厚生労働省、警察庁、金融庁、全国銀行協会へ聴覚障害者の福祉施策及び情報アクセスについて要望書を提出



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警察庁

厚生労働省

金融庁

全国銀行協会

 2012年11月12日(月)、連盟福祉・労働委員会は、厚生労働省、警察庁、金融庁、全国銀行協会を訪問、聴覚障害者の福祉施策及び情報アクセスについて要望書を提出し、意見交換を行いました。
 

連本第120389号
2012年11月12日

厚生労働大臣
 三井 辨雄  様

東京都新宿区山吹町130 SKビル8F
電話03-3268-8847・Fax.03-3267-3445
財 団 法 人 全 日 本 聾 唖 連 盟
理 事 長 石野 富志三郎

聴覚障害者の福祉施策への要望について

 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 日頃より、私ども聴覚障害者の福祉向上にご理解ご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、昨年、国連・障害者権利条約の批准に向けて、障害当事者が参画する「障がい者制度改革推進会議」において審議されてきた改正「障害者基本法」が施行されました。
 貴省におかれましては障害者権利条約及び障害者基本法の趣旨に基づき、来年4月から施行される「障害者総合支援法」が、「障害者総合福祉法の骨格に関する提言」と障害者自立支援法違憲訴訟の基本合意文書を尊重した法となるよう、聴覚障害者の福祉向上及び社会参加のための施策推進をお願いしたく、下記の通り要望いたします。

1.介護保険の居宅サービスに「視覚・聴覚言語障害者支援体制加算」を設けるよう働きかけて下さい。
(説明)障害福祉サービスでは、聴覚障害者等との意思疎通に関する専門性を有し、専ら聴覚障害者等の支援に従事する者として聴覚障害又は言語機能障害に手話通訳等を行う場合、「視覚・聴覚言語障害者支援体制加算」がついています。介護保険法では、介護保険施設に聴覚障害者等が15名以上おり、手話通訳者等を配置している場合には「視覚・聴覚言語障害者支援体制加算」がついていますが、居宅サービスにはこのような加算がありません。ケアマネージャー(介護支援専門員)やホームヘルパー等が、手話を主要なコミュニケーション手段とする聴覚障害者に対する支援を行った場合についても、介護報酬の保障が必要です。介護保険の居宅サービスにも「視覚・聴覚言語障害者支援体制加算」の制度を設け下さい。

以 上

連本第120389号
2012年11月12日

厚生労働大臣
 三井 辨雄 様

東京都新宿区山吹町130 SKビル8F
電話 03-3268-8847・FAX 03-3267-3445
財団法人 全日本聾唖連盟
理事長 石野 富志三郎

聴覚障害者の労働及び雇用施策への
要望について

 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 日頃より、私ども聴覚障害者の福祉向上にご理解ご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、昨年、国連・障害者権利条約の批准に向けて、障害当事者が参画する「障がい者制度改革推進会議」において審議されてきた改正「障害者基本法」が施行されました。
 貴省におかれましては障害者権利条約及び障害者基本法の趣旨に基づき、来年4月から施行される「障害者総合支援法」が、「障害者総合福祉法の骨格に関する提言」と障害者自立支援法違憲訴訟の基本合意文書を尊重した法となるよう、聴覚障害者の労働及び雇用の施策推進をお願いしたく、下記の通り要望いたします。

