立憲民主党 情報コミュニケーション法案、手話言語法案検討WT 団体ヒアリングに出席
2018年6月21日、衆議院第二議員会館において、立憲民主党 情報コミュニケーション法案、手話言語法案検討WTが開催され、全日本ろうあ連盟より長谷川副理事長、久松事務局長、倉野理事が出席しました。
全日本ろうあ連盟からは「手話言語法」「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション保障法」の主旨からそれぞれの早期制定の必要性等について意見を述べました。
出席団体:
・全日本ろうあ連盟
・特定非営利活動法人ろう教育を考える全国協議会
・明晴学園
全日本ろうあ連盟 長谷川副理事長より初鹿明博衆院議員(情報コミュニケーション法案、
手話言語法案検討WT座長)へ要望書を提出
連盟からの意見を表明する倉野理事
「手話言語」について説明をする久松事務局長
ヒアリングの様子
連本第180194号
2018年6月21日
立憲民主党
代表 枝野 幸男 様
東京都新宿区山吹町130 SKビル8F
電話03-3268-8847・Fax.03-3267-3445
一般財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野 富志三郎
「手話言語法」「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション保障法」に関する要望
平素より聴覚障害者福祉の向上にご理解ご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
また貴党「手話言語法案、情報・コミュニケーション法案についての団体ヒアリング」にお招きいただきましてありがとうございます。
当連盟では2010年より「手話言語法」「情報・コミュニケーション法」(現「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション保障法」)制定に向けて関係各所への要望、市民への啓発等取り組みを進めてまいりました。
東京2020オリンピック・パラリンピックに向け、手話が日本語と対等な言語として認知され、ろう者等すべての障害者の情報・コミュニケーションのバリアフリー社会実現のために、「手話言語法」「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション保障法」について下記の通り要望いたします。
記
1.「手話言語法」の制定を早急に進めてくださいますようお願いします。
<説明>
「障害者権利条約」では「手話」が言語のひとつとして明記されると同時に、第24条「教育」では「ろう児等への教育が個人にとって最も適切な言語・コミュニケーション形態及び手段で、学業面、社会性の発達を最大にする環境で行われること」等を規定しています。また「障害者基本法」(以下、基本法)では、基本原則の一つとして「言語(手話を含む。)その他の意思疎通の手段を選択する機会の確保」と「情報を取得又は利用のための手段についての選択の機会の拡大」(第3条の3)が明記されています。
しかし、手話を「言語」として明記するだけにとどまらず、ろう児者が手話言語を獲得・習得することをはじめ、手話言語による情報獲得やコミュニケーションを保障する法律、「手話言語法」は各国において法制化が進んでいるものの、わが国ではまだありません。
我々はこの「手話言語法」の制定に向けて、2010(平成22)年より取り組んでおり、その結果、1,788ある全ての自治体の議会において「手話言語法制定を求める意見書」が採択され、2018年5月30日現在、全国179の自治体で手話言語に関する条例が成立・施行しています。また、条例制定を機に、首長間のネットワーク化が進められ、「全国手話言語市区長会」(2018年6月現在463の市区長が入会)や「手話を広める知事の会」(現在すべての都道府県知事が入会)が設立し、「手話言語法」制定に向けてともに活動をしております。また日本耳鼻咽喉科学会より「手話言語法」に賛同の意が表明される等、「手話言語法」の早急な制定は今や首長等も含めた民意でもあります。
ろう者が手話言語を用いて、聞こえる人と対等に社会参加をしていくために、特にろう児への手話言語獲得の保障は急務であります。手話を「言語」として規定し、手話言語を獲得し手話で学べるようにするための環境整備と手話言語を研究・普及・保存していくことを保障するための法律「手話言語法」の制定を早急に進めていただけますようお願いします。
<参考>
・日本手話言語法案 修正案及び法案対照表(2018年5月11日)
2.「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション保障法」の早期制定を進めていただきたくお願いします。
<説明>
「障害者権利条約」第9条では「施設及びサービス等の利用の容易さ(アクセシビリティ)」、第21条では「表現及び意見の自由、情報の利用の機会」が明記されています。
一方、我が国の現状として、聴覚障害、盲ろう者をはじめ、話すこと、聞くこと、見ること、書くこと、読むこと、認知することに困難がある人達は、情報アクセスとコミュニケーションに制限を受けているため、憲法で保障された権利を行使とするときに必要な情報アクセスとコミュニケーションを保障する制度も、縦割り行政のなかで部分的に保障されている状況が続いており、依然として「制度の谷間」が存在します。
障害者が自由に情報にアクセスでき、自らのコミュニケーション手段を選択できることは、市民として等しく社会参加ができることであり、社会全体にとってプラスになるはずです。あらゆる場面における「情報アクセスとコミュニケーション手段の選択」を保障するための法律「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション保障法」の早期制定を、進めていただきたくお願い申し上げます。
<参考>
・「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション保障法」(案)
(2018年6月18日・法案公表)
以 上