マンガはきこえない子どもに最も好まれる娯楽のひとつです。音声からの日本語習得が難しいため、日常的な話し言葉はマンガから学んだという人もいます。そのように、きこえない人にとって馴染み深い存在であるマンガにデフリンピックの盛り上げに後押ししてもらいたいという思いが、この企画のきっかけです。
そして、この思いにご賛同いただき、東京2025デフリンピックを盛り上げるため、数々の日本を代表するマンガ作品に集まっていただくことができました。
この企画のキャッチコピーは「MANGA cheer on Deaf Sports」です。これには、国内外すべてのデフアスリートに勇気を与えたい、これまで“きこえないこと”やデフスポーツに触れた経験がない人に関心を持ってもらいたい、という思いが込められています。
MANGA cheer on Deaf Sports のロゴについて
東京2025デフリンピックのメインビジュアルカラーである「ピンク(桜色)」を基調に、日本らしさと漫画を掛け合わせたロゴです。力強くポップな書体で構成し、背景には漫画特有の「集中線」をあしらうことで、視線を引き寄せる演出とともに、スポーツの瞬発的な動きやエネルギーを視覚化しています。
漫画/三浦糀(みうらこうじ)
週刊少年ジャンプ(2021年第19号~連載中)
/集英社
中高一貫スポーツ強豪校、栄明学園。
男子バドミントン部・猪股大喜は、朝練の体育館で毎朝二人になる、一つ上の女バスの先輩・鹿野千夏に恋をして…。青さが胸を衝く、青春部活ラブストーリー。
基本的なルールは、きこえる人のバドミントンと同じです。
プレイヤーは打球音がきこえないため、選手それぞれが工夫して相手が打つタイミングの感覚をつかみます。
また、ダブルスではパートナーの合図を見逃さず素早く対応する能力が必要です。
漫画/大今良時(おおいまよしとき)
週刊少年マガジン(2013年第36・37合併号~2014年第51号)
/講談社
明るく!楽しく!大冒険!がモットーの少年・石田将也は、耳の聞こえない転校生の少女・西宮硝子と小学6年生時代に出会う。5年後、再び彼女に会わなければならないと決意。
初めて伝わる二人の「こえ」。そして物語は、幕を開ける。
きこえない人とのコミュニケーション手段として手話言語が広く知られていますが、手話言語が使えなくても、身振り手振り、筆談、文字起こしアプリなど、様々な方法で意思表示や相手との意思疎通を図ることができます。
漫画/許斐 剛(このみたけし)
週刊少年ジャンプ(1999年第32号~2008年第14号)
ジャンプスクエア(2009年4月号~連載中)
/集英社
越前リョーマは、アメリカJr.大会4連続優勝の経歴を持つテニスの天才少年。テニス名門校・青春学園中等部に入学し早速テニス部に入部したリョーマは、その圧倒的な強さとテニスセンスで1年生ながらレギュラーの座を勝ち取り、悲願の全国制覇を目指し様々な強敵に挑んでいく。
基本的なルールは、きこえる人のテニスと同じです。
選手は打球音でボールとの距離感をはかることができないため、相手が打つボールの行方を目で見て体を動かし始めます。
漫画/古舘春一(ふるだてはるいち)
週刊少年ジャンプ(2012年第12号~2020年第33・34合併号)
/集英社
バレーボールに魅せられ、中学最初で最後の公式戦に臨んだ日向翔陽。だが、「コート上の王様」と異名を取る天才選手・影山飛雄に惨敗してしまう。
リベンジを誓い烏野高校バレー部の門を叩く日向だが⁉
バレーボールに懸ける高校生達を描いた青春スポーツ物語!
基本的なルールは、きこえる人のバレーボールと同じです。
選手はプレー中に手話言語やアイコンタクトで意思疎通を図ります。試合中に選手へ合図を送る工夫として、主審がネットを揺らすことやラインズマンがフラッグを振ることがあります。
漫画/山本おさむ(やまもとおさむ)
漫画アクション(1990年6月7日号~1992年10月20日号)
/双葉社
沖縄県の聴覚障害児のための聾学校を舞台に、高校野球に憧れる少年たちが硬式野球部を作り、幾多の困難や壁を乗り越えて、甲子園を目指す姿を描いた名作。
少年たちの野球にかけるひたむきな姿とたくましく成長していく姿に感動がこみあげてくる。
きこえにくいことは見た目ではわからないため「目にみえない障害」と言われています。
呼びかけや、車のクラクションなど音の合図では気付かない人がいることを知ってほしいです。
気付かない場合は、顔が見える位置から合図を送ることや話の内容を紙に書くことなどの配慮が必要です。
原作/金城宗幸(かねしろむねゆき)
漫画/ノ村優介(のむらゆうすけ)
週刊少年マガジン(2018年第35号~連載中)
/講談社
W杯、日本代表ベスト16敗退を受け、日本フットボール連合はW杯優勝のため300人の高校生FWを集めた育成寮“青い監獄(ブルーロック)を設立。
無名のFW・潔世一たちは己をエゴイストに変える蹴落とし合いの選別(セレクション)に挑む!
