厚生労働省、警察庁、金融庁、全国銀行協会へ聴覚障害者の福祉施策及び情報アクセスについて要望書を提出
2012年11月12日(月)、連盟福祉・労働委員会は、厚生労働省、警察庁、金融庁、全国銀行協会を訪問、聴覚障害者の福祉施策及び情報アクセスについて要望書を提出し、意見交換を行いました。
連本第120389号
2012年11月12日
厚生労働大臣
三井 辨雄 様
東京都新宿区山吹町130 SKビル8F
電話03-3268-8847・Fax.03-3267-3445
財 団 法 人 全 日 本 聾 唖 連 盟
理 事 長 石野 富志三郎
聴覚障害者の福祉施策への要望について
時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
日頃より、私ども聴覚障害者の福祉向上にご理解ご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、昨年、国連・障害者権利条約の批准に向けて、障害当事者が参画する「障がい者制度改革推進会議」において審議されてきた改正「障害者基本法」が施行されました。
貴省におかれましては障害者権利条約及び障害者基本法の趣旨に基づき、来年4月から施行される「障害者総合支援法」が、「障害者総合福祉法の骨格に関する提言」と障害者自立支援法違憲訴訟の基本合意文書を尊重した法となるよう、聴覚障害者の福祉向上及び社会参加のための施策推進をお願いしたく、下記の通り要望いたします。
記
1.介護保険の居宅サービスに「視覚・聴覚言語障害者支援体制加算」を設けるよう働きかけて下さい。
(説明)障害福祉サービスでは、聴覚障害者等との意思疎通に関する専門性を有し、専ら聴覚障害者等の支援に従事する者として聴覚障害又は言語機能障害に手話通訳等を行う場合、「視覚・聴覚言語障害者支援体制加算」がついています。介護保険法では、介護保険施設に聴覚障害者等が15名以上おり、手話通訳者等を配置している場合には「視覚・聴覚言語障害者支援体制加算」がついていますが、居宅サービスにはこのような加算がありません。ケアマネージャー(介護支援専門員)やホームヘルパー等が、手話を主要なコミュニケーション手段とする聴覚障害者に対する支援を行った場合についても、介護報酬の保障が必要です。介護保険の居宅サービスにも「視覚・聴覚言語障害者支援体制加算」の制度を設け下さい。
以 上
連本第120389号
2012年11月12日
厚生労働大臣
三井 辨雄 様
東京都新宿区山吹町130 SKビル8F
電話 03-3268-8847・FAX 03-3267-3445
財団法人 全日本聾唖連盟
理事長 石野 富志三郎
聴覚障害者の労働及び雇用施策への
要望について
時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
日頃より、私ども聴覚障害者の福祉向上にご理解ご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、昨年、国連・障害者権利条約の批准に向けて、障害当事者が参画する「障がい者制度改革推進会議」において審議されてきた改正「障害者基本法」が施行されました。
貴省におかれましては障害者権利条約及び障害者基本法の趣旨に基づき、来年4月から施行される「障害者総合支援法」が、「障害者総合福祉法の骨格に関する提言」と障害者自立支援法違憲訴訟の基本合意文書を尊重した法となるよう、聴覚障害者の労働及び雇用の施策推進をお願いしたく、下記の通り要望いたします。
記
また、全国の手話通訳者とろうあ者相談員が被災地へ公的に派遣され、聴覚障害被災者支援に重要な役割を果たしました。手話通訳者、ろうあ者相談員の派遣に倣い、手話協力員も公的派遣の対象とし、支援体制を強化してください。
また、手話協力員の効果的な人材活用のために、聴覚障害者団体・手話通訳派遣事業所等との団体契約を望む地域に対し、弾力的な運用ができるようにしてください。
早急に対策を実施して頂きたく、以下の要望を致します。
官公庁や地方自治体では、雇用率を達成しているとされていますが、大半が軽度障害者の雇用です。
また、国が率先してノーマライゼーション社会を謳っていますが、採用されている聴覚障害者の職場での情報・コミュニケーションの保障は十分ではありません。
官公庁は民間企業に模範を示していく立場にあります。聴覚障害者を含めすべての障害者が平等に働けるよう条件や職場環境の改善を図って下さい。
職場においてすべての聴覚障害者の手話通訳要求に応じられるよう、等級制限撤廃や契約期間最長10年間で更新不可という制限を撤廃してください。長く制度を利用している場合、10年間助成金を使った後はやむを得ず助成なしで通訳依頼されている例もあります。数としては、まだ多くはありませんが、10年の期間は厳しいと感じています。全国の利用状況を教えてください。
また、企業に対して企業秘密等の理由で手話通訳を断ることのないよう指導してください。
特に全国44か所の都道府県に設置されている聴覚障害者情報提供施設においては、聴覚障害者の就労面での相談支援機能の強化が必要になっています。そのためにも国の制度として実施してください。
以 上
連本第120389号
2012年11月12日
警察庁
長官 片桐 裕 様
162-0801東京都新宿区山吹町130SKビル8階
Tel03-3268-8847・Fax03-3267-3445
財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野 富志三郎
