第48回衆議院議員総選挙における政党公約に対する取り組みについて各政党に対し要望書を提出



 10月10日に公示された第48回衆議院議員総選挙に際し、各政党で作成する公約に「手話言語法」及び「情報・コミュニケーション保障法」の早期制定についての記載を盛り込むよう、要望書を提出しました。その結果、以下の通りになりました。

第48回衆議院議員総選挙2017における公約

No. 党名 肩書 代表者名 有無 公約文 掲載箇所
1 自由民主党 総裁 安倍 晋三 意思疎通を図ることに支障がある障害者等に対する手話その他コミュニケーション支援の在り方について、必要な法整備を含めて検討し、その普及・充実に努めます。 Jファイル2017
2 公明党 代表 山口 那津男 デジタル・ディバイド(情報格差)を解消 し、高齢者・障がい者を含む誰もがICTの 恩恵を享受できる情報バリアフリー社会 の実現のため、ウェブサイトの改善、高齢 者・障がい者に配慮した通信・放送サービ ス等の開発・提供を促進します。 Manifesto2017
3 日本共産党 幹部会委員長 志位 和夫 12、情報アクセス、コミュニケーションの保障
――手話言語法を制定し、障害者のコミュニケーション手段の自己選択・自己決定を尊重し、社会参加を保障する「情報・コミュニケーション法」を制定します。
――テレビの解説放送や手話・文字放送を拡充します。
2017総選挙/各分野の政策
4 日本維新の会 代表 松井 一郎 ×
5 希望の党 代表 小池 百合子 ×
6 社会民主党 党首 吉田 忠智 「手話言語法」を制定します。障がい者の社会参加に必要な情報アクセスやコミュニケーション手段を保証します。 政策|衆議院選挙2017
7 立憲民主党 代表 枝野 幸男 障がい者差別解消法の運用強化、手話言語法制定の推進 政策パンフレット

提出した要望書

連本第170401号
2017年9月27日

(党名)
 ( 代 表 者 )様

一般財団法人 全日本ろうあ連盟
理事長 石野富志三郎

第48回衆議院総選挙における聴覚障害者福祉施策に関する公約について

 日頃、聴覚障害者福祉向上にご尽力賜り、厚くお礼申し上げます。
 私ども、一般財団法人全日本ろうあ連盟は聴覚障害当事者のみで構成される全国団体であり、障害者施策に当事者が直接参画できる体制の確立、情報アクセスとコミュニケーションの権利保障、言語としての手話普及等を実現するための法整備を求めているところです。
 障害者権利条約では「アクセシビリティ」が重要な権利として位置づけられています。また、「障害者差別解消法」においても「アクセシビリティ」は重要な理念として掲げられており、この理念を具体化することが急務となっております。私たちろう者の社会参加に必要な「手話言語法」と「情報・コミュニケーション保障法」について、貴党で公約として掲げるマニフェストにぜひ下記についての記載をお願いしたく、要望する次第です。

貴党が今回の選挙に際し公約として掲げるマニフェストに下記内容を盛り込んでください。

1)「手話言語法」の早期制定を!
 2013年10月に鳥取県において「手話言語条例」が初めて制定されて以来、全国各地で102県市町が手話言語条例を制定し、2016年3月、国に「手話言語法」の制定を求める意見書が日本国内の全1,788 地方議会において採択され、「手話を広める知事の会」に46都道府県が入会、「全国手話言語市区長会」に368市区長、6町村長が入会(2017年9月27日現在)しました。また、102の自治体で手話言語条例が採択され、現在検討中の自治体も多数あります。更に全国都道府県議会議長会・全国市長会からも手話言語法の早期制定の要望が出されております。2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、手話言語の獲得、習得、使用等の環境整備を目的とした「手話言語法」の制定を早急に推し進めてください。

2)「情報・コミュニケーション保障法」の早期制定を!
 障害者のコミュニケーション手段の自己選択・自己決定については、改正障害者基本法第3条3にも明記されているところではありますが、その趣旨を踏まえた整備は充分に行なわれておりません。
 私たちの社会参加に必要な情報アクセスやコミュニケーション手段を保障するため「情報・コミュニケーション保障法」の制定を推し進めてください。

以  上