神奈川県相模原市の障害者施設で起きた事件について(声明)



神奈川県相模原市の障害者施設で起きた事件について(声明)
「どんなに障害が重くても人間らしく生きたい」

 2016年7月26日、神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で起きた痛ましい事件を受け、犠牲者ならびにそのご家族、関係者に深く哀悼の意を表するとともに、津久井やまゆり園の皆さまが一日も早く、地域で家族や仲間とともに元の落ち着いた生活に戻れますようお祈りいたします。

 津久井やまゆり園に暮らす障害者、特に聴覚障害など他の障害を重ね持つ重度の重複障害者は、身振り、文字、絵、指差し、表情、手話、触手話などを用いた、マンツーマン(1対1)でのコミュニケーション支援が必要です。個々の障害程度に合った適切な支援、特に、コミュニケーション支援があることで、食事や入浴、外出などあらゆる社会生活が保障され、人間らしく生きることに喜びを感じるのです。

 私たちの仲間は、津久井やまゆり園で共に暮らしてきた仲間の悲痛な叫びも聞こえず、何が起きたのか把握できず、「助けて!」と自ら声を出すこともできないまま事件に巻き込まれました。抵抗できない障害者を狙った凶悪かつ残忍な行為は、いかなる理由があっても断じて許されることではありません。障害者の存在を無視あるいは軽視する考えは、社会的弱者の存在を否定することであります。

 このような痛ましい事件が二度と起こることのないよう、国民の皆さんに、障害のある、なしにかかわらず、「命の尊さ」について考えていただくと共に、誰もが安心して生活でき、どんなに障害が重くとも人間らしく暮らせる社会を築き上げていけるよう、我々も全国の仲間と共に力を合わせて取り組んでいきます。

2016年7月28日
一般財団法人全日本ろうあ連盟