東日本大震災を忘れない ~7年を経て~ 3.11声明



 3月11日で東日本大震災から7年を迎えるにあたり聴覚障害者災害救援中央本部が「東日本大震災を忘れない ~7年を経て~ 3.11声明」を発表しました。

東日本大震災を忘れない ~7年を経て~ 3.11声明

 2011年3月11日に発生した東日本大震災から、7年がたとうとしています。岩手・宮城・福島では、避難所が少しずつ閉鎖され仮設住宅や一般住宅への移住が進んでいますが、身体、心の健康を取り戻し、あらゆる面において、ほぼ震災の前と同じような生活を送ることができるようになるまで、まだ時間を要します。福島においては、原発による風評被害が根強く残っています。
 聴覚障害者災害救援中央本部では、東日本大震災の課題として「手話通訳や字幕などの情報保障の確保」「地域防災計画を策定する際の障害者の参画」などの要望書を毎年、内閣府をはじめ関係省庁に提出しています。今年度は、新たに気象庁についても要望書を提出しました。
 地震調査委員会は、「南海トラフ巨大地震」が今後30年以内に発生する確率は70%~80%と想定しています。また、昨年福岡で起きた集中豪雨での土砂災害など、異常気象による災害も全国各地で起きています。日本は、いつどこで大災害が発生してもおかしくない状況です。聴覚障害者災害救援中央本部では、そのつど各団体に支援金を募ってきましたが、日ごろの災害に対する準備基金とした「聴覚障害者災害救援基金」の創設や仕組みづくりを検討しています。
 「電話リレーサービス」や「手話フォン」など、新しい情報機器が創設され聴覚障害者の情報取得の環境も変化しつつあります。しかし、すべての聴覚障害者が安心して情報を得られているわけではありません。また、被害にあわれた方の心のケアについては、聴覚障害者の相談員の存在も欠かせません。このような聴覚障害者の環境は、国レベルでの仕組みが必要であります。
 災害の際には「自助」「共助」「公助」が大切となります。聴覚障害者自身が地域で防災、減災の学習会や訓練に参加し、様々な場面で聴覚障害者への理解を広めると共に、国や地方自治体への要請を継続する事が「自分の命を守り、みんなの命を救う」ことにつながります。
 「逃げろ!」の言葉が届かなかったあの日、あの場所・あの出来事が二度と繰り返されないように、すべての人が安心・安全を確信できる共生社会を目指し、全国の仲間とともに防災・減災に向けて、さらに取り組みを強化していく決意をここに表明します。

2018年3月11日             
聴覚障害者災害救援中央本部     
運営委員長 石野富志三郎  
 
〈構成団体〉一般財団法人全日本ろうあ連盟     
      一般社団法人全国手話通訳問題研究会  
      一般社団法人日本手話通訳士協会    

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