年頭のごあいさつ



理事長 石野 富志三郎

財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野 富志三郎

 明けましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願いします。
 ある若い軽度難聴女性の話をいたします。彼女は普通校にずっと通い、小さい頃は聞こえないことで傷つくことはそれほどありませんでした。しかし成長につれて他人と話が通じなくなり、友人とは「曖昧で表面的な」関係になっていったそうです。
 週に数回、難聴学級にも通学していました。同じ仲間と出会えて嬉しかった半面、手話は使われていなかったので、健聴者と話す時よりもコミュニケーションが取れず、難聴学級の仲間とも、ついつい「曖昧に相手に合わす」関係が続きました。
 大学に入り、初めて手話と出会い、ろう者が「情報保障」のためにいろいろと活動していることを知りました。手話を使うことで「話しが通じる」ことも初めて学び、自由自在に意思疎通ができる楽しみ、また喜びを知りました。授業も面白いように進み、ちょっとしたジョークで学友が笑うとき、同時に笑うこともできるようになりました。
 こうした思いから、彼女はいま、福祉の谷間で喘ぐ重複ろう者のための仕事に従事しています。彼女は、手話との出会いから、コミュニケーションの素晴らしさを学んだのです。
 障害者権利条約にも明記されたように、「手話」は言葉のひとつです。『ウイ・ラブ・コミュニケーション』パンフ30万部普及および120万人署名運動を必ず成功させ、「情報・コミュニケーション法」、「手話言語法」の法制化と手話関連事業の公的制度を実現させましょう。