聴覚障害者の福祉施策への要望について
時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
日頃より、私ども聴覚障害者の福祉向上にご理解ご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて当連盟は、本年6月10日京都府京都市において開催された第60回全国ろうあ者大会にて、聴覚障害者の情報アクセスに関する大会決議を行ないました。ついては、下記の通り要望いたしますので、その早期実現をお願い申し上げます。
記
(説明)
「道路交通法88条」の改正後、2008(平成20)年度と今年度の「施行規則第23条」の改正により、聴覚障害者にも運転免許取得の道が開けてまいりました。しかし、「施行規則23条」の免許試験(適性検査の聴力検査)は全撤廃されず、依然として聴覚障害者の運転免許取得は制限されています。速やかに施行規則23条の撤廃をお願い致します。
(説明)
道路交通法施行規則23条の改正により普通自動車免許で「特定後写鏡+聴覚障害者標識」条件が義務付けられている聴覚障害者がいます。
「聴覚障害者標識」については、装着することで「聴覚障害者」であることを表すことになり、他の人から悪質な行為を受けるのではと懸念する等、装着に抵抗を感じる聴覚障害者もいます。補聴器装着及び特定後写鏡・聴覚障害者標識装着と取得方法については、本人が選択できるようにしてください。
(説明)
聴覚障害者の運転免許取得は社会参加のためには不可欠です。今後、中型・大型免許、第二種免許も含め、さらなる車種拡大を検討いただきたくお願い申し上げます。
特に現在、補聴器を装着しても聴覚障害者は第二種免許を取得することができません。第二種免許は聴覚障害者の就労の拡大にもつながりますので、一日も早く車種拡大の検討に含めていただけますよう、お願い申し上げます。
充実させ、的確かつ公正に対応してください。
(説明)
2012(平成24)年の改正で聴覚障害者は普通自動車免許を取得する場合、補聴器装着及び特定後写鏡・聴覚障害者標識装着と取得方法の選択肢が増えることになります。その場合、運転免許を取得しようとする聴覚障害者の希望と公安委員会、警察等関係者の対応がずれたり、対応がまちまちで混乱が起きないよう、聴覚障害者とのコミュニケーションについては手話通訳等十分な配慮を行うことにより聴覚障害者が自己決定できるよう、様々なケースで的確に対応してください。
また、自動二輪車、小型特殊自動車等の免許取得や更新時に適性検査を求めたり、普通自動車においては必要以上に補聴器使用から「特定後写鏡・聴覚障害者標識装着」条件に変更させることのないようにしてください。
(説明)
警察庁が制作する自治体、企業向けのDVD全てに字幕付と手話通訳付機能を挿入すること(クローズドキャプション)を義務化してください。
(説明)
事故現場など緊急事態に対する手話通訳の手配は、各都道府県警が県内の手話通訳派遣センターと連携して、現場に手話通訳を派遣できるシステムになっています。
しかし、聴覚障害者本人が手話通訳を希望しているのにも関わらず、事故当時対応した警官がその手話通訳派遣制度を知らず、泣き寝入りするケース等、未だ改善されていない現状があります。
あらゆる現場において、ろう者が手話通訳を希望した場合、すぐに手話通訳派遣が手配できるよう、全国の警察官へ指導をお願いします。
(説明)
文字の読み書きを不得手とする聴覚障害者もいる為、実技試験は合格しても筆記における学科試験で何回も不合格となる場合があります。米国においては交通標識を示してこの意味を問う質問に対し、○か×か選択をするという方法になっています。「~してはならない」「~しなければならないわけではない」など二重否定、三重否定(ひっかけ問題)の文章が苦手な聴覚障害者が多いが、そもそも学科試験の問題に、こうした二重否定、三重否定を使った問題が必要か疑問です。運転の安全性には関連性はないといえます。落とすための問題作成ではなく、運転に必要な知識を確認することを第一とした問題作成のご検討をお願いします。
また、手話で問題を説明し、それに対し回答する方法を採用してください。
(説明)
全国各地で聴覚障害者・言語障害者向けの110番、119番通報が行える手段が整備されつつありますが、FAX119番については、直接"119"でFAX送信できるように改善されつつあるものの、自治体によっては"xxx-xx-119"といった、市外番号から入力しなければならないケースが見られます。また、FAX110番に関しては、"0120-xx110-xx"といった、都道府県によって異なる番号になっています。
このような状況下では、旅行や遠距離移動などで住んでいる地域以外に移動した場合には、FAX110番、FAX119番を個別に確認する必要があり、その利用が非常に困難です。
電話による通報では全国統一であるにもかかわらず、FAX通報ではすぐに利用できず、安全安心の面で大変な社会的不利益を受けています。
全国で統一した番号で利用できるシステムを構築するとともに、FAX、メール110番のリスト公開や、携帯電話など情報通信技術の活用を検討してください。
(説明)