1. 東日本大震災後の聴覚障害者の求職等支援のために、被災した東北3県に対しすべての職業安定所に手話協力員の設置・増員を図り、更に全国からの動員をかけることで支援体制を強化してください。
(説明)東日本大震災後の被災者の生活再建のためには就業が不可欠ですが、被災地の雇用状況は厳しく、また、聴覚障害者の場合は職業安定所での就職相談から情報・コミュニケーション保障が必要になります。聴覚障害者が就職活動を進めるにあたって手話協力員の支援は不可欠です。従いまして、被災三県のすべての職業安定所に手話協力員の設置・増員を図ってください。
 また、全国の手話通訳者とろうあ者相談員が被災地へ公的に派遣され、聴覚障害被災者支援に重要な役割を果たしました。手話通訳者、ろうあ者相談員の派遣に倣い、手話協力員も公的派遣の対象とし、支援体制を強化してください。
2.手話協力員の常勤化など、手話協力員制度を拡充してください。
(説明)手話協力員制度は、昭和49年に労働省(当時)が、求職相談や職場定着指導などにかかる聴覚障害者に対するコミュニケーションをサポートする者として職業安定所に設置した制度です。しかし、現在、設置されているのは297ヶ所程度と全国すべての職業安定所に設置されている訳ではなく、勤務時間も月7時間と、非常に限られたものとなっています。聴覚障害者にとって「手話協力員制度」は、職業選択や職場定着のために重要な制度であり、その拡充のために次のように改善を要望致します。
(1)手話協力員制度の予算を増やし、稼働時間の増加を図ってください。
①未設置の職業安定所に手話協力員を配置するとともに、聴覚障害者の来所が多い職業安定所を中心に、手話協力員を更に増員できるように図ってください。
②長引く雇用不況、かつ多様化する聴覚障害者の求職や職業相談に対応するためには、現在の勤務日数では足りません。地域の実態に応えられる手話協力員にしていくためにも、早急に常勤化を図ってください。
(2)手話協力員を労働部門における聴覚障害者のコミュニケーション・情報をサポートする専門職として位置付け、「手話奉仕員及び手話通訳者の養成カリキュラム(厚生労働省官房障害保健福祉局 平成10年7月)」の全課程を修了し、かつ手話通訳者登録試験に合格した人を聴覚障害者団体の推薦で配置してください。
 また、手話協力員の効果的な人材活用のために、聴覚障害者団体・手話通訳派遣事業所等との団体契約を望む地域に対し、弾力的な運用ができるようにしてください。
(3)各地の職業安定所において手話協力員の業務への範囲がまちまちです。聴覚障害者の職業相談や就労支援ニーズに適切に対応するためにも、「手話協力員業務ガイドライン」が必要です。手話協力員の在り方にも関わることであり、厚生労働省・聴覚障害当事者・手話協力員の3者が委員となってガイドライン策定について検討する場を設けてください。
(4)全国の職業安定所担当職員、障害者就労支援専門員、手話協力員等の資質を高め、聴覚障害者への就労支援サービスが十分に図られるようにするため、全日本ろうあ連盟は「全国職業安定所手話協力員等研修会」を開催しています。このような研修会を厚生労働省主催で開催してください。
3.障害者権利条約の批准に向けて、障害者雇用促進法等、障害のある労働者に関する法の整備及び制定には、聴覚障害者をはじめ全ての障害者の意見を十分に反映してください。
(説明)内閣府障がい者制度改革推進会議総合福祉部会にてまとめた「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」に、「障害者雇用促進法を改正し、障害者権利条約第27条[労働及び雇用]で求められる労働への権利、差別の禁止、職場での合理的配慮の提供を確保する為の規定を設ける」ことを求めています。また、「就労合同作業チームの検討課題についてフォローし、実現化を目指すための検討体制の整備」のところで当事者(団体)も含めた新たな検討チームを設置することも提言しています。この提言をふまえて下記について要望致します。
(1)世界の障害者が「私たち抜きに私たちのことを決めないで」と採択に参画してきた障害者権利条約です。その精神を尊重し、障害者雇用促進法の改正及び整備を検討する貴省の労働政策審議会障害者雇用分科会にも各障害当事者団体に委員を委嘱し、当事者の意見を十分に取り上げてください。
4.法定雇用率制度の徹底を図り、聴覚障害者の積極的な採用を行ってください。
(説明)昨年平成23年6月の障害者の実雇用率は、一般民間企業が1.65%で一部公的機関とともに、法定雇用率が達成されていない状況が続いています。達成すべき雇用制度が守られていないことは極めて残念なことです。すべての事業所が法定雇用率を遵守することで障害者の失業問題が大幅に軽減されることは間違いありません。
早急に対策を実施して頂きたく、以下の要望を致します。
(1)各企業が法定雇用率を達成するよう、厚生労働省など国が率先して障害者を雇用することで模範を示し、また未達成の企業に対しては法定雇用率を遵守するよう指導を強化してください。
