKビル8F
Tel 03-3268-8847 ・ Fax 03-3267-3445
一般財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野富志三郎

山形県沖を震源とする地震に関する
聴覚障害者への情報保障について(緊急要望)

 日頃は私たち聴覚障害者への情報提供等に、格段のご配慮を頂き厚く御礼申し上げます。
 さて、貴庁において令和元年6月18日午後10時22分頃に山形県沖で発生した最大震度6強の地震について、深夜に緊急会見が行われましたが、手話通訳者が配置されませんでした。災害が発生した地域は現在も余震等予断を許さない状況です。今後の報道等も含め、貴庁にはさらなる使命を果たしていただきたく、下記の通り要望いたします。
 なお本件につきましては、これまでも要望、意見交換をさせていただいておりますが、災害が度々発生している状況をふまえ、貴庁のお考えを6月26日までにご回答いただきたくお願いいたします。

1.地震、特別警報をはじめとした気象庁が行う記者会見、報道発表においては、1日も早く24時間体制で手話通訳者を配置してください。そして、常に「手話通訳」を付与した報道等ができるよう、体制及び予算措置を講じてください。

 <説明>
 6月19日深夜に行われた地震予知情報課長による緊急記者会見では、手話通訳者の配置がなく、手話言語を必要とする聴覚障害者にとって十分に情報が得られたとは言えない状況でした。
 貴庁より、現時点では午前9時~午後6時の緊急会見で手話通訳者の配置を行うこと、また梅雨の時期までには緊急記者会見において24時間体制での試行実施を目指す旨ご説明を頂いておりました。しかしながら、今回のように災害はいつ発生するかわからず、山形県沖の地震に関しては余震も懸念されているところです。非常時・災害時にはテレビ等で報道される気象庁の記者会見が重要な情報源になり、国民の命を救うことになります。
 手話言語を必要とする聴覚障害者にも迅速、かつ正確な災害情報が伝わるよう、特に緊急会見では1日も早く24時間体制での手話通訳者を配置いただきたく、ここに要望いたします。
 そして貴庁の記者会見(定例会見を含む)、報道発表においては、必ず手話通訳者を配置の上会見・発表し、それをきちんとテレビ報道等されるよう、放送事業者ともご検討いただき、関連予算を確保くださいますようお願いいたします。

以 上

連本第190180号
2019年6月19日

日本放送協会
  会長 上田 良一 様

〒162-0801 新宿区山吹町130 SKビル8F
Tel 03-3268-8847 ・ Fax 03-3267-3445
一般財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野富志三郎

山形県沖を震源とする地震に関する
聴覚障害者への情報保障について(緊急要望)

 日頃は私たち聴覚障害者への情報保障等に、格段のご配慮を頂き厚く御礼申し上げます。
 さて、令和元年6月18日午後10時22分頃に山形県沖で発生した最大震度6強の地震について、首相官邸において菅官房長官による緊急会見が、そして気象庁緊急会見が行われました。
 今回の地震に関する報道では字幕付与の他、首相官邸での緊急会見での手話通訳付与に際し、貴協会においてはテレビ画面で手話通訳を付与し放送いただいておりますことを御礼申し上げます。
 しかし現状はまだ余震等予断を許さない状況です。手話言語を必要とする聴覚障害者を含め、今後の報道等必要な情報が的確かつ迅速に伝わるよう、そして貴協会が公共放送としての使命と掲げる『「人にやさしい」放送・サービスの充実』を十分に果たされるよう、下記の通り強く要望します。
 なお緊急災害に関する放送についてはこれまでも要望をさせていただいておりますが、今回に関する貴協会のお考えを6月26日までにご回答いただきたくお願いいたします。

1.特別警報をはじめとした緊急災害放送には、ローカル番組を含むテレビ番組に「手話言語(通訳を含む)と字幕」を必ず付与してください。また、手話通訳がつく記者会見については必ず手話通訳を付与し報道してください。

 <説明>

・放送法第7条(日本放送協会定款第3条)には「公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、且つ、良い放送番組による国内放送を行い・・・」とあります。
「公共の福祉のために、あまねく」と貴協会が謳われているように、「公共放送」ということを強く認識いただき、「公共」から聴覚障害者を排除することのないよう、速やかに対応をお願いいたします。