パトカー、救急車、消防車はサイレンと赤色警光灯で、優先通行、赤信号通行を行えることになっており、一般車両はそれに従わなければなりません。しかし、中には警光灯のみでサイレンは鳴らさない巡回パトカーもあり、緊急車両でないので聞こえない人は混乱してしまいます。また、救急車の警光灯も点滅しないことがあり、気がつかなくて危ない思いをした聴覚障害者もたくさんいますし、車両移動のマイクの声も聞こえません。緊急車両とそうでない車両の区別や、どこからでも気が付きやすい警光灯、無線で携帯等の端末に緊急信号を知らせるシステムを開発するなど、聴覚障害者や視覚障害者などの障害者の安全を配慮した緊急車両を整備してください。
以 上
連本第120389号
2012年11月12日
内閣府特命担当大臣(金融担当)
中塚 一宏 様
東京都新宿区山吹町130 SKビル8F
電話03-3268-8847・Fax.03-3267-3445
財 団 法 人 全 日 本 聾 唖 連 盟
理 事 長 石野 富志三郎
聴覚障害者の情報アクセスに関する要望について
時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
日頃より、私ども聴覚障害者の福祉向上にご理解ご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて当連盟は、本年6月10日京都府京都市において開催された第60回全国ろうあ者大会にて、聴覚障害者の情報アクセスに関する大会決議を行ないました。ついては、下記の通り要望いたしますので、その早期実現をお願い申し上げます。
記
しかし、「ウェブサイト・ファックス・郵送でいただいたご質問等にも、相談室からお電話をお返しします。」と、あります。
金融機関への問い合わせには電話だけでなく、FAX、Eメールでも対応できるようにしてください。 またこのような際の「本人確認」に身分証明書をFAX、Eメール等で送れるようにしてください。
金融機関に問い合わせをしたい時、電話番号しか書かれていない場合、聴覚障害者は家族や手話通訳者といった支援者に電話通訳を依頼しなければならず、そのような支援者が周りにいない場合は問い合わせすらできません。
また、聴覚障害者本人が支援者を通じて電話をすると「本人とお話できないと承れません。」と断られてしまうケースも多々あります。
更に「電話ができなければ直接、金融機関に来てほしい」と言われ、会社を休んで出向かなければならなかったり、高齢で認知症の親(健聴者)に代わり、代行の場合であっても聴覚障害者であるが故に断られてしまうケースもありました。
電話だけでなく、FAX、Eメールでも問い合わせをできるようにしてください。
また、手続き時の本人確認に、電話に出ている家族や手話通訳者の本人確認を求められることがありますが、支援者の本人確認は不要と考えます。
手続きをする本人の身分証明書をFAX、Eメール等で送信することで確認できるようにしてください。
特に有人店舗が併設されていない現金自動預け払機(ATM)でトラブルが発生した際に備え付けの電話で問い合わせることになっていますが、聴覚障害者は電話をすることができません。文字でやり取りをできるようにするなど、電話・音声以外の方法で問い合わせをできるようにしてください。
以 上
連本第120389号
2012年11月12日
一般社団法人全国銀行協会
会 長 佐藤 康博 様
東京都新宿区山吹町130 SKビル8F
電話03-3268-8847・Fax.03-3267-3445
財 団 法 人 全 日 本 聾 唖 連 盟
理 事 長 石野 富志三郎
聴覚障害者の情報アクセスに関する要望について
時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
日頃より、私ども聴覚障害者の福祉向上にご理解ご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて当連盟は、本年6月10日京都府京都市において開催された第60回全国ろうあ者大会にて、聴覚障害者の情報アクセスに関する大会決議を行ないました。ついては、下記の通り要望いたしますので、その早期実現をお願い申し上げます。
記
しかし、現在においても改善されていないところが多く見受けられます。金融機関への問い合わせには電話だけでなく、FAX、Eメールでも対応できるようにしてください。 またこのような際の「本人確認」に身分証明書をFAX、Eメール等で送れるようにしてください。
金融機関に問い合わせをしたい時、電話番号しか書かれていない場合、聴覚障害者は家族や手話通訳者といった支援者に電話通訳を依頼しなければならず、そのような支援者が周りにいない場合は問い合わせすらできません。
また、聴覚障害者本人が支援者を通じて電話をすると「本人とお話できないと承れません。」と断られてしまうケースも多々あります。
更に「電話ができなければ直接、金融機関に来てほしい」と言われ、会社を休んで出向かなければならなかったり、高齢で認知症の親(健聴者)に代わり、代行の場合であっても聴覚障害者であるが故に断られてしまうケースもありました。
電話だけでなく、FAX、Eメールでも問い合わせをできるようにしてください。
また、手続き時の本人確認に、電話に出ている家族や手話通訳者の本人確認を求められることがありますが、支援者の本人確認は不要と考えます。
手続きをする本人の身分証明書をFAX、Eメール等で送信することで確認できるようにしてください。
特に有人店舗が併設されていない現金自動預け払機(ATM)でトラブルが発生した際に備え付けの電話で問い合わせることになっていますが、聴覚障害者は電話をすることができません。文字でやり取りをできるようにするなど、電話・音声以外の方法で問い合わせをできるようにしてください。
以 上