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東京新聞に谷根千ロケの記事が載りました。
(2008年7月17日付)


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<記事内容>

聴覚障害者らの映画づくり
「谷根千」ロケ応援 有志手話で町歩き

聴覚障害者らで組織する全日本ろうあ連盟(東京都新宿区)の創立60周年記念の映画「ゆずり葉-君もまた次のきみへ-」を支援しようと、ロケの地となった台東区谷中と文京区の根津、千駄木の通称「谷根千」地域と、文京区の本郷地域の住民有志が「映画「ゆずり葉」谷根千応援団」を結成した。活動の第一弾として今月、聴覚障害者と手話で会話しながら、谷中の町を歩く催しを開いた。応援団は、谷中在住で、障害者支援に取り組む板部明浩さん(47)が代表。地域誌の編集者らがメンバーとなっている。メンバーらは映画を盛り上げようと五日、台東区の手話サークルメンバーらとともに、聴覚障害者を手話で案内しながら谷中を歩く催しを開催。台東区などの聴覚障害者六人が参加した。NHKの手話ニュースキャスターをしている那須英彰さん(41)も、指南役として同行した。

「五重塔って手話でどうやるの」「おいしいコロッケ屋さんてどこ」。谷中霊園の五重塔跡、町のシンボルとして親しまれている観音寺の築地塀、買い物客でにぎわう谷中銀座商店街-。行く先々で、手話で次々と質問が飛ぶ。手話サークルのメンバーは「初めての手話もたくさんあり勉強になった。これからいろんな人を案内したい」と話した。

映画は昭和四十年代の東京が舞台。レトロな雰囲気が残る谷中周辺で、九月から約一カ月、ロケが行われる予定だ。映画のスタッフらは、事前準備で通ううちにすっかり谷根千ファンになり、「谷中がろう者の訪れやすい町だとPRしたい」と話しているという。ろうあ連盟の本部事務所長で、記念映画製作委員会の久松三二事務局長は「下町の人々の温かさに感謝している。応援に応えるためにも、素晴らしい作品をつくりたい」と意気込んでいる。活動は始まったばかり。坂部さんは「定期的に障害者との交流を深めるイベントを開き、映画づくりを応援していきたい」と話す。映画は二〇〇九年六月から全国で上映する予定。映画製作のための寄付や募金も呼び掛けている。問い合わせは、同委員会=電03(3260)8124、ファクスも同じ=へ。


<映画「ゆずり葉」> 聴覚障害者のベテラン大工を主人公に、差別や偏見に悩みながらも懸命に生きる姿を描く。新葉が出てから古い葉が落ちる植物ユズリハにならい、先達から若者へ、親から子へと受け継がれる絆(きずな)の大切さを伝える意味も込めている。監督・脚本を手掛ける早瀬憲太郎さんをはじめ、聴覚障害者のスタッフやキャストが中心となって制作を進めている。

2008年7月17日 東京新聞掲載