愛称「音のないサッカー」。
基本的なルールは、きこえる人のサッカーと同じですが、選手はアイコンタクトや手話言語でコミュニケーションを取り、主審はホイッスルを吹くとき、選手がホイッスル音が分かるようにフラッグを振ります。
漫画/青山剛昌(あおやまごうしょう)
週刊少年サンデー(1994年第5号~連載中)
/小学館
高校生探偵・工藤新一は謎の黒づくめの男達の毒薬のせいで子供の姿になってしまう!!
自分の正体を隠すために「江戸川コナン」と名乗り、難解な事件を解き続ける…
単行本107巻発行の国民的ミステリー漫画の傑作!
迷宮なしの名探偵、真実はいつもひとつ!!
音を振動や光、文字に変換できる、きこえない人の日常生活を便利にする機器を「聴覚障害者用情報保障機器」といいます。
たとえば、振動機能付き目覚まし時計、インターホンと連動して光るランプなど、様々な機器が開発されています。
漫画/つるまいかだ
月刊アフタヌーン(2020年7月号~連載中)
/講談社
夢破れた青年・司と、見放された少女・いのり。
でも二人には、誰より強いリンクへの執念があった。
氷の上で出会った二人がタッグを組んで、フィギュアスケートで世界を目指す!
1949年にゼーフェクト(オーストリア)で第1回冬季デフリンピックが開催されました。
2025年現在、アルペンスキー、クロスカントリースキー、スノーボード、カーリング、アイスホッケー、チェス、フットサルの7競技があります。
漫画/森下suu(もりしたすう)
デザート(2019年第9月号~連載中)
/講談社
聴覚障がいのある女子大生・雪。
彼女に障がいがあることを知っても動じることなく自然に接してくれる同じ大学の先輩・逸臣。
雪と世界を変えてくれた逸臣の、ピュアラブストーリー。
日本語、英語のように国によって違う言語が使われているように、手話言語も国や地域によって異なります。
そのため国際交流の場では、国際手話でコミュニケーションを図ります。
国際手話が使用されることもデフリンピックの特徴のひとつです。
漫画/あだち充(あだちみつる)
週刊少年サンデー(1987年第17号~1989年第40号)
/小学館
ラフ[rough]とは、おおざっぱ・粗雑・未完成…つまり下描きのようなもの…
高校の水泳部を舞台に、そんな下描き時代の圭介たちがおりなす、甘くて切ない青春スポーツストーリー!週刊少年サンデーの80年代を代表する名作!
デフリンピックで行われる競技は競泳のみ。
浮力が働く水中では、平衡感覚が取りにくいハンディがあります。
選手はスタートの合図音がきこえないため、スターターのピストルと連動して光るランプがスタート台に取り付けられています。
漫画/高橋留美子(たかはしるみこ)
週刊少年サンデー(1987年第36号~1996年第12号)
/小学館
中国で修行していた早乙女玄馬とその息子・らんまが天道家にやって来た。だがしかし、そこに現れたのは巨大なパンダとかわいい女の子??荒行で不思議な体質になったらんまの前に次々と登場するライバルたち!?…
泣いて笑って大暴れする驚異の乱闘アクションストーリー!新作テレビアニメも大人気!!
デフリンピックで行われる競技は伝統派空手(寸止めルール)で、競技には形と組手があります。
組手中は、主審の「やめ」の合図(声)を、コート隅に設置されたランプを点滅させることで、選手に伝えます。
全国キャラバン活動の東京2025大会PRカーの訪問場所においてマンガイラストのパネル展示を実施しています。
その他、以下の会場でも展示されました。
日程 | 会場 |
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7月19日(土)~7月21日(月祝) | 街なかパラスポット TEAM BEYOND TOKYO パラスポーツプロジェクト公式サイト |
8月7日(木) | 東京2025デフリンピック 100 Days To Go! 東京都ホームページ |