(2)「障害者の雇用の促進等に関する法律」を実効性のあるものにするためにも、雇用納付金制度のあり方を再検討し、実雇用率を把握した上での法定雇用率のアップを図ってください。
①雇用率未達成企業に対しては、企業名の公表だけでなく、納付金の増額を実施してください。
②法定雇用率が平成25年4月1日より一般民間企業は2.0%、国、地方公共団体は2.3%、都道府県等の教育委員会は1.65%となっていますが、聴覚障害者をはじめとする障害種別の実雇用率が分かるように障害者雇用率の表示を見直してください。
 聴覚障害者の雇用数が公表されていないため聴覚障害者の雇用の実情が分かりません。聴覚障害者に対する情報保障やコミュニケーション保障が必要なことを理解されていない企業がまだまだ多い中で、聴覚障害者の雇用改善のための分析を行い、また聴覚障害者の実雇用率増加を図るために、障害種別の実雇用率が分かるようにして下さい。
(3)障害者除外率を早急に廃止してください。また除外率を「廃止に向けて段階的に引き下げる」としていますが、廃止に向けた縮小計画を明示してください。
(4)ろう重複障害者の就業について全国的な実態調査を実施し、その結果に基づき、一日も早くろう重複障害者の働く場の保障に関する施策を講じるようお願いします。
5.民間企業の模範となるべき官公庁・公共団体等における聴覚障害者の採用条件や職場環境の改善をお願いします。
(説明)
 官公庁や地方自治体では、雇用率を達成しているとされていますが、大半が軽度障害者の雇用です。
 また、国が率先してノーマライゼーション社会を謳っていますが、採用されている聴覚障害者の職場での情報・コミュニケーションの保障は十分ではありません。
 官公庁は民間企業に模範を示していく立場にあります。聴覚障害者を含めすべての障害者が平等に働けるよう条件や職場環境の改善を図って下さい。
6.障害者介助等助成金による手話通訳担当者の委嘱助成金を企業が積極的に活用できるように制度を見直しするとともに、企業や職業安定所職員に周知徹底をお願いします。
(説明)1回の助成額を1人3/4(6千円)ではなく、手話通訳料1回の3/4にしてください。年間の助成額の上限28万8千円を取払い、必要に応じ、手話通訳料に対して助成ができるようにしてください。
 職場においてすべての聴覚障害者の手話通訳要求に応じられるよう、等級制限撤廃や契約期間最長10年間で更新不可という制限を撤廃してください。長く制度を利用している場合、10年間助成金を使った後はやむを得ず助成なしで通訳依頼されている例もあります。数としては、まだ多くはありませんが、10年の期間は厳しいと感じています。全国の利用状況を教えてください。
 また、企業に対して企業秘密等の理由で手話通訳を断ることのないよう指導してください。
7.雇用・労働分野における聴覚障害者専門の相談支援体制の整備のために職場適応援助者(ジョブコーチ)事業を拡充するとともに、重度聴覚障害者ワークライフ支援事業を新設してください。
(1)聴覚障害者が就職してからの職場定着支援として、ジョブコーチ支援事業を現在44ヶ所に設置されている聴覚障害者情報提供施設で実施できるようにしてください。
(2)聴覚障害者の職場定着を確実なものとしていくために、聴覚障害者がコミュニケーションの心配なく、職場定着指導や職業相談などが受けられるよう、ジョブコーチの条件に「手話ができる」ことを明記し、ジョブコーチ養成のカリキュラムに「手話」を取り入れてください。
(3)重度聴覚障害者ワークライフ支援事業を国の制度として実施してください。
(説明)現在、大阪府の独自事業として実施されている重度聴覚障害者ワークライフ支援事業は、就職前後の聴覚障害者に対して個々のニーズに応じた雇用・労働相談・支援を行い、成果をあげています。
 特に全国44か所の都道府県に設置されている聴覚障害者情報提供施設においては、聴覚障害者の就労面での相談支援機能の強化が必要になっています。そのためにも国の制度として実施してください。
(4)聴覚障害者ワークライフ支援事業においては、制度の中で対応出来ない部分での就労支援も行っています。また、夜間の相談体制もあり、仕事を持っている聴覚障害者の相談に応じています。各都道府県の就労相談窓口において、制度の中で対応出来ない部分での就労支援に対し、どう対応しているかを教えてください。
8.全国に約300ヶ所設置されている障害者就業・生活支援センターが聴覚障害者にとって利用しやすくなるよう、職員の研修に手話等を導入し、聴覚障害者の相談や職業訓練等のために手話通訳者を配置するための派遣費を整備するなど、情報・コミュニケーション保障の体制を整備してください。
(説明)昨年「2012(平成24)年度で手話通訳者の派遣費は委託費の中で賄ってよい」とのご回答をいただきました。しかし、いくつかの障害者就業・生活支援センターにおいてはその運用方法について把握していない状況が見受けられると報告がありましたので、改めて、情報提供・指導をお願いいたします。

