厚生労働省へ聴覚障害者の労働及び雇用施策について要望書を提出



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 2013年6月4日(火)、は、厚生労働省を訪問、聴覚障害者の労働及び雇用施策への要望について要望書を提出し、意見交換を行いました。
 
【写真】
厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部障害者雇用対策課を訪問:左から松本福祉・労働委員会委員長

連本第130164号
2013年6月4日

厚生労働大臣
 田村 憲久  様

東京都新宿区山吹町130 SKビル8F
電話 03-3268-8847・FAX 03-3267-3445
一般財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野 富志三郎

聴覚障害者の労働及び雇用施策への要望について

 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 日頃より、私ども聴覚障害者の福祉向上にご理解ご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、2011年8月、国連・障害者権利条約の批准に向けて、障害当事者が参画する「障がい者制度改革推進会議」において審議されてきた改正「障害者基本法」が施行されました。
 貴省におかれましては、障害者権利条約及び障害者基本法の趣旨に基づき、聴覚障害者の労働及び雇用の施策推進をお願いしたく、下記の通り要望いたします。

1.手話協力員制度の予算を増やし、稼働時間の増加を図って下さい。

①未設置の職業安定所に、手話協力員を配置すると共に、聴覚障害者の来所が多い職業安定所は手話協力員を増員して下さい。

②聴覚障害者はコミュニケーション障害・情報障害とも言われ、採用当初は順調に見えても、その後の職場定着が難しく、長年の課題となっております。
現在、手話協力員の稼働時間7時間/月では窓口対応が中心となり、職場定着に必要な、職場適応指導の同行ができておりません。稼働時間を増やし、職場定着支援が行われるようにして下さい。

③長引く雇用不況、かつ多様化する聴覚障害者の求職や職業相談に対応するためには、現在の勤務時間では足りません。地域の実態に応えられる手話協力員にしていくためにも、常勤化を図ってください。

2.「全国職業安定所手話協力員等研修事業」を厚生労働省主催で開催して下さい

(説明)
 現在、聴覚障害者への就労支援サービスが十分に図られるようにするため、全日本ろうあ連盟では『全国職業安定所手話協力員等研修』を毎年開催しております。
 手話協力員は国の制度であり、また身分は個人委嘱になっているため、各職業安定所一人の担当となっています。手話協力員要件には「聴覚障害者の職業問題について専門的知識を有する者」と謳われながら、資質向上のための研修の場が確保されず、各自の努力に任されています。
 職業安定所担当職員、支援専門員は、聴覚障害の特性を理解し、職場定着支援が十分に行なうことができるよう研修を積むことも重要です。『全国職業安定所手話協力員等研修』に職業安定所担当職員、支援専門員の方々が参加されるよう周知をお願いします。
 また、『全国職業安定所手話協力員研修』を厚生労働省主催の研修事業として実施して下さい。

3.聴覚障害者の職場定着支援体制の整備のため、職場適応援助者(ジョブコーチ)事業を拡充して下さい。ジョブコーチ支援事業が聴覚障害者情報提供施設で実施できるようにして下さい。

(説明)
 現在、聴覚障害者に特化したジョブコーチ支援は東京と大阪等で実施され、職場定着に成果をあげています。働く聴覚障害者の相談場所でもあり、聴覚障害者の特性を十分に理解把握している聴覚障害者情報提供施設がジョブコーチ支援事業を担えるように、数値に関する要件の緩和をお願いします。

以 上