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日本経済新聞に、「ゆずり葉」の記事が掲載されました。
(2008年9月1日付)


聴覚障害者が監督・主演
初の一般公開映画、製作へ 「手話の理解求めて」

 聴覚障害者が監督や脚本、主演などを手がける国内初の一般公開映画の製作が九月から始まる。耳が不自由というハンディを超えて目標に挑む人々を描いた作品で、関係者は「手話への理解を深めるとともに、同じ障害を持つ子供たちに夢を持ってもらいたい」と意気込む。来年七月以降、全国五百程度の映画館で上映する計画だ。
 映画のタイトルは「ゆずり葉 君もまた次のきみへ」。聴覚障害者団体の全日本ろうあ連盟(東京)が去年、創立六十周年を迎えたことを記念して企画した。
 主人公は聴覚障害者を理由に恋人との結婚を許されなかった過去がある六十三歳の大工の男。恋人の死をきっかけに、本業の傍ら作っていた記録映画から遠ざかっていたが、病気や差別に屈せず夢の実現を目指す聴覚障害者たちと出会い、再び映画の製作に挑むというストーリーだ。
 主役を含め、約四十人の出演者の半分は聴覚障害者。映画などへの出演経験のない人が大半。演技指導はもちろん、セリフにも手話が使われるため完成作品には字幕が付く。九月一日のクランクインに向けて始まったけいこの現場では監督らが「視線が泳いでしまっている」「小手先の芝居ではいけない」などと演技に厳しく注文をつける場面が見られた。
 監督・脚本を手がける早瀬憲太郎さん(35)は東京都内で聴覚障害を持つ子供たちに手話を教える塾を運営。「聴覚障害者の子供たちに夢を持ってもらいたい」と意気込みを語る。映画には俳優の大和田伸也さん(60)や歌手で女優の今井絵理子さん(24)も出演。大和田さんは「手話を使った映画は初めて。作品を通して少しでも社会に貢献したい」と話している。

2008.9.1(月) 日本経済新聞掲載