2019年1月3日熊本地震:NHKから「聴覚障害者への情報保障(緊急要望)」に対する回答をいただきました



 2019年1月3日(木)午後6時10分頃、熊本県熊本地方で最大震度6弱の地震が発生しました。この報道に関して、気象庁、NHK、民放連へ、聴覚障害者への情報保障に関する緊急要望(2019年1月4日付)を提出したところ、NHKから「聴覚障害者への情報保障(緊急要望)」に対する回答をいただきました。

「聴覚障害者への情報保障(緊急要望)」について

拝啓
 平素よりNHKの放送にご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
 貴連盟から頂きました「熊本県熊本地方を震源とする地震に関する聴覚障害者への情報保障について」の緊急要望につきまして、ご回答申し上げます。
 NHKでは、幼児、子どもからお年寄り、目や耳に障害のある方など、すべての視聴者が、見やすく、聞きやすく、分かりやすく、安心して視聴できる「人にやさしい」放送・サービスの充実を公共放送の使命ととらえ、平成30年度からの3か年経営計画でも重点事項にかかげて、拡充に努めています。
 手話放送は、多重放送でお送りできないため画面のオン・オフができないという制約がある中で、一般の番組に手話表現を付与するよりも、Eテレの「手話ニュース」など、定時放送の手話番組の拡充を進めて参りました。
 さらに、ピョンチャンオリンピック・パラリンピックでは、障害のある人もない人も、みんなで楽しめる放送、「ユニバーサル放送」に積極的に取り組み、ハイライトをお届けする番組では、字幕と音声解説に加え、手話も交えてお伝えしました。
 また、放送以外の取り組みとして、放送技術研究所では、開発した手話CGを活用し関東地方の気象情報をNHKオンラインでお伝えする試みを行っており、これを拡充し、全国各地の気象情報、気象警報をお伝えできるように研究を進めています。
 「手話ニュース」では、ニュースの内容を正確に手話で伝えるために、ニュース原稿を手話で伝えやすいように短く書き直し、その原稿をもとに最も適切な手話表現を推敲しています。放送に出る言葉の1つ1つを深く理解し、手話の表現にも精通したスタッフが不可欠ですが、あらかじめ相当人数を確保し、地震や台風などの緊急報道に備えて24時間常時待機させる体制を組むことは困難であることをご理解頂きたく思います。
 なお、手話通訳がつく記者会見につきましては、官邸での会見で手話通訳が付く場合、生放送では同時に画面に映し、お届けしています。
 災害などの緊急時には、放送画面に文字スーパーを多用するなどして、放送をご覧の皆さんに、確実に情報が伝わるようにしております。今後も、緊急時の体制を充実させていくよう努めて参ります。

敬具

2019年1月7日
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NHK 編成局計画管理部