以  上

連本第120389号
2012年11月12日

警察庁
長官 片桐 裕  様 

162-0801東京都新宿区山吹町130SKビル8階
 Tel03-3268-8847・Fax03-3267-3445
財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野 富志三郎

聴覚障害者の福祉施策への要望について

 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 日頃より、私ども聴覚障害者の福祉向上にご理解ご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて当連盟は、本年6月10日京都府京都市において開催された第60回全国ろうあ者大会にて、聴覚障害者の情報アクセスに関する大会決議を行ないました。ついては、下記の通り要望いたしますので、その早期実現をお願い申し上げます。

1.「道路交通法施行規則第23条」の免許試験(適性検査)「聴力:10mの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえるものであること」を撤廃してください。
(説明)
「道路交通法88条」の改正後、2008(平成20)年度と今年度の「施行規則第23条」の改正により、聴覚障害者にも運転免許取得の道が開けてまいりました。しかし、「施行規則23条」の免許試験(適性検査の聴力検査)は全撤廃されず、依然として聴覚障害者の運転免許取得は制限されています。速やかに施行規則23条の撤廃をお願い致します。
2.「道路交通法施行規則第23条」撤廃までの間、聴覚障害者の運転免許については下記のことについて早急に検討してください。

(1)普通自動車免許に関して、聴覚障害者が運転する際の条件を「義務」から自ら選択できるようにしてください。
(説明)
 道路交通法施行規則23条の改正により普通自動車免許で「特定後写鏡+聴覚障害者標識」条件が義務付けられている聴覚障害者がいます。
「聴覚障害者標識」については、装着することで「聴覚障害者」であることを表すことになり、他の人から悪質な行為を受けるのではと懸念する等、装着に抵抗を感じる聴覚障害者もいます。補聴器装着及び特定後写鏡・聴覚障害者標識装着と取得方法については、本人が選択できるようにしてください。
(2)聴覚障害者がすべての車種に運転免許を取得できるよう拡大してください。
(説明)
 聴覚障害者の運転免許取得は社会参加のためには不可欠です。今後、中型・大型免許、第二種免許も含め、さらなる車種拡大を検討いただきたくお願い申し上げます。
 特に現在、補聴器を装着しても聴覚障害者は第二種免許を取得することができません。第二種免許は聴覚障害者の就労の拡大にもつながりますので、一日も早く車種拡大の検討に含めていただけますよう、お願い申し上げます。
3.聴覚障害者に対しては、教習所や試験場、更新時の教習等、免許取得までのあらゆる場面においての情報・コミュニケーション保障をお願いします。

(1)「特定後写鏡+聴覚障害者標識」条件で運転免許を取得しようとする聴覚障害者に対し、教習所が入校を断らないように指導してください。
(2)聴覚障害者の免許取得時や更新時には情報・コミュニケーション保障を
充実させ、的確かつ公正に対応してください。

