一般社団法人全国銀行協会へ「聴覚障害者の福祉施策への要望について」を提出



連本第110480号
2012年3月15日

一般社団法人全国銀行協会
会 長 永易 克典 様

東京都新宿区山吹町130 SKビル8F
電話03-3268-8847・Fax.03-3267-3445
財 団 法 人 全 日 本 聾 唖 連 盟
理 事 長 石野 富志三郎

聴覚障害者の福祉施策への要望について

 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 日頃より、私ども聴覚障害者の福祉向上にご理解を頂き、厚く御礼申し上げます。
 さて、国連・障害者権利条約の批准に向けて、障害当事者が参画する「障がい者制度改革推進会議」において審議された改正「障害者基本法」が、2011年8月5日に施行されました。
 貴協会におかれましても障害者権利条約及び障害者基本法の趣旨に基づいて更なる聴覚障害者の福祉向上及び社会参加のための施策推進をお願いしたく、下記の通り要望いたします。

1.金融機関での口座開設、解約等の問い合わせ・手続きには電話だけでなく、FAX、Eメールでも対応してください。
 また聴覚障害者は電話をする際や窓口で手続きをする際に手話通訳者を介して話をすることを理解し、適切に対応していただけるようお願いします。

(説明)
 金融機関の口座(キャッシュカード)の開設、解約などの際、一般的には電話で問い合わせることがあります。しかし聴覚障害者の場合、家族や手話通訳者といった支援者にお願いをして電話をしなければなりません。また、そのような支援者が周りにいない場合は問い合わせすらできません。電話だけでなく、FAX、Eメールでも問い合わせができるようにしてください。
 また、聴覚障害者本人が支援者を介して電話をすると「本人とお話できないと承れません。」と断られてしまうケースも多々あります。更に、聴覚障害者が店頭で手続き等をする際に、手話通訳者を介しての手続き等が認められない事例が起こっています。手話通訳者は聴覚障害者への情報・コミュニケーションを保障する専門職です。聴覚障害や手話通訳者等について正しく理解し、適切に対応していただけますようお願い致します。

2.現金自動預け払機(ATM)において故障などのトラブルが発生した際に、備え付けの電話以外の方法で問い合わせできるようにしてください。

(説明)
 特に有人店舗が併設されていない現金自動預け払機(ATM)でトラブルが発生した際に備え付けの電話で問い合わせることになっていますが、聴覚障害者は電話をすることができません。文字でやり取りをできるようにするなど、電話・音声以外の方法で問い合わせをできるようにしてください。

以上