厚生労働省「障害支援区分への見直し(案)について〈ご意見募集〉」に対して意見書を提出



 厚生労働省の「障害支援区分への見直し(案)について〈ご意見募集〉」に対し、全日本ろうあ連盟より下記の意見書を提出いたしました。
 
 厚生労働省ウェブサイト掲載の募集案内:障害支援区分への見直し(案)について〈ご意見募集〉

全日本ろうあ連盟の意見書PDFでダウンロード

障害支援区分への見直し(案)に対する意見

厚生労働省障害保健福祉部精神・障害保健課あて

住  所: 東京都新宿区山吹町130SKビル8階
氏名(※): 一般財団法人 全日本ろうあ連盟 理事長 石野富志三郎
電話番号: 03-3268-8847
FAX番号: 03-3267-3445
アドレス: info@jfd.or.jp

(※)法人・団体にあっては、その名称及び代表者の氏名を記載してください。

〔 意 見 〕

1.見直しにあたって
・障害の特性、教育歴、置かれている環境条件なども踏まえ、支援の困難さが正確に反映され、必要な支援がきちんと受けられるものにすべきです。
2.障害支援区分について
・障害支援区分開発に係るモデル事業(以下略 モデル事業)の実施結果を障害支援区分に反映させることになっていますが、モデル事業の対象者には当然、聴覚障害者、また聴覚障害と他の障害をあわせもつろう重複障害者も対象になります。
そこで、100市町村を対象としたモデル事業のみならず、全国ろう重複障害者連絡協議会が実施する予定であるシミュレーションの結果を踏まえて、聴覚障害者やろう重複障害者の生活実態を把握して、その結果を障害者支援区分に反映させるようにしてください。
3.モデル事業の調査にあたって
・全国ろう重複障害者施設連絡協議会が実施する聴覚障害者やろう重複障害者を対象としたシミュレーションの結果に基づいて調査項目の修正を行ってください。
・また、調査担当者向けのガイドラインには、調査項目ごとに「聴覚障害者への調査の際の留意点」を明記してください。
・聴覚障害者を対象に調査するにあたり、手話通訳者を同行しているかどうか、手話のできる人がいつもいる環境にいるか、あるいは、手話のできる人がいない環境の場合はどうなるのかなどの条件の違いによって、調査結果が異なることが予想されます。いろいろなケースを想定して、必要な支援が抜けてしまわないようにして下さい。
4.調査項目について
・聴覚障害者にとっては、日常の生活支援とコミュニケ-ション支援とは切り離せないことを前提にして調査できるようにして下さい。
・3-3「コミュニケーション」、3-4「説明の理解」、3-5「読み書き」は独立した項目になっていますが、他の調査項目においても「一連の行為の目的や内容を理解していない場合」という選択肢があります。
聴覚障害者やろう重複障害者はコミュニケーション支援や意図決定を含めた日常生活の様々な事柄について、個々の聴覚障害の特性やコミュニケーションが十分通じない環境での育成や、十分な教育を受けていない場合、支援の程度に差が生じます。全面的な支援が必要な人には全面的な支援を、部分的に支援が必要な人にはそのニーズに対応した支援が受けられるよう、正しく判断できる認定システムを構築できるようにすることが望ましいと考えます。個々に応じたケースもあることを理解し、適切な認定、必要な支援が受けられるようにするべきです。