東日本大震災を忘れない 3.11声明



 3月11日で東日本大震災から6年を迎えるにあたり聴覚障害者災害救援中央本部が「東日本大震災を忘れない 3.11声明」を発表しました。

- 東日本大震災を忘れない 3.11声明 -

 2011年3月11日に発生した東日本大震災から6年がたとうとしています。福島では避難指定解除の動きがありますが、再建にはほど遠い状況です。
 東日本大震災復興途上の中で、昨年4月16日に震度7の熊本地震が発生しました。
 聴覚障害者災害救援中央本部では、直ちに対策本部を立ち上げ、支援金を募って支援活動を展開してきました。その中でも相談員派遣は、支援の必要性が高いことを鑑みて、2017年2月末まで支援を続けてきました。今後は地元で制度や社会資源について協議を進めていくことになりますが、本部でも支援を継続していきます。
 また、本年度も東日本大震災被災3県への訪問調査を継続しており、本年度で3回目となります。まだ被災者の心のケアはこれからも必要であり、各地域の防災に関する取り組みへの組織的な支援が引き続き必要です。
 さらに、内閣府をはじめ関係省庁には、「手話通訳や字幕などの情報保障の確保」「地域防災計画を策定する際の障害当事者の参画」などの要望書を手渡し、地域防災の聴覚障害者関連事項の充実を図るよう要望しました。

 熊本地震の他にも2016年は10月21日に震度6弱の鳥取県中部地震、12月28日には茨城県で震度6弱の地震が発生していますが、各地域本部の日頃の取り組みにより、速やかな安否確認が可能になっています。災害時だけに支援が必要ということではなく、日常的に地域でのつながりがあってこそ、災害時にも的確な支援ができることが改めて確認できました。

 現在、手話言語法制定の動きと連動するように、手話言語条例が施行される地域が増えています。聴覚障害者や手話に関する理解が進みつつあることを嬉しく思う反面、災害等が発生したときは、その地域全体が被災者となります。
・被災地の聴覚障害者がまず自分の身を守る「自助」、
・家族や地域住民等と連携を図る「共助」、
・国や地方公共団体が行う「公助」
の「自助」「共助」「公助」が、障害のある人が主体となって仕組まれていく必要があります。

 聴覚障害者自身が地域で防災、減災の学習や防災訓練に参加し、様々な場面で聴覚障害者への理解を広めると共に、国や地方公共団体への要請を継続することが「自分の命を守り、みんなの命を救う」ことにつながります。
 「逃げろ!の言葉が聞こえなかった」ということが二度と起きないよう、あらゆる人が安心、安全を確信できる共生社会を目指し、全国の仲間とともに防災・減災に向けて、さらに取り組みを強化していく決意をここに表明します。

2017年3月11日
聴覚障害者災害救援中央本部
運営委員長 石野富志三郎
〈構成団体〉             
一般財団法人 全日本ろうあ連盟    
一般社団法人 全国手話通訳問題研究会 
一般社団法人 日本手話通訳士協会   

聴覚障害者災害救援本部について