(説明)
 2012(平成24)年の改正で聴覚障害者は普通自動車免許を取得する場合、補聴器装着及び特定後写鏡・聴覚障害者標識装着と取得方法の選択肢が増えることになります。その場合、運転免許を取得しようとする聴覚障害者の希望と公安委員会、警察等関係者の対応がずれたり、対応がまちまちで混乱が起きないよう、聴覚障害者とのコミュニケーションについては手話通訳等十分な配慮を行うことにより聴覚障害者が自己決定できるよう、様々なケースで的確に対応してください。
 また、自動二輪車、小型特殊自動車等の免許取得や更新時に適性検査を求めたり、普通自動車においては必要以上に補聴器使用から「特定後写鏡・聴覚障害者標識装着」条件に変更させることのないようにしてください。
(3)教習所での学科教習時の「ビデオ教材」への字幕・手話通訳の挿入や、更新時の講習、試験場での情報・コミュニケーション等、補聴器使用者を含めての対応(手話通訳者等の予算措置を含む)をお願いします。
(説明)
 警察庁が制作する自治体、企業向けのDVD全てに字幕付と手話通訳付機能を挿入すること(クローズドキャプション)を義務化してください。
4.あらゆる現場(交通事故、警察署出頭、申請手続き等を含む)において、聴覚障害者への情報・コミュニケーション保障がなされるよう徹底した 指導をお願いします。
(説明)
 事故現場など緊急事態に対する手話通訳の手配は、各都道府県警が県内の手話通訳派遣センターと連携して、現場に手話通訳を派遣できるシステムになっています。
しかし、聴覚障害者本人が手話通訳を希望しているのにも関わらず、事故当時対応した警官がその手話通訳派遣制度を知らず、泣き寝入りするケース等、未だ改善されていない現状があります。
あらゆる現場において、ろう者が手話通訳を希望した場合、すぐに手話通訳派遣が手配できるよう、全国の警察官へ指導をお願いします。
5.学科試験において、試験問題の簡略化および手話での試験を実施してください。
(説明)
文字の読み書きを不得手とする聴覚障害者もいる為、実技試験は合格しても筆記における学科試験で何回も不合格となる場合があります。米国においては交通標識を示してこの意味を問う質問に対し、○か×か選択をするという方法になっています。「~してはならない」「~しなければならないわけではない」など二重否定、三重否定(ひっかけ問題)の文章が苦手な聴覚障害者が多いが、そもそも学科試験の問題に、こうした二重否定、三重否定を使った問題が必要か疑問です。運転の安全性には関連性はないといえます。落とすための問題作成ではなく、運転に必要な知識を確認することを第一とした問題作成のご検討をお願いします。
 また、手話で問題を説明し、それに対し回答する方法を採用してください。
6.聴覚障害者・言語障害者向けの110番、119番FAX通報を全国で統一した番号で利用できるようにしてください。また、都道府県110番、119番メールアドレスを公表してください。
(説明)
 全国各地で聴覚障害者・言語障害者向けの110番、119番通報が行える手段が整備されつつありますが、FAX119番については、直接"119"でFAX送信できるように改善されつつあるものの、自治体によっては"xxx-xx-119"といった、市外番号から入力しなければならないケースが見られます。また、FAX110番に関しては、"0120-xx110-xx"といった、都道府県によって異なる番号になっています。
 このような状況下では、旅行や遠距離移動などで住んでいる地域以外に移動した場合には、FAX110番、FAX119番を個別に確認する必要があり、その利用が非常に困難です。
 電話による通報では全国統一であるにもかかわらず、FAX通報ではすぐに利用できず、安全安心の面で大変な社会的不利益を受けています。
 全国で統一した番号で利用できるシステムを構築するとともに、FAX、メール110番のリスト公開や、携帯電話など情報通信技術の活用を検討してください。
7.パトカーや救急車や消防車のサイレンと赤色警光灯との使い分けなどの方法について、聴覚障害者への配慮をお願いいたします。
(説明)
 パトカー、救急車、消防車はサイレンと赤色警光灯で、優先通行、赤信号通行を行えることになっており、一般車両はそれに従わなければなりません。しかし、中には警光灯のみでサイレンは鳴らさない巡回パトカーもあり、緊急車両でないので聞こえない人は混乱してしまいます。また、救急車の警光灯も点滅しないことがあり、気がつかなくて危ない思いをした聴覚障害者もたくさんいますし、車両移動のマイクの声も聞こえません。緊急車両とそうでない車両の区別や、どこからでも気が付きやすい警光灯、無線で携帯等の端末に緊急信号を知らせるシステムを開発するなど、聴覚障害者や視覚障害者などの障害者の安全を配慮した緊急車両を整備してください。

以 上

連本第120389号
2012年11月12日

内閣府特命担当大臣(金融担当)
 中塚 一宏  様

東京都新宿区山吹町130 SKビル8F
電話03-3268-8847・Fax.03-3267-3445
財 団 法 人 全 日 本 聾 唖 連 盟
理 事 長 石野 富志三郎

聴覚障害者の情報アクセスに関する要望について

 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 日頃より、私ども聴覚障害者の福祉向上にご理解ご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて当連盟は、本年6月10日京都府京都市において開催された第60回全国ろうあ者大会にて、聴覚障害者の情報アクセスに関する大会決議を行ないました。ついては、下記の通り要望いたしますので、その早期実現をお願い申し上げます。