・さまざまな記者会見において手話通訳者が配置されている際には、テレビ放送、インターネット配信時に視聴者が話者と手話通訳者を同じ画面で同時に見ることができるよう、撮  影時及び放送・配信時に配慮をしてください。

・今回は特に、気象庁の緊急会見に手話通訳の付与がありませんでした。このような場合、手話言語を必要とする聴覚障害者にも迅速、かつ正確な災害情報が伝わるよう、貴協会をはじめ放送局側で手話通訳を付与する、といった対応を講じていただきたくお願いいたします。

※参考
アメリカのフロリダ州リック・スコット知事によるハリケーン「イルマ」の緊急会見風景の動画を2点紹介します。
       https://youtu.be/wGWtTRYSleU
       https://youtu.be/mQG7KFflYqg

緊急会見風景 緊急会見風景

以 上

連本第190181号
2019年6月19日

一般社団法人 日本民間放送連盟
  会長 大久保好男様

〒162-0801 新宿区山吹町130 SKビル8F
Tel 03-3268-8847 ・ Fax 03-3267-3445
一般財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野富志三郎

山形県沖を震源とする地震に関する
聴覚障害者への情報保障について(緊急要望)

 日頃は私たち聴覚障害者への情報保障等に、格段のご配慮を頂き厚く御礼申し上げます。
 さて、令和元年6月18日午後10時22分頃に山形県沖で発生した最大震度6強の地震について、首相官邸において菅官房長官による緊急会見が、そして気象庁緊急会見が行われました。
 今回の地震に関する報道ではほとんどの在京キー局において字幕付与に対応いただき、聴覚障害者への情報保障に配慮いただいているところですが、各局で対応がまちまちな状況に変わりはありません。また、首相官邸における緊急会見での手話通訳付与に関しては、各局のテレビ放送時に手話通訳が外れてしまっており、手話言語を必要とする聴覚障害者には命を守るために災害に関する迅速かつ正確は情報が伝わりません。
 現状も余震等予断を許さないところですので、基幹放送(民放)事業者各位が放送事業者としての使命を果たされるよう下記の通り強く要望します。
 なお緊急災害に関する放送についてはこれまでも要望をさせていただいておりますが、今回に関する貴連盟のお考えを6月26日までにご回答いただきたくお願いいたします。

1.特別警報をはじめとした緊急災害放送には、ローカル番組を含むテレビ番組に「手話言語(通訳を含む)と字幕」を必ず付与してください。また、手話通訳がつく記者会見については必ず手話通訳を付与し報道してください。

 <説明>

・緊急災害時の放送番組には手話通訳を挿入して「手話放送」を実施してください。

・基幹放送(民放)事業者各位におかれましては、放送免許の更新にあたり、「基幹放送局の再免許等に当たっての要請」を総務省から受けとっており、その「要請項目5」では、「字幕放送、解説放送及び手話放送について、視聴覚障害者、高齢者に十分配慮し、総務省が策定した「視聴覚障害者向け放送普及行政の指針」を達成するよう努めること。特にできる限り全ての大規模災害等緊急時放送における字幕放送の実施及びCMへの字幕付与の普及に留意すること。」とされています。
 いうまでもなく、放送には「公共性」が問われます。この「公共」から聴覚障害者を排除することのないよう速やかに対応してください。

・さまざまな記者会見において手話通訳者が配置されている際には、テレビ放送、インターネット配信時に視聴者が話者と手話通訳者を同じ画面で同時に見ることができるよう撮影時及び放送・配信時に配慮をしてください。

・今回は特に、気象庁の緊急会見に手話通訳の付与がありませんでした。このような場合、手話言語を必要とする聴覚障害者にも迅速、かつ正確な災害情報が伝わるよう、基幹放送(民放)事業者をはじめ放送局側で手話通訳を付与するといった対応を講じていただきたくお願いいたします。

※参考 
アメリカのフロリダ州リック・スコット知事によるハリケーン「イルマ」の緊急会見風景の動画を2点紹介します。
       https://youtu.be/wGWtTRYSleU
       https://youtu.be/mQG7KFflYqg

緊急会見風景 緊急会見風景

以 上