聴覚障害者のアクセス環境の整備に向けて世界各国の参加者が協議する-ITU札幌会議(2014年7月1~2日)



 2014年6月30日~7月11日に北海道札幌市の札幌コンベンションセンターで、ITU(国際電気通信連合)の国際会議が行われ、各国および日本からは総務省、一般社団法人情報通信技術委員会等、約200名の専門家が集いました。

 ITUは、古くはFAX等の機器や様々な動画、ネットサービス等の国際規格を定める国連機関で、標準規格があることで異なる会社の機器・サービス間の相互互換が保たれる重要な会議です。

 7月2日~3日、ITU-T SG16のQ26分科会(マルチメディア関連を扱う国際規格の標準化検討のうち、字幕、CS 放送、電話リレーサービス、緊急通報サービス等を検討する分科会)において、全日本ろうあ連盟より、「国内で進められている電話リレーサービス取組みと日本の現状」の報告がなされ、専門家から大きな関心が寄せられました。

 また、付帯イベントとして、7月2日に、「聴覚障害者の完全なコミュニケーション保障を考えるワークショップ(主催:日本財団、ITU、協力:全日ろう連、全難聴、CS障害者統一放送機構)」が開催されました。

 このワークショップには、ITU関係者や北海道ろうあ連盟加盟団体等、約50名の参加があり、会議は英語で進行され、英語字幕、日本手話通訳、日本語字幕の情報保障が付けられました。

 基調報告をはじめ、国内外の電話リレーサービスに関わる様々な研究者からの発表があり、聞こえない人が聞こえる人と同じように情報にアクセス出来る環境をどのように築いていくべきか、討議が繰り広げられました。

 当連盟から石野理事長が登壇し、「日本における電話リレーサービスの現状と課題」について報告と提言を行いました。

 参加者からは、「日本でも早く、24時間365日、手話や文字でどこにでも連絡できるようになってほしい」との声が挙がり、今後、聴覚障害者の命を守る、生活を守る為の「電話リレーサービス」が早急に整備されることが期待されます。