1.昨年、貴庁より全国銀行協会に対し、「視覚・聴覚や身体機能の障がいのために銀行取引における事務手続き等を単独で行うことが困難な者に対しても、視覚や聴覚に障がいのない者等と同等のサービスを提供するよう配慮する必要がある」を踏まえたご指導及び通達を有難うございます。
 しかし、「ウェブサイト・ファックス・郵送でいただいたご質問等にも、相談室からお電話をお返しします。」と、あります。
 金融機関への問い合わせには電話だけでなく、FAX、Eメールでも対応できるようにしてください。 またこのような際の「本人確認」に身分証明書をFAX、Eメール等で送れるようにしてください。
(説明)
 金融機関に問い合わせをしたい時、電話番号しか書かれていない場合、聴覚障害者は家族や手話通訳者といった支援者に電話通訳を依頼しなければならず、そのような支援者が周りにいない場合は問い合わせすらできません。
また、聴覚障害者本人が支援者を通じて電話をすると「本人とお話できないと承れません。」と断られてしまうケースも多々あります。
更に「電話ができなければ直接、金融機関に来てほしい」と言われ、会社を休んで出向かなければならなかったり、高齢で認知症の親(健聴者)に代わり、代行の場合であっても聴覚障害者であるが故に断られてしまうケースもありました。
電話だけでなく、FAX、Eメールでも問い合わせをできるようにしてください。
 また、手続き時の本人確認に、電話に出ている家族や手話通訳者の本人確認を求められることがありますが、支援者の本人確認は不要と考えます。
手続きをする本人の身分証明書をFAX、Eメール等で送信することで確認できるようにしてください。
2.現金自動預け払機(ATM)において故障などのトラブルが発生した際に、備え付けの電話以外の方法で問い合わせできるようにしてください。
(説明)
 特に有人店舗が併設されていない現金自動預け払機(ATM)でトラブルが発生した際に備え付けの電話で問い合わせることになっていますが、聴覚障害者は電話をすることができません。文字でやり取りをできるようにするなど、電話・音声以外の方法で問い合わせをできるようにしてください。

以 上

連本第120389号
2012年11月12日

一般社団法人全国銀行協会
会 長 佐藤 康博  様

東京都新宿区山吹町130 SKビル8F
電話03-3268-8847・Fax.03-3267-3445
財 団 法 人 全 日 本 聾 唖 連 盟
理 事 長 石野 富志三郎

聴覚障害者の情報アクセスに関する要望について

 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 日頃より、私ども聴覚障害者の福祉向上にご理解ご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて当連盟は、本年6月10日京都府京都市において開催された第60回全国ろうあ者大会にて、聴覚障害者の情報アクセスに関する大会決議を行ないました。ついては、下記の通り要望いたしますので、その早期実現をお願い申し上げます。

1.昨年、貴協会会員へ金融庁監督指針「視覚・聴覚や身体機能の障がいのために銀行取引における事務手続き等を単独で行うことが困難な者に対しても、視覚や聴覚に障がいのない者等と同等のサービスを提供するよう配慮する必要がある」を踏まえたご指導及び通達を有難うございます。
 しかし、現在においても改善されていないところが多く見受けられます。金融機関への問い合わせには電話だけでなく、FAX、Eメールでも対応できるようにしてください。 またこのような際の「本人確認」に身分証明書をFAX、Eメール等で送れるようにしてください。
(説明)
 金融機関に問い合わせをしたい時、電話番号しか書かれていない場合、聴覚障害者は家族や手話通訳者といった支援者に電話通訳を依頼しなければならず、そのような支援者が周りにいない場合は問い合わせすらできません。
また、聴覚障害者本人が支援者を通じて電話をすると「本人とお話できないと承れません。」と断られてしまうケースも多々あります。
更に「電話ができなければ直接、金融機関に来てほしい」と言われ、会社を休んで出向かなければならなかったり、高齢で認知症の親(健聴者)に代わり、代行の場合であっても聴覚障害者であるが故に断られてしまうケースもありました。
電話だけでなく、FAX、Eメールでも問い合わせをできるようにしてください。
 また、手続き時の本人確認に、電話に出ている家族や手話通訳者の本人確認を求められることがありますが、支援者の本人確認は不要と考えます。
手続きをする本人の身分証明書をFAX、Eメール等で送信することで確認できるようにしてください。
2.現金自動預け払機(ATM)において故障などのトラブルが発生した際に、備え付けの電話以外の方法で問い合わせできるようにしてください。
(説明)
 特に有人店舗が併設されていない現金自動預け払機(ATM)でトラブルが発生した際に備え付けの電話で問い合わせることになっていますが、聴覚障害者は電話をすることができません。文字でやり取りをできるようにするなど、電話・音声以外の方法で問い合わせをできるようにしてください。

以 上