自由民主党ユニバーサル社会推進議員連盟に要望書を提出



2019年1月17日(木)、自由民主党ユニバーサル社会推進議員連盟に下記要望書を提出しました。

連本第180572号
2019年1月17日

自由民主党
ユニバーサル社会推進議員連盟
 会 長  石破 茂   様

東京都新宿区山吹町130 SKビル8F
電話03-3268-8847・Fax.03-3267-3445
一般財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野 富志三郎

要望書

 日頃より、私ども聴覚障害者の福祉向上にご理解ご支援を賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、この度は「ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の総合的かつ一体的な推進に関する法律」の成立おめでとうございます。
 更に聴覚障害者をとりまく環境をユニバーサルなものにしていただきたく、下記の通り要望いたします。

1.電話リレーサービス等、ICTを利用した通信サービスの拡充について
 聴覚障害者の情報アクセスの一助として電話リレーサービス等がありますが、現在わが国ではこの制度が十分に整っておりません。
 電話による情報アクセスが聞こえる者にとって必要不可欠であるように、聴覚障害者にとっても電話の音声情報を視覚情報で得ることができるシステムは、聴覚障害者の社会参加を飛躍的に向上させます。公的な通信インフラとして電話リレーサービスの整備・拡充を早急に行ってください。
 ※参考・・添付ビラ「電話のバリアフリー化って知っている?」

2.「手話言語法」及び「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション保障法」の制定を早急に進めてください。

(1)「手話言語法」の早期制定について
 手話が「言語」の一つであるということは、ご存知の通り「障害者権利条約」にも規定されており、「障害者基本法」にも「言語(手話を含む。)」と明記されています。
 ニュージーランドやフィリピン等の諸外国では手話を「言語」として規定し、ろう者が手話言語を獲得することをはじめ、手話言語による情報獲得や教育、ろう児を持つ親への支援等が進んでいいます。ろう者が手話言語を用いて、聞こえる人と対等に社会参加をしていくためにも、手話を「言語」として規定し、手話言語を獲得し手話で学べるようにするための環境整備と手話言語を研究・普及・保存していくことを保障するための法律「手話言語法」の制定を早急に進めてください。

※参考
 この「手話言語法」の制定に向けて、2010(平成22)年より取り組んでおり、その結果、1,788ある全ての自治体の議会において「手話言語法制定を求める意見書」が採択され、2019年1月8日現在、全国225の自治体で手話言語に関する条例が成立・施行しています。また、条例制定を機に、首長間のネットワーク化が進められ、「全国手話言語市区長会」(2019年1月11日現在544の市区長が入会)や「手話を広める知事の会」(現在すべての都道府県知事が入会)が設立されています。

(2)「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション保障法」の早期制定について
 聴覚障害、盲ろう者をはじめ、話すこと、聞くこと、見ること、書くこと、読むこと、認知することに困難がある人達は、情報アクセスとコミュニケーションに制限を受けています。そのため、憲法で保障された権利を行使とするときに必要な情報アクセスとコミュニケーションを保障する制度も、縦割り行政のなかで部分的に保障されている状況が続いており、依然として「制度の谷間」が存在します。
 障害者が自由に情報にアクセスでき、自らのコミュニケーション手段を選択できることは、市民として等しく社会参加ができることであり、社会全体にとってプラスになるはずです。あらゆる場面における「情報アクセスとコミュニケーション手段の選択」を保障するための法律「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション保障法」の制定を、「ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の総合的かつ一体的な推進に関する法律案」と合わせ、早急に進めてください。

以 上