国土交通省へ聴覚障害者の福祉施策について要望書を提出



 2016年1月15日(金)全日本ろうあ連盟福祉・労働委員会は国土交通省を訪問、聴覚障害者の福祉施策への要望について要望書を提出し、意見交換を行いました。

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全日本ろうあ連盟 福祉・労働委員会 委員長 松本正志
全日本ろうあ連盟 福祉・労働委員会 委員 土屋敬恵
国土交通省/総合政策局安心生活政策課、航空局航空ネットワーク部航空事業課、鉄道局鉄道サービス政策室、道路局高速道路課、自動車局旅客課、都市局街路交通施設課

要望書を提出

連本第150535号
2016年1月15日

国土交通大臣
 石井 啓一  様

東京都新宿区山吹町130 SKビル8F
電話03-3268-8847・Fax.03-3267-3445
一般財団法人全日本ろうあ連盟
理 事 長 石野 富志三郎

聴覚障害者の福祉施策への要望について

 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 日頃より、私ども聴覚障害者の福祉向上にご理解ご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて当連盟は、2015年6月15日群馬県前橋市において開催された第63回全国ろうあ者大会にて、聴覚障害者の福祉施策に関する大会決議を行ないました。
 つきましては、下記の通り要望いたしますので、その早期実現をお願い申し上げます。

(航空局)

1.2016年4月から障害者差別解消法が施行されますので、聴覚障害者の情報アクセス、コミュニケーション保障の観点から、航空機内における娯楽、緊急時の対応等について、下記の事項を要望します。

<説明>
 ANAおよびJALなど国内における航空機内において、飛行機座席のモニターテレビは、吹き替えの音声日本語のみとなっており、聞こえる人が無料貸出のイヤホンで楽しめるのに対し、聴覚障害者は日本語字幕がないため楽しむことができません。
 また、娯楽のみならず、機内アナウンスや緊急時などが視覚的に分かるよう、情報アクセシビリティの整備や、手話や筆談等で人的にも対応できるよう、スタッフの配置や研修等、国内便を有するすべての航空会社に働きかけてください。

(自動車局・鉄道局)

2.上記1同様、公共交通機関(駅・バス・高速道路等)やコインパーキングの自動販売機また精算機等の操作の際や、無人駅や無人料金所におけるトラブルが生じた際の対応を改善していただきたく、下記の事項を要望します。

<説明>
 無人駅や無人料金所による公共交通機関(駅・バス・高速道路等)やコインパーキングの自動販売機また精算機等が増加しつつあります。
 しかし、操作の際にトラブルが生じたとき、係員と音声やり取りなどを通じて操作を行わければならないことがあり、使えない現状にあります。
 更に、無人駅においては、障害者割引で切符を買う際、インターホンで駅員と音声やり取りなどを通じて、自動販売機のカメラに障害者手帳をかざす方法になっているところもあります。
 何らかのトラブルが生じた時のことを考慮し、視覚的に分かるタッチパネルやモニターを付けて筆談で対応できるようにする等、JRや民間の公共交通機関に働きかけてください。

3.上記2同様、緊急時および観光地や名所等の車内アナウンスの対応を改善していただきたく、下記の事項を要望します。

<説明>
 緊急時および観光地や名所等の車内アナウンスが、聴覚障害者には聞こえないために、観光地や名所の歴史や背景を楽しむことができなかったり、緊急時に情報が入らず、不安な思いを抱えています。
 車内アナウンスが視覚的に分かるよう、情報アクセシビリティの整備や、手話や筆談等で人的にも対応できるよう、スタッフの配置や研修等など、すべての鉄道会社に働きかけてください。

以 上