立憲民主党へバリアフリー法に関する要望を行いました



 2018年2月13日(火)立憲民主党国土交通部会に対し、バリアフリー法の改正に伴う要望を行いました。(要望書は下記添付)
 連盟より、小中副理事長、服部理事が出席しました。情報アクセシビリティの推進に関し、電話リレーサービスの紹介パンフレットを提示しながら、聴覚障害者の命と生活を守るものであること、観光地やそこでの緊急時の情報保障が必須であることも訴えました。
 放送のバリアフリーに関しては、ローカル局の字幕付与が進まないため、身近な気象情報や交通情報が入りにくいことを訴えました。
 また、2020東京オリパラを踏まえ、「手話マーク」等の掲示は、合理的配慮にかない、聴覚障害者が安心して、コミュニケーションを取ることができると説明しました。

(左から)初鹿議員、(手話通訳)、矢上(やがみ)議員、小中副理事長、服部理事
(左から)初鹿議員、(手話通訳)、矢上(やがみ)議員、小中副理事長、服部理事
 
ヒアリング団体
 ヒアリング団体:右奥から、連盟(2名)、全国精髄損傷者連合会(2名)、日盲連(1名) 
         左手前、全国「精神病」者集団(1名)、JDF(1名・写真なし)     

連本第170671号
2018年2月13日

立憲民主党国土交通部会
 部会長 矢上 雅義 様
 事務局長 初鹿 明博  様

東京都新宿区山吹町130 SKビル8F
電話03-3268-8847・Fax.03-3267-3445
一般財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野 富志三郎

バリアフリー法及び関連施策見直しに向けて
~聴覚障害者の情報アクセシビリティに関する要望~

 平素より聴覚障害者福祉の向上にご理解ご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
 このたびは、貴会のバリアフリー法に関するヒアリングにお招きいただきありがとうございます。
 東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて、下記の通り、聴覚障害者の情報アクセシビリティについて要望いたします。

1.情報アクセシビリティの推進に関すること
 移動や物理的環境のバリアフリーと併せて、情報アクセシビリティについて、より一層推進できるよう取り組みを強化してください。

1)電話リレーサービス等、ICTを利用した電気通信サービスの整備・拡充について
 聴覚障害者の情報アクセスの一助として「電話リレーサービス」等がありますが、現在わが国ではこの制度が十分に整っておりません。
 「電話リレーサービス」のように音声情報を視覚情報で得ることができるシステムは、聴覚障害者の「命」や「生活」を守り、社会の「安心」や「安全」を支える大切な役割を担い、聴覚障害者の社会参加・雇用拡大を飛躍的に向上させます。
 また、公共サービスとして「電話リレーサービス」が実施されている国々は合計25か国に増えていますが、G7先進国の中では日本だけが未実施です。
 早急に「電話リレーサービス」の制度化を進めてください。

(日本財団調べ2017/11/07現在…合計25か国)
・アイルランド、イギリス、イタリア、オランダ、ギリシャ、スイス、スウェーデン、
 スペイン、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、
 フランス、ベルギー
・アメリカ、カナダ、コロンビア、パラグアイ
・オーストラリア、ニュージーランド、韓国、タイ、エジプト

2)東京2020オリンピック・パラリンピックにおける情報保障体制について
 東京2020オリンピック・パラリンピックの開会式、閉会式、各競技場における情報保障体制について、特に手話通訳体制についてTokyo 2020 アクセシビリティ・ガイドラインには明記されていません。早急に手話通訳者の養成・配置および手話ボランティア(無償)の養成・配置における予算確保をお願いします。

2.放送のバリアフリーに関すること

1)テレビ・インターネット放送等への字幕・手話等の普及について
 テレビにおける字幕普及率は、普及目標の対象時間で約90%を超えおり、総時間数でも約60%となっております。しかしながら、テレビ放送における手話付与率は0.2%と著しく低い状況です。情報アクセスの選択権の保障を鑑みると、この状況は問題であり、改善が必要です。
 また、インターネット放送については、字幕や手話の付与義務がなく、多くの番組に字幕や手話がありません。これらの番組についても、ぜひ字幕や手話の付与を推進してください。

2)なお、テレビ放送については、「放送分野における情報アクセシビリティに関する指針(案)」が公表され、権利条約等の趣旨が盛り込まれるとともに、字幕、解説、手話の数値目標に前進が見られたことを評価しております。この指針の確実な実施を望むとともに、この指針に含まれない、政見放送、国会中継、選挙公報等の情報アクセシビリティについても、今後さらなる向上が図れるよう、具体的な検討を行ってください。

3)ローカル局が制作したものを含めた全ての災害関連テレビ番組に「手話」と「字幕」をつけてください。被災地の水や食料の配給、罹災証明の受付等、聴覚障害者は本当に必要な地域の災害情報を入手できない状況にあります。キー局とローカル局の字幕対応に「地域格差」が出ない施策・助成を講じてください。

4)官邸や各省が実施する緊急会見においては、必ず手話通訳者を配置してください。テレビ放送の際に手話通訳者がカット(フレームアウト)されないよう、発表者のすぐ近くに手話通訳者を立てるように立ち位置を設定してください。

3.合理的配慮を求めるコミュニケーションマークについて
 東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて、聴覚障害者等に対するコミュニケーション手段を示す「手話マーク」・「筆談マーク」を策定しました。
 今後、各省庁・行政・鉄道・バス・船舶・航空・タクシー・道路・公園・駐車場・競技場・病院などの公共機関において、また心のバリアフリーによる研修などを通して、「手話マーク」・「筆談マーク」を広め、聴覚障害者が自由に情報にアクセスし、自ら意思表示でき、コミュニケーションの取れる社会を実現していただきたくお願いします。

以 上